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XIX ひとつ×∞=ふたつ
毎日という区切りを強制的に与えられた身としては、
なぜ毎「日」なのかと思う
終わってしまう昨日
終わりたくない今日
来てほしくない明日
何事も望み通りに行かないのなら、
ならば敢えて望まない
昨日とか今日とか明日なんて、
たった一文字の違い
たった一回の日出の違い
連続して移り行く時間に、
枷をつけてしまった償いとして為せるとすれば、
それは枷を外すこと。
すなわち、
時間を「動か」さない
時間を「止め」ない
?
世界で無数に蠢く針と共に、
細分化され、
個人へ集った一介の時間たち。
嵌められた針をひとつ、
動かす仕事は僕の生命を消費する
決して時間は消費しない
無定型に漂う存在は、
ただ命の媒介として、
僕の命を吸っている
答えは出た。
時間を解放する。
命を供給しないこと
すなわち。
吸われる命をなくすこと
すなわち。
命を失わずにいきること
逆転。
死んで命を失うこと
すなわち。
死んで時計を進めること
逆転。
時計を止めていきること
これから世界に対して僕は若返る
ひとつの時間分、
僕に与えられた、
全身全霊の時間。
果ては燃え尽きるか、
「永遠」に燃え続けるか。
それは永遠にわからない