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僕だけの物語を、もう一度 〜FIORI the 2nd anniversary〜

本日はFIORI -四アわ世 ヲ 羽コぶも之-

第一話を投稿した日。

ようやく2年を迎えました。

それを記念した、オリジナルストーリーを

公開いたします!


本編の最終回から2年後の話です!

名前は全員分出ていますが、

出番は少なめです、すみません!!


一回りも、二回りも成長した

彼の姿をご覧ください!

拝啓、桜の花が満開に咲いてきたこの頃。

暖かな春風が、桜の葉を散らしています。

一つの花びらは弧を描くように、また一つの花びらは踊るように……

それぞれの花びらが舞うその光景は、僕の視界を綺麗に彩らせてくれる。

そっちの世界にも、桜ってあるのかなぁ……


「み〜つ〜る〜君っ」


不意に、名前を呼ばれる。

書いていたものを閉じ、顔を上げた。


「きいたよ〜期末テスト、オール平均点だったんだって? そーゆーとこだけは変わんないよね」


「あ、あんまり言わないで虹己君……先生にも狙ってるだろって怒られたから……」


「これも満の個性ってところか……だが、上には上がというように、下もいるとも聞くが」


「うっわ、それ言う? 恭弥君だって志望校レベル到達してないじゃん。先生に言われてたの、オレ知ってんだからね」


二人がいつものように話すのを、つい苦笑いを浮かべる。

赤羽満、四葉高校3年生。

月日が経つのはあっという間で、ここにきてからもう2年がたちました。

3年生にもなると卒業後の進路とかで、毎日がかなり慌ただしい。

相変わらず僕は伸びもしなければ落ちもしない、平均一点張りの成績です。

本当に2年経ったのかって疑われるほど、あの頃と変わらない日々を過ごしてます……とほほ……


赤点揃いの結果だった虹己君と、それなりに成績がいい恭弥君は3年生になっても変わらず連んでくれる、大切なお友達です。

あの時に比べたら二人とも背がぐんと伸びてるから、どんどん置いてかれているように感じてしまう時もあるけど……


「そーいやまぁた先輩来てるでしょ? 大学も彼女と同じところ行くなんて、毎日見せつけてくるよね〜ほんとリア充すぎ」


「まあ結果的にはそうなったが……」


「そういう虹己君だって、音大志望なんだよね? 聞いた時は僕、驚いちゃった」


「別に〜言っとくけど、あくまで裏方希望だから」


「それに、今日は春夜一人で来てるわけじゃない。お前宛にも客が来てるみたいだぞ


そういう彼の目線には、校門付近にいる人に向く。

見ている僕たちに気づいたのか、彼女ー春夜先輩は手を振り、結愛先輩は軽く会釈してみせた。

ここ2年で大きく変わったことが、いくつもある。

進路のことを話すようになったこと、そしてみんなそれぞれ彼女がいるということだ。

大学生になった先輩方と二人の交際は順調で、学校が終わった後にお話ししたり、お出掛けに行くこともある。

だから僕一人になってしまうのはしょうがないことで……


「あー……そういやくるって言ってたわ。さすがにあの人はいない……か」


「満さえ構わなければ、一緒にでかけてもいいんだぞ?」


「大丈夫だよ、僕のことは気にしないで。二人の邪魔なんて、できないもん」


僕の彼女ー雲雀先輩は2年上。

しかもプロの劇団の一人の演者として、あちこちを飛び回っている。

彼女の名前は普通に暮らしていても聞かない日はないくらいの有名人になってしまった。

電話とかメールでたくさん話してはいるけど、直接会うことはかなり少なくて……

そりゃもちろん会いたいって思うけど、先輩だって頑張ってるんだもん。わがままは言えないよね。


「僕、先に帰るね。二人とも、先輩達とごゆっくり!」



「……ええっと、今度の劇の会場は……あっ、監督に鷲宮先輩の名前がある! 主演は雲雀先輩かぁ……すごいなぁ、もう主演なんて」


一人、言葉を呟くように送られた写真をみる。

こうして演者としての彼女に会えるのは、彼氏である特権だ。

彼女の人気ぶりから、チケットの入手はだいぶ困難になっているらしいけど……

僕はいいって言ってるのに、先輩が僕のためにと用意してくれる。

演者として成長していく先輩と同じで、監督とか裏方の方に進んだ鷲宮先輩の名前を見ることもある。

リアム先輩は自分の国をおさめるえらぁい人になった、なんて聞いたし……小谷先輩は虹己君ですら行方を知らないみたいだけど……


みんな、すごいなぁ。

僕なんて何も取り柄がない、普通に過ごしてるだけなのに。

でもこうして、みんなに出会えている。

今の僕がこうしていられるのも、彼らが今それぞれの道で頑張っているのも全部あの日が始まりだ。

何もなかった僕を彼が……この本が僕を選んでくれたから……


『         』


風が、ふく。

どこかで声が聞こえたようで、咄嗟に振り返った。

誰もいない、何もない草原。

近くにある花の蜜を吸うように、一羽の蝶々がひらひら僕の周りを飛んでいてー


「み〜っちゃん♪」


知っている声が、聞こえる。

予想だにしなかった登場に驚きつつも、嬉しさに顔がにやけてしまい……


「えへへっ、来ちゃった♪」


「雲雀先輩!! どうして……」


「よく分かんないんだけどね〜みっちゃんが、ここにいる気がしたっていうかぁ……会いたかったよ、満」


両手を広げながら、彼女が微笑む。

優しく可愛い彼女へ、僕は思いっきり抱きついた。


追伸、先輩に会わせてくれたのはもしかして……なんて思っていいのかな。

僕が情けない姿ばかりだから、今も心配で見ていてくれたとか?

気付かないだけで、すぐそばにある幸せのようだって言ってたもんね。

大丈夫。この本や君の言葉がある限り、自信を見失わない。

彼女達と繋げてくれた君のために、届かない手紙をずっと書き続けるよ。

ね、ミミル。


fin

最初の拝啓で分かったかもしれませんが

この話自体が残された本に満が書いた、

彼宛の日記のような手紙という形で

本編も進んでおります。

『』内はあえて空白にさせていただきましたが、

彼ならなんていうか……存分に妄想を繰り広げてください。

これはあなたの物語、なんですから。


next characters ○○○○ someone……

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