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Interlude: Rain
アースは空を見上げた。
今日も穢れを流そうと振り続ける、雨。
「ルヴィア……」
その癒しの名を呼ぶ。
「アース……」
声だけが返る。
滅多に姿を現すことのないルヴィア。
雨はすべてを見ていた。
リズの震えも覚悟も。
でも、それを言葉には出来ずにいる。
冷たく、重い雫。
地に落ちるたび、土を叩き、染み込んでいく。
「アース……まだ崩れてはいない?」
それだけの問い。
アースは困ったように笑った。
「君には隠せないかな……」
まだ耐えられる、と、そう信じるしかないけれど、重くのしかかる陰を払えずにもいる。
「君の癒しがあるから」
強がっているようには、見えなかった。
「まだ……」
わずかに雨が強まった。
雨はただ降る。
それが役割だから。
空から落ちる無数の雫が、今日も地球の表面を洗い続けている。
誰かの覚悟を、知ったまま。
「僕はただ、降らすだけ……」
うん、とアースは口許だけで答えた。




