背伸びして歩こう
こんにちは。初めての短編小説です。この話は、ずっと昔から考えていたもので無事小説にすることができてとても嬉しいです。(#^.^#)
私の名前は鈴木美香。中学二年生。バレーボール部に所属している元気いっぱいの女の子。そんな私は今、恋をしていた。
好きな人の名前は矢島義人。同じクラスの男の子。バドミントン部に所属しているスポーツ少年。見た目は超クールだけど、クラスでは超お調子者。まぁ、そういうギャップが好きなんだけどね。
でも、私は知ってしまった。それは、彼の方が身長が高いことだった。私の身長は今、百五十五センチ。普通の人はこのぐらいだと思うが、彼の身長はなんと百七十四センチもあるのだ。つまり、私と彼との身長差は二十センチ近くもあるのだ。
これではとても一緒に並んでは歩けない。とてもじゃないけど釣り合わない。
そう思った私は、身長伸ばしてなんとか彼と釣り合わせようとした。
『牛乳をたくさん飲む作戦』
これは一ヶ月前にやって吐いたため不採用。
『寝る子は育つ作戦』
これは中二の四月にやってがあまり背が伸びなかったため不採用。
『全身引き延ばし作戦』
これはあまりにも危険なため不採用。
「あーーーー!どうしたら身長が伸びるんだ?」
いいアイディアが思いつかなくて、私はだんだん苛ついてきた。自分の席で頭を抱えていると、誰かが私に近づいてきた。彼だった。
「鈴木、ちょっといいか?」
私は彼に呼ばれて、体育館裏に行った。
「俺、鈴木のことが好きなんだ。」
突然の彼からの告白に私は困惑する。
えっ・・・。矢島が私のこと好きだって?私、目標が五センチ差だけど、もうそんなに伸びたの?
「矢島ってさ、身長自分と同じくらいの子、好き?」
私は確認のため彼に聞いた。すると彼は、私の頭を撫でる。
「俺は鈴木みたいに身長がちっちゃくて可愛い子が好きなんだ。」
嘘・・・。矢島って背がちっちゃい子が好きだったの?なんだ〜、苦労して損した〜。
その帰り、私と矢島は仲良く手を繋いで帰った。
しばらく身長伸びそうにないけど・・・まぁ、背伸びして歩けばそれで十分かな・・・。