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「はいはい、少年ー? 離れて離れて」
「あら、いいじゃない。………………もしかして、嫉妬してるの?」
男は無理矢理にリオと女を引き剥がした後、その鎌掛けに見事なまでのぐぬぬ顔を見せる。
「わあ、ママってこんな顔してたんだ。とっても綺麗だね」
「あら〜。ありがとうね、リオも私達に似て、可愛いわよ〜」
親子劇(?)を見せられる男の口はぽかーんと空いていた。はっ、と何か思ったのかマヌケな顔からシフトチェンジする。
「さっきから、俺無視されてるんだけど!? どういうこと…………なんで、君ばっかりなんだ!?」
どうでもよかった。
すると、女は男に耳打ちするために、囁く。
「この子のお父さん、あまり優しく、というか好ましく思ってなかったようなのよね」
「…………だから、こんなにもそっけないのか……」
ぐるるるるるる
ぐるるるるるる!!!!!
「そうだったわ、この子お腹が減って、倒れててたのよね。…………ところで、貴方は可愛いらしい音に対して、えげつない音出してるのよ」
「しょ、しょうがないだろ! そういう体質何だから! ほら、もう夜食にしようぜよ!」
ワンテンポ置いて、些細な笑みと、落胆を見せる女は名残惜しそうに、リオから手を離し、席を立つ。
「私は先に支度しておくから、貴方はゆっくりリオを連れてきて」
「ほいほい、了解」
部屋を出るとこを見届けるやいなや、肩を誰かに叩かれる。
「ん? なんだ、しょ……リオ?」
「……仲直りしたんだね。昔の二人に戻ったようで、嬉しいよ」
「…………」
男は表情に微笑みを覚え、座り直すと、緑黄色の髪をクシャと撫で回す。
「そうだぞ、俺達仲直りしたんだ。それより、目が見えるようになったんだろ? ……どうだ、目の調子は?」
「?…………なんだろうね。こんなにも、目が見えることって、素晴らしく尊いことなんだね」
辺りをくまなく見渡し、目に焼き付けるように瞳孔を開いている。
「お、お、急に言葉が…………ひょっとして、本当はそっちが“いつも”なの?」
「?」
呆けた顔をご披露するリオに、若干の戸惑いを覚えるが、そんな事わかるわけないよな。
「……いや、いいんだ。それより、気絶する前のこと覚えてっか?」
「1回目の時より前は覚えてないけど…………」
「――そうか。……よしっ、俺達も飯を食いにいこうぜ!ご存知の通り、俺の妻はめためたに料理が上手だからな!」
リオは珍しい、不可思議なものを見たかのような目のまま、食事に向かう。
この頃、にじさんじ好きの私は新人の配信を見て、レインとレオスを推して参ろうと覚悟を決めた所存なんですよね。あ、評価やコメントお願いします(3回目)