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1時間目 日常と非日常

文章構成が下手なことは変わっていません!

それでもよろしければどぞ。


1時間目 日常と非日常


「え〜、そのようなことからこの雪夢高校の規則とこの学校の生徒としての威厳を保ち、学校生活を満喫し、自分の未来に飛躍できるようなそんな3年間を皆さんには送ってもらいたいと思います。これで私からの話は以上とさせていただきます。」

校長は一礼し備え付けの階段をゆっくりと下りていく。

「起立、礼」

その後教頭が閉会宣言をし入学式は無事終わりを迎えた。

「これで入学式は終了です。部活見学をしたい生徒は自由に今、活動している部活を見て回ってかまいません、分かっているとは思いますがこの学校は全寮制なので見学をしない生徒は自室で荷物の整理などをし、明日から始まる学校生活に備えてください。」

「やっと終わった〜」

光輝はその場で背伸びをしソラに歩み寄っていく。

「おい、早く行こうぜソラ」

「うん、そうだね」

ソラも背伸びをし2人は先ほどの井戸の場所に駆け足で向かった。

星輝は先ほどの井戸の淵に腰掛2人を待っていた。

「遅いよ〜どれだけ先輩を待たせんのよ」

「すいません!これは校長の話のせいで俺たちのせいじゃ・・・」

2人は少し不機嫌な星輝に謝罪した。

「嘘、嘘全然大丈夫だよ、ロープ見つけたから早く猫ちゃん助けよ、かわいそうだし」

星輝が地面に置いてあった頑丈そうな長いロープを手に取り2人に微笑んだ。

「はい」

2人もつられて微笑む。

「あーー!!」

ロープを井戸に投げ込もうとしたときだった。突然星輝が叫んだ。

「どうしたんですか!?」

光輝が慌てて井戸に駆け寄り中を恐る恐る覗き見た。

「?・・・・・・・・・」

中をじっくりと見る。数十秒、状況を理解するのにそれだけかかった。

「えっ!」

光輝は驚きというより、肩透かしを食らった様な声を上げた。ソラも気になり井戸の中を覗き込む。

「あちゃ〜」

ソラもかなり痛い顔をした。井戸の中には、しっかりと梯子が固定して備え付けてあったからだ。

(この人はどこまで天然なんだよ・・・・・)

また2人の考えが心の中で重なる。

(怒る気には全然なれない、つーか怒ったら絶対この人泣いちゃう。)

「2人とも、ごめん!」

星輝が顔の前で手を合わせ謝罪した。

「いや〜その、えっと・・・・まーあれですよ・・・・」

曖昧に答え光輝が乾いた笑いを漏らす。今度はソラが言葉を紡ぐ。

「大丈夫ですよ漣先輩、失敗なんて誰にもあることですし、こんなところに梯子があるなんて誰も気づきませんよ」

ソラが精一杯、星輝を励ました。

「うん、そうだよね、ありがとうソラ君」

星輝が目の淵に泪をためながらソラを見て言った。

ヤバイ!今度はソラだけが相当やばかった。顔が赤くなっているのが自分でも分かる。

(泣き目でお礼言われたの初めてだしその初めてがこんなかわいい先輩で良かった〜。)

「いえ、僕はそんなお礼を言われるようなことをしたわけじゃ・・・・」

光輝は苦い顔をしソラを羨ましそうに見た。

「よーし、それじゃ張り切ってこー」

星輝がいつものハイテンションで腕を空高く掲げた。2人もそれに続いた。

「おー!」

3人は前から顔見知りだったように笑いあい励まし合っていた。

「それじゃ、まずうちが中確かめてくるね。」

星輝はそう言うと梯子に足をかけた。

「えっ、明かりとかは?どうするんですか?」

「心配ないよ、さっきロープと一緒に3つ持ってきたから。ほらそこにあるでしょ」

星輝が指差した場所には赤と青の懐中電灯が1つづつ置いてあった。

「うちのは持ってるから2人ともそれ使って」

星輝はいつもとは違い天然な感じはなかった。

「はい」

それはそれで良いかな、2人はそう結論付け懐中電灯を手に取った。

コツ、コツ、コツ

革靴が金属をたたく音が井戸の中に響く。

「漣先輩、猫いましたか?」

星輝はソラたちよりもだいぶ深いところまで潜っていた。外はもう茜色に染まり始めている。

「今のところは何もないね」

懐中電灯の明かりは闇を映し出すだけで他のものは一切入ってこなかった。

こんな深いところに落ちて猫大丈夫なのか?

2人は心配しながら1段1段梯子を降りていく。

下のほうで革靴が鉄をたたく甲高い音が止んだ。それと同時に今度は、綺麗な星輝の声が響く。

「2人とも早く来て、猫ちゃん見つけたよ」

2人はその知らせを聞き張り詰めていた緊張が一瞬にして解けた。

「ふぅ〜良かった」

2人は安堵の息を漏らし、光輝が、すぐ行きます。と言って早足で梯子を降りていった。ソラがそれに続く。

「待ってよ、光輝」

甲高い音は全て消え、皆井戸の最下層に到着した。そこは思ったよりも広々としていて畳み10畳ほどはあった、湿気臭さもまったくなく真夏の蒸し暑い日にはちょうどいい場所だった。

「よしよし、怖かった?もう大丈夫だよ」

星輝は黒猫を胸に抱き優しく頭を撫でていた。その姿は本当にかわいくて綺麗だった。

「ニャ〜」

黒猫が短く鳴く。

「良かった、無事で」

「ホント、あの高さから落ちてよく助かったよな」

2人も黒猫に近づき頭を優しく撫でた。その毛はふかふかでとても気持ちよかった。

「にゃう〜」

黒猫が気持ちよさそうに鳴いた。そのとき一瞬、本当に一瞬、視界が暗転した。

「何だ・・・・・今の?」

「今一瞬何か」

「目の前が見えなくなった?」

3人は同時に同じ現象に見舞われていた。そのとき凄まじい音とともに大地が激しく揺れた。ソラたちは立っていることさえできず床に崩れる。

「今度は何だ!?」

光輝が強い口調で言う。数十秒続いた揺れはぴたりと収まり、壁であろう部分に白と黒が左右対称的のノブの付いた扉が浮き上がるように現れた。

「これなんだろ?」

ソラが立ち上がり扉に近づいた。その時、

「ニャー!!」

黒猫が星輝の腕を抜けた。

「ちょっ、待って!」

星輝が腕を伸ばしたが尻尾にかすかに触れただけで止めることは出来なかった。黒猫はそのまま扉に直進しすり抜けた。その光景に3人は絶句した。

「何だよ今の・・・・」

「今、すり抜けた?・・・・」

「嘘でしょっ・・・・・」

沈黙を保ったまま5分ほど経過しようとした。そのときソラが何かを決意した表情で沈黙を破った。

「ねぇ、僕たちも行ってみない?この扉の向こうに、」

意外だった。中学までは自分の意見すらまともに言えずに人に流されながら生活していたソラが思い切った意見を述べたのだ。

「はぁ、しょーがねーな行ってやるよ」

光輝が諦め気味に成長しようとしているソラに同意した。

「えっ!ホントに行くの!?」

星輝はまだ決意が固まらないようだ。それがごく当たり前の意見なわけで、この事件のきっかけを話し出したのは星輝だ、やはりここは星輝の意見に従うのが道理だとは思うが多分星輝の意見はこの好奇心旺盛な後輩たちに切り捨てられるだろう。

「あっ、先輩はここで待ってていただいて良いですよ」

光輝がソラと同じようにお礼を言われようと星輝に気を使った。だがそれが裏目に出た。

「女の子をこんなところに1人にするなんて、ひどいよ」

星輝もこんな時は気の弱い女性になるようだ。

「それじゃ漣先輩も一緒に行きましょ、1人でこんな井戸の中にいるのは怖いと思うので」

ソラが泣きそうな星輝をまた励ました。それを見て光輝がまた苦い顔をした。

ソラがそれを見て少し申し訳なさそうな顔をした。

「うん分かった、ソラ君ありがとう、それじゃみんなで一緒に行こー」

星輝がいつもの明るい真っ直ぐな言葉を発した。それを聞き2人はとても安心した。

(いつもの先輩だ)

「決まりだな、それじゃソラ扉を開けようぜ」

光輝も気持ちを引き締めソラを促す。

「うん、それじゃ開けるよ」

ソラの手が扉のノブを掴んだ。ゆっくりとノブを回し扉の開く音が井戸の中に響き残響を残した。扉を引く。

「うわっ!!」

扉の向こうの光がまばゆいほどに広がり、爆ぜた。


ソラたちが目を開き見た世界は井戸の中ではなかった・・・・・

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