↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/208

034 訓練開始

ティータイムを楽しんでいると暫く元女性騎士5人がヨネ子達をチラチラと見ていた、話しかけるのを躊躇していたようだが意を決したようにやって来た。


「私達も御一緒させて頂けませんか?」


声をかけたのはチェリナだ。


「良いけどチョット待ってて」


答えたのはエレンだ、そして収納から予備の机と椅子を出した。


「ここへどうぞ」


「「「「「失礼します」」」」」


エレンに椅子を勧められた元女性騎士達は素直に座った。


「あの、エレンさ・・ん。今までどうしていたかお聞きしてもよろしいですか?」


さっそくチェリナが聞いてきた、やはり別れてからの事が気になるようだ、特にセリーヌと喧嘩しているわけでもなさそうなのになぜ別れているのかが。


「ええ、良いわよ」


エレンはこれまでの事を簡潔にまとめて話した、そしてなぜ今ここに居るのか、なぜみんなを集めたかを力説した。


翌日、訓練初日は早朝から全員を起こして朝食を準備させる事から始める、これからしばらくは朝夕の二食になるので栄養補給は欠かせない。

夕食同様全員が作れるわけではないので再びエレン、ディーン、アーネストの3人が指導する。


因みに娼婦達は夕方訓練が終わるまでは自由行動にしている、なので朝食は別だ。


そして訓練開始、まず最初にさせるのは魔法、野営には欠かせない「ウォーター」と「ファイア」の魔法を全員使えるようになってもらう。

魔法から始めるのは全員の魔力を出来るだけ上げるためだ、魔力量を増やすのは時間がかかるので早めに始めた方がいい。

これは野営の為ではあるがそれはついでに過ぎない、1番の目的は身体強化を使えるようにする事だ、そのため「ウォーター」と「ファイア」で魔力を使い切るようにする。


ヨネ子は事前に全員の魔力と戦闘力を「透視」で見ていた、全員元騎士達だけに戦闘力は高いが最大まで上がっている者は少ない、なので鍛え甲斐はある。

魔力については女性に2人初級魔法使い並みに魔力の高い者が居たがそれ以外は全員それほど多くない、身体強化を使い続けたとして最低20分から最高1時間ほどで魔力が切れる者ばかりだ。

それでも常時身体強化をかけて戦い続けるわけではないのでそれで十分だ。


初日は「ファイア」と「ウォーター」の両方使えるようになった者は4分の1しか居なかった、どちらか一方だけの者を足しても3分の1、魔法を使えるとは思っていなかった者達なのでこんなものだろう。


魔法は午前中まで、午後の最初は走り込みから始める、ディーンが山籠り中に走っていたコースで一周約2キロ、それをディーンの先導で走らせる。


ディーンには自分のペースで走るよう指示していた、ディーンのペースは元騎士達には少しハイペースくらいになる。


それを2回、計4キロ走らせると一旦全員を集めた、そしてヨネ子、エル、エレンの3人で全員の疲労を回復した、エルもエレンも疲労物質の除去や壊れた筋繊維の修復をしっかりヨネ子に教えられている。


疲労を回復するのは効率の良い訓練のためだ、疲れた身体では思うように動けなくなるので効率が悪くなる。


次はいよいよ剣を使った訓練、訓練用の剣は全員に支給している、それを使って先ずは素振り1000回から。

現役の頃なら少し疲れる程度だと思うが全員現役を離れて久しいのでかなり辛そうだ、ハンターだったアバロン達でさえそうなのだ、戦闘から遠ざかっていた者達にとっては辛いと言うより苦しいだろう。


それでも全員が振り終わると再び疲労を回復して更に1000回、これをもう一回こなし計3000回素振りをさせた。


その後は2人1組で模擬戦闘をする、41人なのでアスカ、ディーン、アーネストの3人も参加する。

時間は一回5分、とは言え5分で相手を変えるだけで休憩などはない、これを30分に一度疲労回復しながら3時間続けた。


初日の訓練はこれで終了、全員怪我もなく終わった、が、それが良くなかった、怪我が無いと言うことは本気では戦っていなかったという事だ、これでは訓練としてはいただけない。


ヨネ子は最後に全員を集めた。


「貴方達は訓練を舐めてるの?なぜ本気で戦わないの?たとえ手足を切り飛ばされようとその場で直してあげるから明日からは本気で戦いなさい」


「「「「「「「「はい」」」」」」」」


全員が元気よく答えた、だがその顔は沈んでいる、自分達としては本気で訓練していたつもりだったからだ、それなのに初日から叱責されたのが堪えた。


それでも全員気を取り直して夕食の準備を始めた、もちろん今日もエレン、ディーン、アーネストの3人は料理の指導だ、毎日同じメニューでは元気も出ないので。


それでも食後は元気の出る者もいる、と言うより多い、なので娼婦達は初日から忙しい。

ただ初日のこれは単なる性欲の解消でしかなかった、怪我が無いイコール命の危険とは無縁と言う事だからだ。


ヨネ子は翌日も同じ状況なら訓練メニューを見直すつもりである。


翌日も訓練は魔法から始める、この2日でほとんどの者が「ファイア」と「ウォーター」の両方とも使えるようになった、未だ使えないのは3人だけ。

最後はその3人にヨネ子、エル、エレンの3人がマンツーマンで教える、そしてあとの者は全員魔力が無くなるまで「ファイア」を使わせた。


残った3人がようやく魔法を使えるようになった頃、後の者たちは2人を残して全員魔力枯渇により気絶していた、残ったのは魔力の高かった女性2人だ。


その2人には魔力消費をあげるため川に向かって「ウォータージャベリン」を放つように教える、そしてようやく魔法を覚えた3人が「ファイア」で魔力を使い切るのに合わせて2人も魔力を使い切って全員気絶した。


全員が魔力枯渇になった事を確認するとエレンが「エリアマナチャージ」を使う、すると全員起き上がってきたので魔法の訓練は終えた。


次も前日と同じように走り込み、素振りからの模擬戦闘、元騎士達は前日と違い本気で戦っているつもりであるがヨネ子的には納得行かない。

怪我をする者は出てきたがどうしても仲間意識が抜けないのか本気で打ち込んだり切り掛かったりしているようには見えないのだ。


この日もこれで訓練は終了、ヨネ子は翌日から訓練メニューを変える事にした。


訓練3日目は全員魔法が使えるようになったので魔力枯渇から始める、全員気絶するとエレンが「エリアマナチャージ」で魔力を回復する、今日は魔法の訓練はこれだけで走り込みを始めた。


「エレン、治癒魔法は一度に何人までいける?」


「3人までならいけます」


エレンは普通の魔法なら5つか6つ同時に使える、いわゆる平行起動という技術だが、治癒魔法は相手によって治癒する症状が違うため3人同時がやっとだ。


「エルはどう?」


「うーん、多分10人くらいは行けると思うわ」


エルの場合はもっといけるのだが複数の同時治療は経験がないため確実に出来ると思ったところを答えた。


「そう、ならこの後は私とアスカ、ディーン、アーネストの4人で全員を鍛えるから2人は治療に専念して頂戴」


「了解」

「わかりました」


相談が終わると全員が走り込みから帰って来た、そしていつものように疲労を回復させる。


「アスカ、ディーン、アーネスト、こっちに来なさい」


全員の疲労を回復したところでヨネ子が3人を呼んだ。


「今日はこれから私達4人と戦ってもらいます。手加減はしますが大怪我は免れないので覚悟するように。では最初なのでそれぞれに2人づつかかって来なさい」


いきなり1対1では無く2対1にした事で元騎士達はプライドを傷つけられたように感じた、なので少し怒り気味でヨネ子達にかかっていく。


ガン、ボキ


ギン、ドガッ


ヨネ子にかかって行った2人は瞬殺された、一人は腕の骨を、もう一人は肋骨を骨折した。

そこへエレンがやって来て即座に治療すると元騎士達2人はあまりの出来事に放心していた、そこへヨネ子が声をかける。


「どうしたの?それでお終い?そんな事では騎士になんて到底なれないわよ。さっさと立ってかかって来なさい」


それを見ていた元騎士達はようやく理解した、自分達の認識の甘さを、そして自分達の弱さを。

それからは前日まで見られなかった本当の本気でヨネ子達4人に向かって行った。


その後は1組5分で大怪我しようと骨折しようと即座に治療して戦闘を続ける訓練を5時間続けた。


流石に疲労を回復しながらなのでアスカ、ディーン、アーネストの3人は元騎士達に後れを取ることは無かったが、ヨネ子だけは全く回復せずに戦っていたのを見てその力に魅了された。


ようやく訓練が終わると全員疲労を回復して食事の準備を始める。


この日初めて元騎士達は死の恐怖を覚えた、なので元騎士達はいつも以上に娼婦を求めた。


普通いくら死にかけたとは言っても訓練では性欲よりも疲労の方が強いため異性を求めることはよほどタフな者で無いとしない。

しかしヨネ子達は訓練中も訓練が終わった後も直ぐに疲労を回復する事ができるおかげで通常の訓練に比べ10倍以上の効果がある、しかしそのおかげで性欲が抑えられる事がない。

結果、刺激された「種の保存本能」の影響だけ強く受ける事になる、これを解消しなければ女性騎士5人が襲われていただろう。


因みに女性5人に関しては何も手は打っていない、基本的には女性5人を守るための処置だからということもあるが女性はこの手の自制心は強いからだ、特に男性経験が無ければなおさら。


4日目からは3日目と同じ訓練を1週間続けた、流石に体力的には全く疲労しないが精神的には疲労するので1日休みにする。


休みとは言っても山の中なので特にする事もない、なので数人川遊びをしているだけで残りは訓練でも無いのに支給品の弓の練習をしたり森に動物を狩りに出かけたりして過ごしている。

流石に昼間から娼婦とイチャつく者がいないのは喜ばしい事だろう。


ただエクトル達娼婦の管理者3人は困っていた、キャサリンからヨネ子達の事を詳しく調べるよう命令されているからだ。

全員一緒に山の中にいるので、これではただその生活ぶりや訓練風景を見る以外に何もしようがない、だからこそ困っているのだ。


ただ、当の命令したキャサリンは大した情報は得られないと諦めていた、一度訓練場を見に来たので情報の探りようが無いと理解しているからだ。


訓練も10日も過ぎれば全員大抵のことは出来るようになる、訓練初日はほとんど何も出来なかった者達だが、すでに野営の準備はもちろん料理や洗濯も主婦並みにこなせるようになって来た。


ここからは更に本格的な訓練が始まる、午前中はいよいよ魔法の本命「身体強化」の訓練を始める、全員それが出来るようになるまで魔力が上がったからだ、魔力の少ない者の中には既に上限に達している者もいる。


魔法を初めて使った時とは違いこの10日ほどで魔力操作も少しは出来るようになっている、なので全員身体強化自体は問題無く出来た。

ただしそれだけでは身体能力は上がらない、動きに合わせて必要な部分を強化するようにしなければ不必要な部分の強化が邪魔になるだけで無く魔力の消費が激しくてすぐに魔力枯渇に落ち入ってしまうのだ。


午後からはこれまで同様走り込みから始めるが、戦闘訓練は3人1組での集団戦闘に切り替えた。

総勢41人なので1人足りないがそこは4人1組を2組作る事にして戦わせる、それに合わせてチームは固定せず毎回ランダムに入れ替える事にした。


この訓練を10日してからまた1日休む、この頃になると全員身体強化も使いこなすようになっている。


次の段階は軍団戦闘だ、全員を20人対21人に分けて総力戦をさせる、ただし一戦闘1時間でそれぞれ指揮官を任命して10分の作戦会議時間を設ける。

これを朝から夕方まで続ける、ただし戦闘中は行わないがインターバルの間には疲労回復に加えマナチャージも行う。

全員1時間フルに身体強化が使えるわけでは無いので誰がどこでどのタイミングで使うかによって勝敗が大きく左右される。


この訓練も10日行った、この1ヶ月でヨネ子の予定通り全員がBランクの魔物を倒せるくらい強くなっているしその内の半数はAランクの魔物も倒せるくらい強くなった。

ただし強くはなったが本当に倒せるようになったわけではない、対人戦闘と魔物戦は勝手が違うからだ。


なので次はいよいよ魔物領域での実戦を行う、しかしその前に今度は3日の休暇を与えて一旦全員をフライツェンに連れて行った。

魔物領域はリシュリュー王国とエムロード大王国の国境地帯にあるエムロード大王国側の魔物領域に行く予定だ。


エクトル達娼婦一行には3日間フライツェンの宿屋を提供した、この間は自由にしてもらう。


ヨネ子達はこの休暇中にコルムステルに行く事にした、エレンが約束した通りチェリナとエリーサをセリーヌに合わせるためだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。