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Interlude: The Sea
「ルヴィア……?」
シーアは空を見上げた。
雨の気配が静かに近づいてくる。
ぽつり。
一粒、海の上に落ちる。
少しずつ雨足は強まり、海と雨は邂逅する。
「シーア……」
ルヴィアが海の上に現れる。
銀灰色の少し長めの髪、穏やかな瞳はどこか視線が定まらない。
その瞳がシーアに定まる。
「珍しいね」
シーアも波の上に姿を移す。
「あぁ、アースに会った」
その一言で、シーアは何かを察した。
うん、と頷く。
「僕は、ただ降るだけだ」
あまり感情を表すことのないルヴィアの声は、わずかに揺れていた。
うん、と再びシーアは頷く。
「最後には…………」
決断しかねているようにも見え、けれどその声は、もう迷いを越えていた。
沈黙が海と雨の間に落ちる。
「最後には……海も引き受けるよ」
その意味を、ルヴィアは聞き返さなかった。




