過去の傷を、未来の道標に feat.相良虹己
本日、9日はFIORI出演、
虹己の誕生日です!
こちら、本邦初公開となります!!
虹己視点の特別ストーリーです!
おめでとう、虹己!!
「あの子、ソプラノ歌手の調さんの息子さんなんですって」
「どんな演奏をするのかしら。きっと調さんと弦さんの息子さんだもの、素晴らしいに決まっているわ」
拍手がなる、歓声が起こる、大人たちが噂する。
舞台の上に立つ人にとってそれは、
当たり前の光景なのかもしれない。
期待と羨望が飛び交う視線を浴びたとき、
オレはあまりの怖さに逃げ出していた。
「出ていきなさいっ! あなたはもう、音波家の人間じゃない!!」
才能があると喜んだ母は激昂し、優しかった父は失望し、兄も姉も態度を一変させ……
何もかもが、たった一瞬で崩された。
「だから私、相良君に恩返しがしたいんです。まだ完全になおったとはいきませんけど……こんな私を、おそばにおいてくれませんか?」
かつてのオレと重なったあの人に出会って、関わって。
失ったものがもう一度得られるような……そんな気がした。
満「虹己君!! 誕生日おめでとうっ! これ、誕生日プレゼントだよ〜」
家から追い出されて、ただの人間になって。
何も残っていないオレに、こいつらは普通に声をかけてくれた。
オレが「音波家」の人間だと、わかった今でも。
虹己「わざわざどーも。って、これ合唱コンクールで演奏された他の譜面本じゃん。しかも、全学年分あるし……」
満「えへへ。僕ね、もう一度虹己君のピアノ聞きたいんだ」
虹己「え、今? なんで音楽室に呼ばれたかと思えば……一応祝われる側なのに、オレが2人のために弾くっておかしくない?」
恭弥「俺達のためじゃない、自分のために弾くんだ。この前先生に、音大のパンフレットを貰いに行ったこと、知らないとでも思ったのか?」
逃げてきた日々はもう、戻ってくることはない。
けれど、過去に失っていたものは、未来に向けてもう一度
取り戻すことはできる。
虹己「ほんっとデリカシーないよね、君達って。いいけど全然感覚戻ってねぇから、下手でも許せよな」
ゆっくりでいい、一つずつこの手で掴んでいきたい。
今のオレには頼りないけど優しくて、
あったかい仲間や恋人がいるから。
fin
next characters FIORI someone……




