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契約で結ばれた、異世界道中  作者: 中野 翼
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プロローグ5

『それじゃあ、これからは共通の機能について説明するよ』

「お願いします」

『少し繰り返すことになるけど、まずはダンジョンを構築する能力。【玩具】タイプは亜空間にダンジョンを形成するから、その規模や形状、地形や属性を自由に設定出来るよ』

「【玩具】タイプはってことは、普通のダンジョンは違うんですか?」

『そうだよ。普通のダンジョンは、地形と融合するものなんだ。だから、火山帯では火属性の火山帯。海中なら水属性の水中ダンジョンといった風に、地形や属性は固定されるんだ。別の属性や地形を加えることは不可能じゃないけど、【玩具】タイプと違って元のダンジョンとの相性はあるし、ダンジョンコアからの制御を受け付けないこともあるんだ』

「それなら、【玩具】タイプは随分と融通がきくんですね」

『そうだよ。まあそれは、ゲームのダンジョンと現実のダンジョンとの違いといった感じだね』

「なるほど」

『次は、先程普通バージョンとの違いの部分で話した呼び出せる能力について。この機能は、ダンジョンの増築やオブジェの配置。モンスターの生成や罠などのギミックを仕掛ける為の機能だよ』

「オブジェや罠というのは、例えばどんなのですか?」

『オブジェは自然物では木々や岩とかで、人工物だと柱や家屋なんかだね。罠は、スタンダードな落とし穴や釣り天井のような物理的なものに、バッドステータスを付与するような魔法的なものまでいろいろと取り揃えてるよ』

「ガーデニングや防犯に利用出来そうですね」

『そうだね。いろいろと試してみると良いよ。次にダンジョン内に宝箱を設置する能力についてだよ』

「リアルダンジョンに、宝箱を設置する能力があるんですか?」

『あるよ』

「なんでそんな機能が?ゲームじゃあるまいし」

『生物学的な理由からだね』

「生物学的?それはいったいどういう…」

『ダンジョンはね、モンスターなんだよ』

「えっ!?」

『そしてダンジョンにある宝箱っていうのは、ダンジョンが人種や魔人なんかを自分の中に誘い込む為の餌なんだ。こお、対象の物欲なんかを刺激して獲物を自分の体内に招き寄せて、後は共生しているモンスターや、自分の身体を変形させたギミックなんかを使って仕留める。最後は死体を吸収して、ごちそうさまって感じだね。生物学的だろう』

「……そう、ですね」

リアルダンジョンの正体はモンスターだったのか。そうなると、僕の最初の使い魔兼召喚獣は、このダンジョンコアっていうことになるのかなぁ?


『その解釈で合ってるよ。それと、ダンジョンを召喚する時には気をつけてね』

「?」

『あれ?想像がつかい?下手にダンジョンそのものを召喚すると、周囲のものをまとめてダンジョンが押し潰す形になっちゃうんだよ』

「うへぇ」

僕の頭の中で、ダンジョンに押し潰されてミンチになる自分の姿が過ぎった。

『それは心配しなくても良いよ。【契約】の効果で説明したように、契約している相手に君を害することは出来ないからね』

「そういえばそう言ってましたね。けどそうなると、この場合はどんな結果になるんですか?」

『そうだねぇ?……ダンジョン内に転移されるか、ダンジョンの外壁にそって弾き飛ばされるんじゃないかな?』

「曖昧ですね」

『それはしかたがないよ。なんていっても、まだ実例がないことだからね』

「それもそうですね。…あの、全体召喚が危険ということですけど、部分召喚なんてことは可能なんですか?」

『可能だよ。【玩具】バージョンの場合だと、区画単位で召喚するとか、一時的に地形に融合させて上書きするなんてことも出来るよ。その場合なら、ダンジョンを送還すれば地形もすぐに戻せるよ。逆に言うと、押し潰した場合は元に戻せないんだけどね』

「まあ、それは当然ですよね。…それはそうと、宝箱の中身はどんなものが入っているんですか?それとも、好きな物を僕が入れられるんですか?」

『宝箱の中身は完全にランダムだね。ただ、魔力を自前で供給すれば、ゲームで言うレアアイテムが宝箱の中で発生する確率が上がるよ』

「それなら、宝くじのノリで魔力を注いでみるのも良さそうですね」

『そうだね。運試しに良いんじゃないかな。次はモンスター生成機能についてだよ』

「はい」

『これは機能と言ったけど、どちらかと言うとダンジョンの生理現象と言った方が本質に近いんだよねぇ』

「生理現象?」

『うん。ダンジョンが生物を補食する。補食した後は当然ダンジョンの栄養に変換されるよね』

「ダンジョンが生物ならそうなりますね」

『それはつまり、ダンジョンを維持する為のエネルギーってことになるよね?』

「そうなるでしょうね」

『維持費を賄って、残ったエネルギーはどうなると思う?』

「人間の場合なら、脂肪か贅肉になりますね」

『そうなるね。これがダンジョンの場合だと、モンスターという形で貯蔵されることになるんだ。人体で例えるなら、君が言った脂肪と贅肉に加えて、白血球とか抗体も兼業している感じだね』

「僕達よりも効率的な仕組みなんですね」

『そうだね。あと、生成されるモンスターの種類は、通常バージョンだとそのダンジョンの地形と属性、魔力濃度や保有量でランダムに決定されるよ。【玩具】バージョンの場合は、あらかじめモンスターを指定しておけば、最低限の条件が満たされているモンスターが自動で沸いて来るよ』

「なるほど」

『ダンジョンの説明もこれくらいかな。もちろんダンジョンコアにも隠し要素があるんだけど、それはダンジョンを成長させてからのお楽しみだね』

「ソフィアさんは隠し要素を入れるのが好きですね」

『私というよりは、あの方のご趣味だね。やり込み系ゲームとかがお好きだし』

「そうですか」

どんな人なんだろう?


『それは会ってみてのお楽しみだね。あの方は君の前世の世界で何かやることがあるらしくて、後で合流するそうだから、再開したら君の前世の記憶を修復するんじゃないかな?』

「そんなことが可能なんですか?」

『私達【玩具】には無理だけど、あの方なら可能だよ。なぜなら、……いや、これもまだ秘密だね。ネタばらしをして怒られたくないし』

「そう、ですか」

ネタばらしになっちゃう正体って、いったいどんなのだろう?やっぱり神様とかかな?


『内緒だよ』


僕の内心を読んでも、肯定も否定もしてくれないのか。


『何がヒントになるかわからないからね』

「そうですか」

忠実というか、徹底しているんだなぁ。


『アイテム関係は終わったから、最後にこれを渡しておくね』

ソフィアさんがそう言うと、今度は白い光りの玉が目の前に現れた。


「今度は何ですか?」

『向こうの世界の簡単な常識と、今まで渡したアイテム類の基本動作や武装、能力なんかの知識の詰め合わせパックだよ。口頭で説明はしたけど、知識として保存をかけていた方が安心だからね』

「それはまあ、そうですね」

自分が物忘れが激しいかわからないいじょう、記憶よりも知識にしてもらった方がたしかにありがたい。


『それと先に言っておくけど、向こうの常識についての知識に関しては、テンプレ発生要素を残す為にあえて情報に抜けを作っているから、その点は了承してね』

「テンプレにまで配慮が必要なんですか?」

『念の為にね。常識があってもテンプレは発生するだろうけど、ハプニングは予想外の方がより楽しめるからさ』

「いえ、僕は別にハプニングは望んでいないんですけど…」

『やってみると意外と楽しいよ?』

「……」

ハプニングって、そんな感想を持てるような出来事なんだろうか?


『まあ、それも体験してからのお楽しみということで。そろそろ知識を受け取ってもらうよ』


ソフィアさんがそう言うと、光りの玉が今度は僕の頭の中に吸い込まれていった。

その直後、頭の中を膨大な情報が満たしていった。


『情報のインストールもこれで完了っと。それじゃあ、そろそろ異世界に出発だね』

ソフィアさんがそう言うと、僕を中心に周囲に無数の扉が出現した。


『どれでも好きなのを選んで良いよ。全部、向こうの世界の別の場所に繋がってるからね。さあ、最初の運試しだ!』



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