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過去の迷宮で、他の人達から認識をズラし。

自分やジェインとキルケアが遭遇しないタイミングで、パンダ耳の屈強なおっさんがことヤックルさんに会う。

カナディアはこう言うチート能力が凄過ぎた。

どうやって居るのか訳がわからないよ。


ヤックルさんは突然出現した感じの俺らを不思議そうな顔をして、翡翠の方を向く。

耳と身体以外パンダの愛らしさは残念ながら全く無い。

パンダ獣人は熊獣人の亜種なので、とんでもなくパワー型だ。

獣にメタモルフォーゼしていればまだ可愛いが、クマはクマなので屈強なのだ。

まぁ子供や女性のパンダ獣人はまだ愛らしさがある。

残念ながら男のパンダ獣人は、ぶっちゃけ耳に違和感しか無い。

しかし、翡翠にとって、多少ガラは悪くとも頼れる大人の冒険者の1人だった。


「ありゃ?翡翠坊じゃねーか。

いつもベッタリのジェイン嬢ちゃんと別行動とか珍しいな。」

「いつもベッタリじゃネーヨ!

まぁいいや、今日は男友達と来たんだよ。」

「なぁんだつまんねーの。翡翠坊の浮気でも見れたら、ジェイン嬢ちゃんの反応が面白そうだったのになぁ。」

からかうように笑う。

冒険者のおっさん達は、俺とジェイン絡みは何時もからかって来るからちょっと面倒だ。

溜息をついつから、小声で耳打ちした。

「内緒だぞ?

若い子供のストーキング誘拐事件が発生してるらしいんだ。

俺やジェインやキルケア位の年齢の学生が特に狙われるらしい。

何か小さな事でも良いから気付いた事が有ったら教えてくれ。

特にあいつらは顔が良いからさ、変態に良く狙われて心配なんだよ。」

耳打ちのフリして念話を送る。

真実を全て話せない状況だ。

けれど、半分位は良くある事だから嘘では無い。

頼み事や与太話は、嘘の中に真実を混ぜると信憑性が増すらしい。

特別な話術なんて分からないけれど、それらしく説明する為の会話術とか言う胡散臭い本が図書館に有って。

初めて実行して見た。

すると声を出さず、ヤックルさんはただ頷いてくれた。

信じてくれたかは分からないけどな。

時間や場所を変え、ヤックルさん以外の信頼出来る冒険者にも協力して貰った。

そこで判明したのは、女神の生まれ変わりと自称する他国の女と白髪のショタが浮かび上がった。

どちらかが、2人をストーキングする現場を見かけたらしい。

無論、パッと見ストーキングと分かり辛い。

けれど、索敵能力が有ると違和感を感じる追跡の仕方なのだそうだ。

ショタは有る時を境に白髪となり、冷酷な気配を纏うようになった。

原因はわからないが、ロクな事では無かったのだろう。

その後、キルケアやジェイン以外の者達が少しずつ失踪し、2人が行方不明になった日まで一週間に1人は犠牲者が出たらしい。

俺とホーエンは、その行方不明者達が邪神を呼ぶ生贄の儀式に使われたのでは?と不安に駆られ、顔を見合わせる。

カナディアも困った様子でこちらを向いた。

「取り敢えず、元の時代に一度戻るかい?」

と聞かれ、俺は首を横に降る。

「この時間で、少しその白髪になる子供を調べよう、彼が鍵だと思う。」

「それはもしかして、カンみたいなもんだべ?」

ホーエンの言葉に頷く。

「カンかあ〜、まぁでもこう言う時のカンって無視出来ないから良いと思う。

調べてみようか?

他国の事だから、まず新聞とかから調べようか?」

「新聞?」

「他国の姫様とその奴隷従者でしょ?

大雑把でも彼を従属させた時期位は記事になるんじゃ無いかな?」

なるほど!

となって、3人で古い新聞の有る図書館に向ったのだった。

それは、膨大な量の新聞を見る作業だった。

一週間程掛けて、自称女神と白髪のショタの事を調べ上げる。

分かったのは、数年前に突然ショタは姫と共に出現する。

何処かで助けた奴隷。

家族を盗賊に惨殺され、助けたのが自称女神。

助けた時、既に奴隷契約がなされたいた為に一般の民として扱えない。

その為自称女神の直属となった様だ。

魔道具で撮られた写真の髪はある日を境に白髪のショタとなる。

彼の伏せられザックリした生い立ちは、不幸としか言いようが無い。

あの自称女神が優しく扱うとも思えないから、白髪になったのは十中八九彼女が原因だろう。

どうしたものかなぁ。



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