モフモフなプロローグ3
これでプロローグはおしまいです。
いやぁ、長かった。
それじゃぁ、モフ道始まります。
「………うん、いいよ。俺、パラケルススの弟子になるよ!」
パラケルススに元気よく答えた。全てを受け継ぐと。
「そうか!そうか!本当に……本当に良かった!」
パラケルススはその鋭い目から涙を流しながら喜んだ。
しばらくしてパラケルススは、落ち着いたのか話し始めた。
「そういえば、俺ばかりが話していて名前も聞いてなかったな。お前さんの名前は?」
「俺の名前は………」
「どうした?まさか忘れちまったか?」
パラケルススは冗談めかして言うが………。
「思い出せない……思い出せないんだ名前が。名前だけじゃない、思い出もほとんど思い出せない!?」
そう、思い出せないのだ。『どういう場所に住んでいたどういったものだったか?』は、思い出せる。だが、親の顔や名前、友人の顔や名前、自分の名前、そういったものが全て思い出せない。
「なに!?」
これには、パラケルススも驚き、そしてなにかを考えるように唸りだした。
「う゛~ん、可能性は二つ考えられる。一つは、俺の召喚ミスだ。これは後で調べてみる。もう一つなんだが、『魂』というのは、死んでしばらくすると初期化され始める。俺はこれを『魂の清算』と呼んでるんだがそれの途中でお前さんを呼び出したか。そのどちらかだな。ちょっとついてこい。」
パラケルススは、そう言うと地下室へ降りていき、それを追いかけた。
そこには物々しい実験室と床には、大人一人分ほどの大きさの魔法陣があった。
「ちょっとそこで待ってろ今調べるから」
パラケルススは部屋の隅にある椅子を指しながら言った。
その後、パラケルススは床をなめる様に魔法陣数十分確認して……
「ダメだ、魔法陣に異常は見当たらない。魔法陣が原因なら何とかなったかもしれないけどなぁ……魂相手じゃどうにもなんねぁなぁ……」
パラケルススは、悔しがるように言った。そしてパラケルススは……
「いつまでも名無しじゃぁ呼びずらくてしかたねぇな。お前はなんかほしい名前あるか?」
「えっ?」
突然のことで戸惑ってしまった。
「名前だよ、な・ま・え」
パラケルススは頭をかきながら言った。
「うーん、決まらないなぁ。そうだ!パラケルススが決めてくれよ!」
丸投げである。
「ううぇっ!?俺がかよ……う゛ーん……」
パラケルススは、また考えるように唸りだした。
「下手な名前にはできないし、う゛ーん……」
しばらくした後思いついたのかこちらを向きながら言った。
「師匠から弟子に向けての最初のプレゼントだ。お前の名前は……」
パラケルススは少し溜めて言った。
『アゾット』
「お前の名前は『アゾット』だ」
『アゾット』それが、彼につけられた名前だった。
「『アゾット』俺の名前……いい名前だな……」
アゾットは、確かめるように自分の名前を繰り返した。
「よろしくな、アゾット。お前は今から俺の正式な弟子だ。俺のことは師匠と呼べ」
「わかったよパラケルスス……いや、師匠」
二人はお互いを認めるように固い握手をした。
やっと主人公の名前を出せました!
ちなみに、主人公が名前を忘れていてパラケルススから名前を与えられるのは初めから考えていました。