僕等の絆は、永遠に 〜CLUB the 5th anniversary〜
CLUB♪ ~きっとそれは伝説になる~
の第一話更新から、
はや5年が経ちました
それを記念した、オリジナルストーリーを
公開いたします!
本編より、5年後のお話になります!!
綺麗な青空だ、窓から見える景色を一瞥する。
隙間から入ってくる風は少し冷たく、木々の落ち葉を揺らしては落としてゆくのが見える。
「櫛崎君、今日早上がりだったわよね? あとはやっておくから、行ってきて大丈夫よ」
「あ……はい。ありがとうございます。お疲れ、さまでした」
挨拶や着替えを済まし、ゆっくり職場を後にする。
俺ー櫛崎輝はつい最近、21歳になった。
月日が経つと言うのは早いもので、あっという間に成人になるものだから不思議なものである。
無事に高校と専門学校も卒業し、去年から目標としていた介護士としてデイサービスに就職することができた。
まだ一年しかたっていないから慣れていないことが多いが……色々勉強になっている。
変哲のない毎日を過ごしている俺だが、今日はいつもとは違う。
少し特別な日でもあり……
「お、きたきた。よっ、輝っ! お疲れっ」
職場を出てすぐにまっていた一人の男が、軽快に手を振る。
家が隣同士でもあり、幼稚園の頃からの腐れ縁でもある高里紅葉だ。
専門学校に通った俺とは違い、高卒で就職し、社会人としては俺より先輩である。
もっとも、ついた職業はなんともいえないのだが。
「みんな輝はまだかってうるさくってさ。わざわざ迎えに来てやったぜっ」
「……まだ集合まで時間があるのに……もうみんな来てるのか?」
「なんだかんだ、みんな楽しみだったってことじゃねーの? お前だって聞いてた時間より早い時間におわってんじゃん」
「たまたま早く上がれただけだ。四六時中女を口説くお前に言われたくない」
「相変わらずかったいなぁ。それが仕事だって言ったろ?」
こいつー紅葉は昔から女癖が悪い。それを活かしてなのか、高校を卒業してからはホストになった。
しかも結構人気らしく、紅葉目当てで来る常連の人までいるらしい。
暇さえあれば女とデートしかしていなかったのが、今となってはそれが仕事と言われてしまう……まったく、困ったものだ。
「ほらいくぞ〜早くしないと、オレが怒られるだろ〜?」
紅葉がこうして迎えに来てくれたのは、わけがある。
それは今日という日が、特別である証拠だ。
正直こいつが出迎えてくれたこと自体は、あまり気が進まないが……
「お待たせ〜っす、先輩方〜〜。待望の輝、ご到着っすよ〜」
「あっ、紅葉君おかえり〜♪ わぁ、輝君だぁ♪ 久しぶり〜♪」
「お疲れ、二人とも。なんか輝、前より身長伸びてない? すっごい大人っぽくなってる……」
「輝っちぃぃぃ!! 本物! 本物ですよね!? お会いできて感無量です!!!」
紅葉が予約したと言う洋食屋、サン・セベリアで待っていたのは、かつての先輩方と同級生。
今日は俺が早霧高校時代に入っていた部活ー遊部の5年後の同窓会。
みんな仕事を切り上げたり、休みを合わせたりしてようやくそれが叶ったのだ。
今まで電話やメールを通じて繋がってはいたのだが……こうして直接会うと、やはり違うな……
「覚えてますか!? 私のこと!? 遊部で唯一の花ですよ!?」
「も、もちろん……辻村さん、だよな? あ、髪切ってる……」
「ひゃぁぁ、その声懐かしすぎます!! 前より話し方が優しくなりました!? しかも萌ちゃんの変化まで気づいてくれるなんて……感無量です! 尊すぎます!」
同じ同級生だった辻村さんは、卒業後はゲーム会社へと就職したらしい。
今もあの頃と変わらず好きなものを一直線に作っているそうだ。
「萌ちゃん、あまりいうと怒られちゃうよ? でも、様になったね? 輝君は無口だったから、どうなることか心配してたけど……意外とうまくいってるようでよかった♪」
一つ上の先輩、颯馬さんは育ての人がしていた家業である情報屋をついだらしい。
というのも裏では、らしく主には絵や漫画を描いたりしているらしい。
読んでみてと送られてきたのを読んだことはあるが……相変わらず颯馬さんの書くものは同性愛系が多く、とても読めたものではなかったな……
「君達と違って輝は真面目だからね。あの頃と比べたら、一番成長したと思うよ? 料理とか、全然だったんだから」
「そ、その節は大変お世話になりました……」
「後輩を助けるのは、先輩の務めでもあるでしょ? 僕は気にしてないから。仕事、順調そうで安心したよ」
颯馬さんと同い年である北城さんは、大学を卒業したあと育った孤児院の先生の手伝いをしている。
といってもやっていること自体は昔とあまり変わらず、色々勉強を教えたり世話をしているそうだ。
俺も介護士になるために料理をと、教えてもらうのに大変お世話になったが……
「これで、遊部も揃いましたね!! 5年ぶりの再会……言葉だけでもエモエモです!」
「何言ってるの、辻村さん。まだ肝心の人が揃ってないでしょ」
「……あれ、そういえば姿がないですね……みんないるって言うから、てっきり来てるかと……」
「飛行機が少し遅れてるんだって。人気者だからか、帰ってくるのにも一苦労だね」
「よく休み合いましたよね〜オレてっきり、会えないと思ってましたよ〜」
颯馬さん、北城さん、辻村さん、紅葉。
ここにはいないだけで、生徒会で世話になった先輩方もいる。
雅先輩は洋服屋だったり、司先輩は学校の先生だったり、響先輩は御曹司として各地を回っていたりと様々だ。
たった5年しか経っていないというのに、あの頃から比べたら俺達の環境はがらりとかわった。
あの頃の俺は料理もしてなかった上に、話すこともあまり好きではない。
それが今では高齢者相手に話したり、ご飯を出したりしている。
きっとそれは、みんな一緒だ。
楽しいことはもちろん、辛いことだってあるだろう。
けれどその度に思い出すのは、このメンバーで過ごしたあの部活での日々ばかり……
こんな風に思えるのはやはり、あの人のおかげ……なのかもな。
「はぁーー、づっかれた〜〜久々の日本だってのにサングラスでほぼ見えんし、店員さんに二度見されるし……いやぁ、ほんと人気者ってつらいわ〜〜」
聞き慣れた、声がする。
貸切の部屋のドアを開け、重たそうな荷物をどしりと床に投げ捨てる。
かけていたサングラスを取るとそこには、あの時とあまり変わらない彼の姿があって……
「待たせたな、皆のもの……主演映画が興行収入突破した主演男優、ブラックドラゴン!! 今ここに降臨!!!」
「おかえりなさい、永遠さん」
「久しぶりだね、輝」
あの日から5年。
俺達の関係性は今も、昔も変わらない。
こうして俺達はかけがえのない時間を、ゆっくりみんなで過ごしていったのだった……
fin
おまけ☆
「……やれやれ、何とか間に合ったみたいだね……」
「にしてもびっくりだわ……呑気にドライブしてたらサングラスにニット帽被った不審者いる上に、よくよくみたらヒッチハイクしようとしてた中江だったなんて」
「ねー、タクシーに乗るお金とかなかったのかな?」
「こういうところは、昔と変わらないよなー。中入んなくていいのか?」
「せっかくの再会の場に、水を差すわけにはいかないだろう? 彼を送り届けたことだし、僕達は僕達で再会を祝おうじゃないか」
「そーですねっ! 行きましょっ、先輩っ」
店名に使わせてもらったサンセベリアは、
花言葉でいうと「永久」「不滅」。
5年経っても、彼等は変わらず、
ずっとこのままでいてほしい……
そんな願いを込めながら、成長した姿を描きました。
このメンツにはたくさん助けられています。
出会えたことに、心から感謝を込めて……
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