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Unlucky  作者: 碧眼の黒猫
第十章 レジスタンス
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レジスタンスの支援者

 城が見えるところまで歩いてきた俺達はヒルデの手による合図でその場でしゃがみ、ヒルデが双眼鏡で城の城壁を確認していた。


「監視が3人、武器はMP40を持った敵が2人とMG34を持った敵が1人、城壁の上をまず確保しましょう、ヴェロニカとヴェデッテが城壁の上を確保して、私達を援護してください」


「了解しました」


 ヴェロニカとヴェデッテは列から外れると監視をしている敵の様子を見て城壁まで走り、城壁に張り付いた。


「他は、私と一緒に」


 ヒルデの指示にしたがって、残った俺達はヒルデに付いていき、敵に見つからないように姿勢を低くしてヒルデに付いていった。


 ヒルデに付いていくと城壁の壊れている門が見える場所まで俺達は移動した。

 再びヒルデは双眼鏡を取り出すと門の前を確認していた。


 ヒルデが双眼鏡で門を確認していると車が4台程門の前に来ると先頭の車両から男が降りると門の前にいる奴と話をした後、車が中へと入っていった。

 その後に続くようにして男も中へと入っていき、男の姿は見えなくなった。


「敵が多くなりましたね。どうしましょう……」


 ヒルデが考えていると上空からヘリが城に近付いてきて、ヘリの風で木が揺れて雪が舞い上がり、俺達はヘリの奴に見つからないようにその場に伏せた。


「あれは……CH-47?……どうしてミール帝国軍の輸送ヘリが……」


 ヒルデが輸送ヘリを双眼鏡で覗いていると輸送ヘリから誰かが飛び降りた。

 まだ地面とは高さがあるのに飛び降りた奴は城壁の中へと消えていき、ヒルデは双眼鏡をしまった。


「まさか、こんなところで転生者を見ることになるなんて……。ソーカル応答せよ、こちらアジダーニイ隊ヒルデ、転生者と思われる人物が城内へ入ったことを確認した。本部へ転生者の姿を確認したと伝えて」


 ヒルデは無線機で仲間に転生者がいたことを伝えたが、無線機からはノイズしか聞こえず、返事は返ってこなかった。


「ソーカル応答せよ、ソーカル?まさか……」


 ヒルデが不安そうな表情になっているのを見ていると後ろに気配を感じ、振り返ると黒い服装の少年が立っていた。

 まだ十代後半くらいの見た目の少年の手には銃が握られていた。


「あんたらのヘリならもう落とした」


「なっ!?いつの間に……」


 ヒルデ達も少年に気が付くと銃を向けたが、向けると同時に周りをバラバラの服装をした男女に囲まれ、銃を向けられた。

 かなり近い距離まで近付かれているのに気配などは全くしなかった。


「銃を置いて降伏してくれ、俺は女性を撃ちたくない」


「ハッ、転生者様は紳士なのね。女だからって甘く見ない方が良いわよ」


「曹長、やめなさい」


 クロエが挑発するように言うとヒルデがそれを止めるように言った。

 周りを見てみると男もいるが少年と同い年ぐらいの若い少女が銃を手にしていた。


「皆、この人の言う通りにして、銃を置きなさい」


 ヒルデが銃を置いて手を上げるとエレナやハンナも銃を置き、俺も同じように銃を置いて手を上げた。

 しかし、クロエは転生者に銃を向けたまま銃を置こうとはしなかった。


「曹長、銃を置いて、道連れにするつもり?」


 クロエは一瞬だけヒルデを見ると舌打ちをして銃口を下げて、銃を地面に置いた。


「ありがとう、無駄な血を流さなくて済んだ」


 少年が銃を下ろすと周りの少年の仲間達も銃を下ろして俺達の銃を拾った。


「手は下げていいよ。城へ入ってくれ、ここは寒いから」


 俺達は城の中へと入っていくとレジスタンスの連中が俺達を睨み付けてきた。

 城の中を見渡していると既にヴェロニカとヴェデッテが銃を向けられて立たされていた。


「あんたが設置してくれたレーダーは便利だな、これでここの守りも強くなる」


「まだまだ、あとは迫撃砲とか、重機関銃とか置けば守りは強くなる。あの男性を差別してる国を攻めるためには落とされにくい拠点を作らないといけない」


「なら、あんたらが持ってるような武器をくれ、そうすれば俺達でも奴等を叩きのめせる」


「そうしよう、そうすればここの守りも強くなるし、あの国の兵士達とも戦えるはずだ。俺が来たからには必ず成功させる。絶対にな」


「こいつらはどうする?」


「重要な情報源だ。今は俺達が預かる、もし俺達が吐かせられなかったら……、痛みで吐かせるのはそっちの方が得意だろ?」


「へへへ、あんたも悪い奴だな。もしもの時は任せてくれ」


 男と転生者の話からするとどうやらここを拠点に国を攻める計画をしているのかもしれない、そんなことを思わせる会話を聞いていると門の向こう側から何かが勢いよく走ってきていることに気が付き、俺は目を凝らして見るとそれは戦車のような見た目をした装甲車だった。


 装甲車は門をくぐると土埃をあげながら反転を決め、開いたままの後ろの扉からミラーシャが飛び出してきた。


「なっ!?あいつは!!」


 レジスタンスの1人が驚くような表情をしているとそいつの眉間に銃声と共に風穴が空き、血が飛び散った。


 銃声と共にヒルデ達は周りにいた転生者の仲間をサイドアームを使って殺し、銃を奪い返していた。

 俺の銃は若い少女が持っていた為、銃を向けられた瞬間に銃を殴って隙を作り、右足を相手の右足にかけて右腕で少女の首を押すようにすると少女は俺の右足に邪魔されて転び、銃を落として気を失った。


「助けに来たぞジャック!」


「随分と早いな、助けに来るのは死に際かもしれないと思っていた」


 銃を取り返した俺はライフルで反撃をしながらミラーシャの近くに来た。


「映画なら好きいい場面になりそうだな。だが現実では遅れてやってくるのはその分仲間が死ぬ可能性が高くなると言うことだ。だから、映画のように遅れてくるのは馬鹿がすることだ」


 ミラーシャは次々とレジスタンスの奴等を撃ち抜き、死体が増えていく中俺達はヴェロニカとヴィデッテを助けに行ったエレナとハンナを援護するためにライフルでレジスタンスを撃ち抜いているとレジスタンスに集中して狙われ、クロエが動けない状況にされていた。


 俺はマシンガンを撃っているレジスタンスにライフルで頭に狙いをつけようとしているとミラーシャが転生者に近付いて銃を撃ちながら格闘をし始め、流れ弾がマシンガンを撃っていた奴に当たった。

 弾幕が薄くなった隙にクロエが応戦しながらこっちへと走ってきた。


 走って装甲車へ向かうクロエを援護していると同じくクロエを援護していたヒルデが撃たれ、遮蔽物に身を隠して脇腹付近を押さえていた。


 クロエがヒルデの元へ向かうとヒルデに肩を貸して立ち上がらせ、俺に手で合図を送ってきた。

 手の動きは見えているが、意味がわからずに少し見ていると恐らく援護をして欲しいのだろうと思い、俺は頷いて弾が切れたライフルに弾を込め、クロエ達を狙っているレジスタンスの頭を撃ち抜いた。


 攻撃が弱くなった隙にクロエがヒルデを連れて装甲車へ向かった。

 その間、俺は2人を援護しつつ装甲車へ向かった。


 ヴェロニカとヴィデッテも武器を取って戦いながら装甲車の近くまで来たことを確認し、クロエもヒルデと一緒に装甲車に乗り込み、俺も装甲車へ乗ろうとしているとミラーシャが俺が気絶させた少女を担いできた。


「ミラーシャ、どうしてその子を連れてくるんだ」


「持ち帰りたいからだが?」


「………あぁ、そうか」


 当然とでも言うような顔をして言われ、なにも言う気にならなかった俺は弾が切れたライフルを装甲車の床に置き、ホルスターからガバメントを取り出して応戦した。

 装甲車に全員が乗ったことを確認すると装甲車が後ろの扉が閉まりきる前に走り出した。


「よーし、とんずらだ~」


 扉が閉まり、激しく揺れて俺達は博士とミラーシャに救われたことでなんとか危機を脱した。


「あぅっ……うぅ……ぐっ………ハンナ……私は生きていられそう?……」


「大丈夫、出血が酷いけど死ぬような傷じゃない」


 ヒルデが脇腹に銃弾が当たったらしく、ヒルデの脇腹から血が出てヒルデが着ていた防寒着を赤く染めていた。


 ハンナが治療しているため、死ぬことはないだろうがヒルデの額は痛みで出てきた汗で濡れ、どれ程の痛みなのかが伝わってきた。

 他にもエレナやクロエ、治療をしているハンナも弾がかすってできた傷から血が流れ、ヴェロニカやヴェデッテも肩を撃たれ、全員ボロボロだった。


「ミラーシャ、この子を取り返しに追ってくるんじゃないのか?」


「……そうだな、だが追って来ても安心しろ。私がいるからな」


 ミラーシャは椅子に座ると葉巻を取り出し、指先に火をつけて葉巻に火をつけた。


「ふぅ……いい運動だった。たまには外にでなければな……」


 俺はミラーシャが座っている席の反対側の空いている席に腰を下ろし、ガバメントをホルスターに入れ、ライフルを抱えるようにして持った。


「何故、すぐに来てくれたんだ?」


「私の所に情報が入ってきたからだ。転生者がレジスタンスに協力をしようとしているとな、それなら隠れ家に現れるだろうと思って作戦を考えようとした時、丁度ジャック達がレジスタンスを潰すために廃城へ行ったことを思い出したからだ」


「……なるほど、運が悪かったわけだ」


「そうだな、運ばかりはどうしようもない、やはりもっと前に潰しておくべきだったか……」


 後悔しているようなことを言ったミラーシャは、葉巻の煙を吐いてボロボロになった隊員達を心配そうに見ていた。


 装甲車に長いこと揺られ、追って来ている様子もなく無事に俺達は基地へと帰ってきた。

 初の任務で初めて転生者に遭遇して捕まりそうになるとは思いもよらない出来事だったが、俺達は死なずに生きて帰ってこれた。

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