モフモフなプロローグ
初めましてレンノと申します。
初めての投稿ですので温かい目で見守ってください。
モフモフ道中異世界道、略してモフ道はじまります。
もふもふ ふさふさ もふふさ………
不思議な感覚がする。だが、不快ではない。
「………ろ……きろ……おきろ……起きろ……起きろって言ってるだろ!」
「ふぁっ!?」
誰かに叩き起こされた。
「やっと起きたか……んっん゛、では改めてようこそ異世界へ異世界の魂よ」
そこには、俺を叩き起こしたであろう『人』が立っていた。いや、人ではない。
獲物を見つけることに秀でているであろう鋭い目
獲物に食らいつくための大きな口
美しくも自然の荒々しさをもった毛並みの大きなしっぽ
凛とした天に向かって延びる大きな耳
そこには、ローブを着た人型の『オオカミ』が立っていた。
その姿は、ローブを着ているがヨーロッパで古くから伝わる『人狼』そのものだ。
「んなっ!?」
驚いて変な声が出てしまった。
「驚いてるところ悪いがこいつを見てくれ」
人狼が鏡を俺の前に持ってきた。
そこには
鋭い目
鋭い牙
犬とも猫ともつかないような大きな耳
見慣れないがずいぶんと変わってしまった自分の顔だった。
「………!?」
驚きで声を失ってしまった。確かめるように顔を触るが、鏡で見た顔があるだけだった。
「突然のことで驚いてるだろうが聞いてくれ、俺の名前は『パラケルスス』お前をここに呼び出したのは俺だ。そして、お前のその姿は俺の遺伝子から作ったクローンだ」
人狼は『パラケルスス』と名乗った。
「なんで、俺を呼んだんだ?あとなんでこの姿なんだ?」
パラケルススに純粋な疑問をぶつけた。
「それのついては、順を追って話す。まず姿についてだ、その姿はさっきも話した通り俺のクローンだ。そこまではいいな?」
俺は無言でうなづいた。
「なぜクローンの体になっているかというとだな、お前は本来『死した魂』だからだ」
「は?『死した魂』?」
一瞬何を言っているかわからなくなってしまった。
「そうだ、お前は元の世界で死んでしまったのさ」
「……嘘だろ……」
信じられなかった。信じたくなかった。
しかし、自分が死んでいるからだろうか?不思議とショックは少なかった。
「だが、お前はここで生きている!それじゃぁ不満か?」
パラケルススは子供を元気づけるように言ってきた。
「いや、不満はないよ。むしろ感謝したいね」
少しおどけるように言った。
「そうか!よかった!」
パラケルススは心底嬉しそうに言った。
「さて、さっきの続きだが、俺は死した魂を異世界から召喚したが魂をとどめておくための『器』が必要だった。そこで以前実験で作った俺自身のクローンを『器』にしたわけだ」
「なるほど」
魂をとどめるための器か。
「もしかして、ありあわせなのか?この体?」
「いや、その体のほうが都合がいいからだ。それについては理由を説明する」
パラケルススは少し覚悟を決めるように大きく深呼吸をした。
「その体にした理由と呼んだ理由は一緒なんだが…………」
パラケルススは、大きく間をあけて言った。
「俺の後継者になってほしい」
いかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたら幸いです。