表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Unlucky  作者: 碧眼の黒猫
第五章 続く災難と不運
50/115

遺品

今回の話で50話目になりました。

この話を書き始めてからもう半年経ちました。

時が経つのが早く感じます。

 クローゼットの扉が開けられるとそこにはリーナの姿はなく、ハンガーに吊るされた服だけが開けられた衝撃で揺れていた。


「クソッ!騙しやがったな!」


「俺はただクローゼットを見ただけだ」


 冷静にそう言ってやると髭男は俺に近付いてショットガンの銃口を押し付けるようにして俺の額に当てた。


「てめぇ……ふざけたことを言いやがって……!」


「クラーガさん!早く見つけないと奴が……!」


 若い男が髭男に近付いて肩に手を置いて言うが、髭男は引き金に指をかけたまま動こうとしなかった。

 奴とはハンクのことだとすぐに理解した。


「アンゲリーナは何処なんだ、さっさと言え!!」


 男は銃の持ち方を変えると銃床で殴ってきた。

 銃床で顔を殴られて倒れた俺をすかさず男は腹に蹴りを入れてきた。


「クソ!この…野郎!さっさと言いやがれ!」


 男は何回も蹴りながらリーナの居場所を聞こうと必死になっていた。

 それだけハンクのことを恐れているのだろう。


「ぐっ…………ぅ……」


「クソ……喋りやがらねぇ……」


 男は蹴るのを止めて息を整え始めた。


「クソ……もう時間がねぇ…………引き上げだ。仲間を運ぶぞ、急げ新入り!」


「は、はい!」


 男は若い男と一緒に慌てて仲間を連れて部屋から出ていった。

 どうやら何とかリーナを隠し通せたようだ。


「ジャック!おい、しっかりしろ!」


 男達が出ていった後、リーナはクローゼットから出てきて駆け寄ってきた。


「待ってろ、今治療してやる」


 リーナはそう言うと右肩に手をかざして回復魔法で治療してくれた。


「はぁ………すまない、助かった」


 痛みから解放されて息を吐いた後、体を起こしてリーナに礼を言うとハンクが血塗れで走って部屋に入ってきた。


「リーナ!大丈夫か!?」


「ハンク!良かった。レジスタンスの人達は?」


「そうか、無事で良かった……奴等なら撤退していった。戻ってくることはないはずだ」


 ハンクはリーナの姿を見て安心したのか一瞬だけ笑顔を見せた。

 そして俺に近付いて来ると手を差し伸べた。


「よくやった、私だけでは危ないところだった」


 俺は差し伸べられた手を掴むとハンクは引っ張られて、俺は立ち上がった。


「そうか、役に立てたなら良かった」


 掴んだ手を離した後、ハンクの手に付いていた血が俺の手に付き、俺は少し罪悪感の様なものを感じた。


「ハンク、風呂に入った方が良いぞ。凄い臭いだ」


 リーナの言う通りハンクからは血の臭いが少し離れていてもわかるくらい酷く臭っていた。


「確かにそうだな、リーナも一緒に入るか?」


「良いぞ、久々に一緒に入ろうか」


 二人は一緒に部屋から出ていき、部屋に取り残された俺は何をするか考えながら部屋から出ると廊下にはガラスの破片が散らばり、割れた窓から冷たい風が入り込んでいた。


 外を見るとレジスタンスの死体が幾つも転がっていた。

 外から入ってきた風からは血の臭いと硝煙の臭いがしていた。


 玄関から外へ出ると雨は止んでいた。

 雲の隙間から月が見え、月の光でレジスタンスの一人の死体から光るものが見えた。

 近付いて見るとロケットペンダントを首に下げていた。


 ペンダントを死体から取り、写真を入れられる開閉式の所を開けると恋人か妻かはわからないが女性と一緒に死体の男が笑顔で写っている写真が入れられていた。


 俺は写真に写っているその女性に見覚えがあった。

 フランシールの教会で襲撃にあった時に唯一生き残った女性兵士だった。


「………」


 俺はペンダントを服のポケットへ入れると他の死体を見て回った。

 他の死体からも家族の写真や御守りなどを持っていた。

 俺は写真と御守りをパーカーのポケットに何とか押し込んで全て持つと屋敷へ戻った。


 手を洗ってから適当に部屋を選んで入り、拾い集めた遺品を整理する。

 これはスラムで教えられたことで、死んだ奴から金目の物を奪うときに写真を見つけたら持って帰り、できればそれを恋人でも妻でも家族でも良いから帰してあげると言うマーカスがスラムの全員に教えていたことだ。


 とは言っても必ず帰せる訳ではない、相手からすれば俺達は愛している人を殺した仇だ。

 それが原因で何度も殺されかけたり、殺すつもりはなくても殺してしまったりと散々だった。

 それでもマーカスは何とかして返そうといつも方法を考えていた。


「……マーカス、これに何か意味はあるのか?」


 そんな疑問を呟きながら遺品を整理していく、遺品を帰したときに偽善者と言われたり、罵声を浴びせられたりすることがほとんどだった、だが一度だけ礼を言われたこともあった。


 整理し終えてベッドの下に遺品を入れ、俺は部屋にあったベッドに寝て目を閉じた。

読んでいただきありがとうございます。

小説を始めてからまだ半年しか経っていないので、登場人物の口調や物語がおかしかったり矛盾していたりするかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ