モフモフなプロローグ2
まだまだ、プロローグです。
モフ道始まります!
「後継者……?」
「そうだ、後継者だ」
パラケルススは、真剣な顔でうなづきながら言った。
「なんで、後継者なんだ?まだ若いだろ?」
人狼の歳の見分け方などわからないが、パラケルススがそれ程年老いてるようには見えない。
「あぁ、そのことか……お前さんは俺のこと何歳位に見える?」
パラケルススは悪戯小僧のようにニンマリ笑いながら問いかけた。
「どうだろうな……30位じゃないか?」
人間目線で言ったら多く見積もってもパラケルススはそれ位の体格だ。
「残念ハズレだ」
パラケルススはニヤニヤしながらそう言った。
「じゃぁ何歳なんだ?」
「そうだな、だいたい……5000~6000歳位か。いやぁ、俺も歳をとったもんだ……」
パラケルススは懐かしむように目を細めた。
「5000!?6000!?」
かくいう俺は驚いていた。
パラケルススはそんな俺を見て言った。
「そうだ5000年以上生きてると文明の一つや二つ栄えたり滅びたりするのを見るものさ。お前も俺のクローンだからそれ位生きれるぞ?」
不思議に思った。なぜそれ程生きていられるのか?それ程生きていて疲れてしまわないのか?
思い切って聞いてみた。
「なぁ、パラケルススなんでそんなに長生きなんだ?」
「あぁ、そのことな。俺は、獣人族と吸血鬼族のハーフで吸血鬼の真祖の先祖返り、つまり不老不死なんだよ。まぁ、親父もお袋ももうずいぶん前に死んじまったけどな」
パラケルススは、懐かしむように言った。
「……すまん」
「いや、気にすんな。親父もお袋もちゃんと老衰で死んだからな。両親の死に目を見れたからこの体には、感謝してるよ。同時に憎らしくも思うけどな……」
パラケルススは苦笑いしながら言った。
「そんなに生きてて疲れないのか?」
思い切った質問をした。
「もちろん疲れるさ……そして、これはお前さんを呼んだ理由でもある」
そういうとパラケルススは、おもむろに剣を取り出してきた。
「俺は長年自ら『死ぬ方法』を探してきた。その結果作り出したのがこの剣だ。この剣にはありとあらゆる不死を殺す概念が付与されている。この剣を俺の心臓に突き立てれば俺は死ねる」
「その役を俺に?」
そういうとパラケルススは、首を横に振った。
「いや、続きがある。この剣を作った時にふと思ってしまったのさ、『俺が死んでしまったらこの五千年の知恵は失われてしまうのか?俺の知識の中には、はるか昔に失われた技術などが多くある。それをなかったものにしてしまうのはあまりに愚かではないか?』とな」
パラケルススは俺を見つめながら言った。
「そこで、俺は考えた俺以外の誰かにそれを託せばいいと。それがお前だ」
パラケルススは続けざまに言った。
「お前は、俺と同じ体のスペックがある。俺の知恵をさほど無理なく習得することが可能だ。だから、お前にすべてを託したい。頼まれてくれるか?」
パラケルススは少し不安そうに頼んできた。
いまだに主人公の名前が出てこない……
早くモフモフさせたい。