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Unlucky  作者: 碧眼の黒猫
第九章 心と体の変化
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人員招集

久しぶりに前書きと後書きを書きます。

前書きと後書きを書いている時間で小説を書いた方が良いと思ったので、またしばらくは書かないかもしれませんが、後書きは時間があれば、前書きは今のところは必要無いでしょう。

考える時間が下手をすれば小説よりも長くなってしまうのです。

と言うより小説を読もうで作品を見ているとそこまで書いている人が居ないような気がしますね。

 俺は色々考えたが、ここから出て行ったとしても当てがないことと、そろそろ落ち着ける場所が欲しいと思い、ミラーシャに人の居ない場所にある家を紹介してもらう約束を取り付け、俺の要求を呑める範囲で呑むことを条件にミラーシャの軍に入ることを了承した。


「そら、新人達の書類だ。この中から好きな美女を選んでいいぞ」


 ミラーシャは机の引き出しから束になっている紙を取り出して机の上に置き、俺はソファから立ち上がって机に近付き、机の上に置かれた書類を手に持った。


 書類には出身、経歴、年齢、スリーサイズ、戦闘経験などが書かれており、顔写真と一緒になっていた。


「スリーサイズは必要か?」


「あぁ、勿論……私が気に入った兵はこの基地で働かせている。私はお気に入りは大切にする主義でな」


 俺は書類を持って葉巻を吸っているミラーシャから離れてソファに腰を下ろし、低いテーブルに書類を置いて書類を流すように見て直感で決める。


「菓子とココアを用意してやろう。ゆっくりと書類に目を通して決めていいぞ」


 ミラーシャは部屋の中にある台所で何かを作り始め、俺は書類を見て良さそうな奴を選び、その新人の書類だけを引き抜いてテーブルに置いていると入れ物に入れた菓子と温かいココアがテーブルの上に置かれた。


「……ありがとう」


「なんだ?」


 とりあえず感謝の言葉を呟くように小さな声で言い、俺はココアの入ったカップを手にもってココアを飲んだ。


「今なんと言ったんだ?」


「なにも言っていないが?」


「嘘をつけ、何か言っただろう」


「しつこい奴だな、感謝の言葉だ」


「素直に最初からそう言えばいいと思うんだがな」


 ミラーシャは微笑みながらそう言うと椅子へと戻っていった。


 俺はテーブルの端に選ばなかった書類を置き、選んだ書類を集めて5枚の書類を改めて見ることにした。


 ヴェロニカ・ウィルキンス、髪はセミロングを好み、明るめの茶髪、現在選抜射手になるための育成として偵察部隊トリサグースカ隊の狙撃班に所属し、射撃精度の向上を目指し、育成中。


 クロエ・ドラクロワ、髪は腰まであるロングヘアを束ねたポニーテールにすることが多い、色は暗めの赤い髪、現在士官学校で育成中。


 ハンナ・ヴァルトシュタイン、髪はセミロング、ポニーテールにすることがほとんど、色は黒髪、現在衛生兵としてパトソールニチニク病院学校で医療の授業を受け、育成中。


 エレナ・ヴァレンティーナ・ドラグノフ、髪はショートヘア、色は明るく白に近い金髪、現在工兵として空挺部隊ヴァローナ隊に所属し、工兵の基礎知識を習得中。


 ヴェデッテ・ソルヴィーノ、髪はヘソまであるロングヘア、色は明るい茶髪、現在偵察部隊トリサグースカ隊に所属し、ヴェロニカの専属スポッターとなっている。


「この5人にしよう」


「なに?別に新人全員連れて行っても構わないんだぞ?たった5人か?」


 葉巻を吸い終わってココアを飲んでいるミラーシャはカップを手に持ったまま机に足を乗せてくつろいでいた。


「あぁ、あとは直接会いたいんだが……」


「ふむ、そろそろ日が沈む時間だが……さっきの約束もあるしな、ほら」


 ミラーシャは腕時計で時間を確認すると机の引き出しからカードを取り出して俺に投げてきた。

 投げられたカードを受け取り、カードを見るとジョン・ウィリアムズと名前が書かれ、所属は育成部隊アジダーニイ隊、本来なら階級が書いてあるはずの場所があったがまだ書かれていなかった。


「これをどうするんだ?」


「軍の将校に質問されたらそれを出せ、出さないと撃ち殺されるか、拘束されるぞ」


「なるほど、身分証明のようなものか……」


「そうだ。話は私からも通しておくが、話が行き届くとは限らないからな」


 俺はカードをポケットにしまい、立ち上がった。

 俺が立ち上がると同時に扉が開き、ジェーンが部屋に入ってきた。


「ジャックか、随分と楽しんできたそうじゃないか、エリカとソフィは街に行ってきた話題で盛り上がっていたぞ」


「そうか、まぁ……確かに楽しかったな。また行ってみるのも良さそうだ」


 俺はジェーンの横を通りながら言い、扉を開けて廊下へ出た。


「さて、この国は女しかいないのか……と言いたくなるが、そもそも国で一番上の人間が男嫌いだしな……あまり男が居なくて当然か」


 書類は全て女性の志願者で、男性は全く居なかった。

 街へ出掛けた時は店員は女性ばかりだったが、時々男性が働いているところも見かけ、男性が普通に街を歩いていたことを考えると、この街は完全に女性しか居ないわけでは無いようだ。


「あの時は男性の兵士がいたが、今は皆出払っているのか?」


 俺は廊下を歩きながら独り言を言い、今はあまり深く考えないことにして、まずはヴェロニカの元へと向かうことにした。


 ヴェロニカはヴェデッテと一緒に射撃訓練所に居ることが多いらしく、その情報を頼りに射撃訓練所へ向かった。


 射撃訓練所へ着くと、大勢の兵士が的を撃って訓練をしていた。

 俺はその中から記憶している顔写真を頼りに大勢の兵士の中から探した。


「ヴェロニカ、もっと元気よく!さぁ!撃てぇっ!!」


「はいっ!!」


 訓練をしている兵士達の中で目立つ2人組を見つけ、俺は側に歩いて行った。


「あちゃ~、また外れちゃったね~」


「ごめんね、上手く当てられなくて……」


「落ち込まないで!次は当てられるよ!」


「でも、もうこれで11発目だよ?全弾命中していないし………私、やっぱり衛生兵に……」


「その過剰なまでに自虐的なのどうにかならないの~?暗いのは駄目だよ?周りまで暗い雰囲気にさせちゃうからさ!」


「う、うん……でも、本当に……私………」


「ヴェロニカ・ウィルキンスとヴェデッテ・ソルヴィーノだな、ちょっと話をしたい」


 2人組の後ろまで来て、声をかけると2人は驚いた表情をしてこっちを見た。


「お、男の人……?どうしてここに……」


「なんですか?男性はここには居ないはずですけど、貴方一体誰ですか?」


 話をする前に凄く警戒されてしまったようだが、俺は気にせずに2人に事情を説明して場所を変えた。


「場所を変えたのはいいが、何故ヴェデッテの部屋なんだ?」


「だって私の部屋別に誰に見られてもいいから、ヴェロニカは嫌だろうからね~」


 俺は2人の後を付いていき、二階建ての建物へ案内されるとヴェデッテの部屋へ案内されて彼女の部屋で話をすることになった。

 ヴェデッテの部屋でソファに座って話を刷るつもりだったが、ヴェロニカはヴェデッテの後ろに隠れ、俺とは顔を合わせようとはしなかった。


「それで、話なんだが……さっきも言った通り、レジスタンスの隠れ家を制圧して、レジスタンスを壊滅させる作戦をミラーシャから頼まれた。そこで、2人に協力してもらいたいんだが……」


「えぇ、良いわよ。偵察なら任せて、ヴェロニカはどうする?」


 元気よく良い返事を返してくれたヴェデッテだが、ヴェロニカは俺とは顔を合わせようとはせずにヴェデッテの後ろに隠れたままだった。


「……ヴェデッテが行くなら……私も……行く……」


「そうか、ありがとう。話は終わりだ、また明日話を聞く、邪魔したな」


「えぇ!?もう帰っちゃうの?」


「話は済んだからな、それにいつまでも居たらヴェロニカが退屈だろう」


 俺はソファから立ち上がってすぐに部屋から出ていき、廊下を歩きながら次に向かう場所を考えていると反対側から廊下を歩いてくる2人の女性と目が合った。


 2人の髪や顔を見て俺は選んだ書類の兵士と気が付き、俺はそのまま2人の近くまでお互いに歩いて近付いていった。


「ハンナ・ヴァルトシュタインとヴァレンティーナ・エレナ・ドラグノフだな、少し話をしたい」


 2人は歩みを止めると俺に疑いの目を向けた。


「貴方、男よね?……どうしてここに?」


「堂々とその声で喋ると言うことは、誰かから何かを頼まれたのかしら?」


 短く白い髪の女性に聞き返された俺は頷いて事情を説明した。

 2人とも表情を変えずに黙って話を聞いてくれ、俺が説明をし終わると2人とも頷いてくれた。


「えぇ、わかったわ。それでその作戦の詳しい内容は明日で良いのかしら?」


「ああ、そうだ。話はまた明日聞く、時間を取らせて悪かった」


「平気よ、それじゃ」


「あぁ」


 話を一通り終えた俺は廊下を歩いてその場をすぐに立ち去り、建物から外へ出ると日が沈んでいた。

 俺は雪が降る外をパーカーのフードを被ってクロエの居る学校を目指した。

今回使ったロシア語の単語です。


アジダーニイ、意味は期待


トリサグースカ、意味は鶺鴒(せきれい)


パトソールニチニク、意味はひまわり


ヴァローナ、意味はカラス


ロシア語がわかるわけではないので、ネットで調べて使っている為、間違っていることもあると思います。

もっとカッコいい名前が欲しいのですが……、ロシア語を勉強しないとですね。

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