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月夜譚 【No.1~No.100】

小休止 【月夜譚No.23】

作者: 夏月七葉

 頬張った落雁がとても甘くて、ようやっと人心地がついた。コリコリと奥歯で砕いて、その甘みを噛み締める。この落雁と同じように気疲れも溶けてしまえば良いのに、そうはいかないらしい。

 彼の仕える主は自由奔放で、部下に仕事を押しつけてはすぐに何処かへ行ってしまう。そう忙しい仕事ではないが、一人では手に余る量だ。しかしそれを彼はやってのけてしまうから、主も安心して押しつけていってしまうのだろう。

 日本茶を淹れながら溜息を吐いた彼は、しかしすぐに口元を綻ばせた。

 主が最近とても楽しそうなのだ。そんな姿を見ているとどうしても嬉しくなってしまうのだから、我ながら馬鹿だと思う。

 どうしようもない主だが、やるべき時にはしっかりやってくれる御方だ。それなりに尊敬もしている。

 湯気の立つ茶を啜った彼は、次にやるべき仕事に思いを馳せた。


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― 新着の感想 ―
[一言]  職業物の小説ですか。こんな一幕が、形を変えて、今も何処かで繰り広げられているのかもしれない……。夢がありますよね。  職業物の長編って、最初から最後まで、読みたいと思わせ続けるのが難しい…
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