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『きらきら、のち星』ー冬の童話2026ー

作者: KOTOHA
掲載日:2025/12/13

ある男の子が、まぶしさの向こうに、ほんとうの光がひそんでいることに

気づく瞬間ーそれは・・・

ぼくは、まちで一番 きらきらしている。

ずっと、そう思っていました。


だって──

走るのも はやいし、

もじだって きれいに 書けるし、

けいさんも できる。


先生も、「よくできました」って言ってくれる。

だから、ぼくは、

「ぼくが 一番 きらきらだ!」って思って、

いつも 胸をはって 学校へ行っていました。


*


教室では、となりの席に、

おとなしい女の子が すわっています。


その子は、走るのが にがてで、

発表も、手をあげずに こっそりノートに書いているような子でした。


「この子より、ぼくの方が きらきらしてる」

ぼくは、ちょっとだけ 得意になっていました。


*


ある日、休み時間のこと。

ぼくは ちらりと その子のノートを見て、

目を まるくしました。


ノートのすみっこに、

とても小さな、絵が かいてあったのです。


しかも──ページをめくると、

その絵が うごいて見えるように なっていたのです!


ぱら、ぱら、ぱら──

小さな女の子が 走って、こけて、また立ちあがる。


ぱら、ぱら、ぱら──

夜空に花火があがって、星のしずくが こぼれてくる。


ぼくは、びっくりして、言いました。


「……すごい……!」


*


その子は、ていねいに ノートを閉じて、言いました。


「うん、アニメーションに してみたの」


*


ぼくは、しばらく 何も言えませんでした。

走るのも、もじを書くのも、計算も──

なんだか、どれも 色あせて 見えたのです。


「もしかして……この子の方が、ぼくより きらきらしてるかも」


そう思ったら、

ぼくの胸のなかで、ふしぎな音が なりました。

きゅうっと、ちいさく、でも あたたかい音。


*


勇気を出して、ぼくは 言いました。


「君の方が……きらきらしてるね」


その子は、キョトンとした顔をして、こう言いました。


「キラキラしているのは、夜空の星よ」


*


……そのとき、ぼくのなかで

「きらきら」の意味が、すこしだけ 変わった気がしました。


*


その日から、ぼくは 時どき、

夜空を見あげるようになりました。


そして、こっそり思います。


「……あの子のノートにも、

 星が、すんでるのかもしれないな」       

                    挿絵(By みてみん)


──おしまい。


ご覧頂きありがとうございますm(_ _)m

今日の夜空に星が輝いているといいですね。

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― 新着の感想 ―
きらきらは誰もが持っているのかも知れませんね。 自分ではちっぽけに見えたり、逆に誰の目から見てもわかったりするものも。 謙虚になった男の子、よりきらきらしちゃいますね(笑) 読ませていただき、ありがと…
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