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第二話

連載版、第二話です。楽しんでいただけたら嬉しいです。

「アンナ!見えてきたわよ!」


「はい!お嬢様!本当に恐ろしい城のようですね!」


「そりゃあそうよ!ここは南の砦となる城だもの!ふふふ!素敵ね!」


「はい!お嬢様!城というより要塞ですね!」


 今までお妃教育尽くしだった私の時間は、今やのんびりとしたものに変わっていた。


 まぁ、辺境伯に嫁ぐと言うことから準備物は多かったが、それらの準備は執事やメイドらが行うのでヴィオレッタにはあまり関係がない。


 バッセンは結婚の命を国王陛下から受け、こちらに挨拶には来たいが、砦から離れるわけにはいかない、申し訳ないとの手紙をくれた。


 ヴィオレッタにはその手紙だけでとても幸福な気持ちになった。


 これほどまでに心が自由になったのはいつぶりであろうか。


 勉強の時間が減ったことにより、毎日八時間睡眠が出来るようになり、ヴィオレッタの肌艶はさらに磨きがかかっている。


 他人が見ればヴィオレッタは妖精と言っても通るほどの美貌の持ち主である。


 美しい金色の透けるような柔らかな髪の毛。


 ブルーサファイアを思わせる澄んだ宝石のような瞳。


 柔らかな唇は紅を差さなくとも桃色に色づいている。


 外見だけ見ればヴィオレッタは完璧である。


 どこか儚げな雰囲気もあり、貴族の令嬢からは尊敬の視線を、令息からは恋情の視線をよく集めていた。


 もし、殿下が野獣辺境伯を指名していなければ表立っては殿下を立てながらも、水面下では令息らのヴィオレッタを手に入れようとする死闘が繰り広げられたことであろう。


「あぁ、早くお会いしたいわ。」


 うっとりとしたようにそう言う姿は、女性であるアンナすらもドキリとしてしまうほど美しい。


 ヴィオレッタは王妃という立場に縛られたならば、おそらくは素晴らしい、まさに理想的な王妃となったであろう。


 だが、それでヴィオレッタが幸せになれたかと言えば、なれなかったであろう。


「本当に楽しみねぇ。」


 妃教育を受けていたときには、能面のような顔を張り付けていたヴィオレッタが、年相応の少女の笑みを浮かべる姿に、アンナは笑みを深めた。


「良かったですね。お嬢様。」


 爽やかな風が吹き抜けていくのを感じながら、アンナは自分のお嬢様がバッセンに愛されて幸せになってほしいと心から思った。


 ヴィオレッタは砦のような城を見つめながら心の中が喜びで溢れてくるのを感じた。


 あぁ、私の旦那様に早く会いたいわ!


 まぁ、一応は国王陛下の配慮によってしばらくの間は婚約者扱いなのだが、すでに嫁のつもり全開のヴィオレッタは旦那様に早く会いたいと心を踊らせていた。


 


短めですみません。

更新が落ちないように頑張ります!

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