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モフモフ道中異世界道  作者: レンノ
5/10

モフモフの初めて薬草採取

やっと本編だ。

長かった。

モフ道始まります。

アゾットがパラケルススの正式な弟子になって数日後……


「そろそろお前さんもその体に慣れただろうから本格的に弟子として教え始めるぞ!」


パラケルススが妙に気合を入れて言っていた。


一方、アゾットは……


「なんで俺よりも師匠のほうが張り切ってるのさ?」


と、口では言うものの内心では……


(よっしゃー!やっと修業が始まるぞ!)


と、気合十分だった。尻尾もわっさわっさ揺れていた。


「じゃぁ、早速だが外に出る準備をして来い」


アゾットはパラケルススから自室を与えられていた。


そこに、準備しに行けと言われたのだ。


「外に出るのか?」


「あぁ、薬草の採取にな。まずお前さんには薬学を覚えてもらう」


「最初から魔法とかじゃないんだな……」


アゾットは少しがっかりしたのか、尻尾もしゅんとなってしまった。


それを見たパラケルススは……


「そんな落ち込むな。薬学だってこの世界じゃ魔法の産物でもあるからな」


そう、パラケルススが言うとアゾットは……


「そ、そうか」


と言って、再び尻尾がわっさわっさしだした。現金な尻尾だ。


「じゃぁ、準備してくる」


と言って走って行った。


その後、アゾットの部屋からちょっとした騒音が聞こえ、アゾットが走って来た。


「おまたせ師匠!」


アゾットの格好は長袖長ズボンと耳だし用の穴の開いた帽子、小物入れのバッグだ。


「おいおい、そんなあわてるな。そんなんじゃ途中でばてちまうぞ……」


パラケルススは少し呆れたように頭を掻きながら言った。


「さっきまで自分のほうが気合入ってたくせに……〔ぼそっ〕」


「聞こえてるぞ……まったく。じゃぁ、行くぞ」


パラケルススは呆れながらも、微笑ましいものを見るようだった。


パラケルススの家は森の中にの少し開けた場所に建っているのだが、その周囲の森へ連れていかれた。


「さぁ、着いたぞ」


と、言われたのは家から歩いて5分ほどの場所だ。


「近くないか?」


この距離はかなり短い。森の木さえなければ家も見えるだろう。


そのアゾットの様子にパラケルススは……


「アゾット、近いからって油断するなよ。お前がいた世界はどうか知らんが、この世界には『魔物』という存在がいるからな」


と、厳しく教えるように言った。


「わかりました師匠」


と、周囲を警戒するアゾットにパラケルススは満足気にうなずいた。


その後、しばらくパラケルススは木の根元を探していると、目的のものを見つけたのかアゾットを呼んだ。


「アゾット!こっちに来い!」


アゾットは呼ばれたので行ってみると、パラケルススの手元には葉っぱが二枚あった。


「師匠?これは?」


アゾットは見たこともない葉っぱに疑問を示した。


一つは、地球の植物に例えるならヨモギの葉っぱに近いだろうか?


もう一つは、アジサイに近い


「こいつらは魔法薬の材料だ。こっちは、『フー草』だ」


ヨモギに近い形の葉を指して言った。


「もう一つは『オー草』だ」


アジサイの葉のようなものを指しながら言った。


「こいつらは、魔法薬『ソーマ』の材料だ。まぁ、今ではその製造方法は俺しか知らないから、同じ材料だが工程の違う劣化版の『ポーション』が町では主流だけどな」


さらっとパラケルススはとんでもないことを言った。


「こいつの匂いを嗅いでみろ」


と、いってアゾットにフー草を渡した。


アゾットは言われるがまま嗅ぐ。すると……


「焦げ臭い!?」


焦げ臭さ特有の刺激臭がアゾットの鼻を襲った。


これを見たパラケルススは腹を抱えて笑っていた。


「師匠これは何ですか!?鼻が曲がりそうですよ!?」


アゾットはパラケルススに鼻を押さえながら涙目で訴えた。


「いやぁ、悪い悪い。ちょうどいいから説明しようと思ってな。俺たち獣人、特に犬型や狼型の獣人は鼻がよく効くからこういった刺激臭に弱いから気を付けろよ。でないと、いつか本当に鼻がつぶれちまうぞ?」


パラケルススはアゾットに注意を促した。


「わかりました師匠。でも、既につぶれそうです」


「悪い悪い。今度はこっちを嗅いでみろ今度は大丈夫だから」


と、言ってパラケルススはオー草を渡した。


アゾットは警戒しながら嗅いだ。すると……


「いい香りだ……あれっ?鼻が治ってる?」


アゾットが不思議そうにしていると、パラケルススが……


「どうだ?治ったろ?このオー草の香りには癒し効果と治療効果があるからな。その程度なら嗅ぐだけで治っちまうよ」


と、いたずら小僧のようにニヤニヤしながら言った。


「どうだ?薬学ってのも面白いだろ?」


「面白いけど……さっきみたいのは勘弁だよ」


アゾットは少しため息交じりに賛同した。


「じゃぁ、この辺の薬草とっちまうか。アゾット、俺と離れすぎない程度で薬草採取してくれ。さっきの薬草もう覚えたから匂いも追えるだろ?」


「うん、できるよ」


といって二人は薬草採取を本格的に始めた。









ちなみに、薬草の名前は、フランス語が元ネタです。

気になる人は調べてみてください。

そのうち、『オー』や『フー』の意味もちょろっと出てきます。

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