09 情報屋さんと熊
日間ランキング2位到達……!(震え声)
徐々にではあるが、グランドベアのHP表示が減っていっているのがわかる。ちまちました戦いだが仕方ない。
欲を言えば弱点である古傷を狙いたい所だが、これがなかなか難しい。アーサー達のスピードは標準レベルなのでそこまで速くはない。つまりウロウロと動き回るグランドベアのスピードに完全に対応しきれていないのだ。
一応、弱点をさらすタイミングはある。遠距離攻撃である爪飛ばしを発動させたタイミングだ。だが、これは標的である俺達全員が一定距離まで離れないと使ってこない。また、離れれば必ず使ってくる訳でもない。
したがって、まずアーサーとシロが攻撃を仕掛ける。ヘイト値が上がったところで、俺が攻撃しそれを上回る。俺に攻撃がきたところでかわす。アーサー達はその隙に距離をとる。これが基本だ。
爪飛ばしを使ってくれば、回避しつつ背中側へ回り込む。動きが大きいので、事前にわかっていれば避けるのは難しくない。ただ、これは範囲攻撃というか、パーティ全体を狙った技なので、各自でなんとか避けるしかない。防御役もあんまり意味がない。
爪飛ばしを使ってこなければ、再び全員で近づいて総攻撃をかける。これが現在の基本サイクルだった。
「うおおぉぉ!? 危なっ!?」
「来るのはわかってたでしょ!? もう少し余裕を持って避けなさいよ!」
……シロは理論派というか、きちんと戦術を理解している。それに対し、アーサーは勘というか、「なんとなく」の感覚でやってるから若干危なっかしい。大きなダメージは受けていないし、ウルルの回復のサポートが安心できる要素なんだろうが、少しは考えてやって欲しい。俺の仕事、というかフォローが増えてしまうから。
とはいえ、今のところ順調には変わりない。こちらの消耗に比べて、グランドベアは確実に弱っている。このままいけば大丈夫だろう。
「ん……?」
だがそう思っていた矢先、状況が変わった。最初に感じたのは「空気」だ。特に何か目に見える変化があった訳じゃない。だがなんとなく、何かが違うというか違和感を覚えた。……アーサーの野生の勘が感染ったか?
考えながらも動きは止めてない。きちんと攻撃を加え、注意を引き付け、反撃をかわしている。グランドベアのHPもどんどん減っていっている。目算だが、もうゲージの三割は切るくらいだろう。
そして、実際に三割を切った瞬間、異変は起きた。HPゲージが通常を表す緑色から注意を表す黄色へと変わる。それに反応してか、グランドベアは立ち止まり、両腕をだらんと下に降ろした。そして俯いたまま動きが止まった。
「なんだ……?」
「止まったわね……」
「倒した、ってこと……?」
「……」
いや、HPが残っている以上それはない。だが様子がおかしいのは事実だ。こっちも全員警戒して、自然と動きが止まった。
呆然と見てるうちに状況は動いた。グランドベアの全身が変化していく。じわじわと毛皮の色が赤くなっていく。
「な、なんだ……!?」
アーサーの震えた声が響く。無理もない。これがやばいのは知識が無くてもわかる。全身が赤くなったところで、グランドベアは顔を上げた。
「グルルルルル……グルァァァァ!!」
「「「「っ!?」」」」
雄叫びが俺達に突き刺さる。全身がビリビリ震える感じだ。全員、思わず武器を前に構えた。
「どうやらここからが本番らしいな……」
「ど、どうするの……!?」
HPが一定以下になると、強化されるタイプのボスだったらしい。たまに見かけるパターンだ。しかし、最初のボスでこんな仕掛けがあるとは、運営側もなかなか意地が悪いことだ。
やることは変わらない……と言いたいところだが、そうはいかない。今までは通常状態のグランドベアの行動パターンしか知らなかった。だが、ここからは見たところ激怒状態だ。そうなると行動パターンが変わっている可能性がある。攻略が通用しないかもしれない。……仕方ないな。
「とりあえず俺が観察に入る……。お前らは防御中心で立ち回れ……。攻撃は最低限でいい……」
ひとまず三人に指示を出しておく。経験からいうと、激怒してるようなモンスターは攻撃力が上がる場合が多い。なので様子見には防御がベストだ。
「わかった! お前も気をつけろよ!」
声を背に受けつつ、一歩前へ踏み出す。さてさて、どんなものか見極めさせてもらおうかな。
◆◆◆
「くそっ……!」
あれから何分経過しただろうか。俺は回避するばかりで攻めあぐねていた。観察してわかったこと、それは攻撃パターン自体は変わってないことだ。攻略法自体は今までと同じでなんとかなる。
だが難易度はかなり上がっていた。それは単純に速くて重いからだ。一撃の重さ、そして速さが先ほどまでとは段違いだ。回避はなんとかできるが連撃でくる為、こちらがなかなか反撃に繋げられない。
そしてグランドベアの切り替えが速い。アーサー達が攻撃すると、すぐにそちらを標的に動き出す。なので、俺の方へ引き付けるのも一苦労だ。引き付ける前にアーサー達へ攻撃が飛んでいく。特にシロなんかは一撃当たるだけでも大ダメージになるので回復が必要になってくる。MPを温存しておいたはずのウルルが、回復に追われてだいぶ消耗してしまう有り様だ。はっきり言って、戦局は割と不利だった。
「おい、どうする!? このままじゃ、負けるんじゃないか!?」
「完全に押されてるわね……!」
言う通り、このままの状況が続けば負ける可能性は上がってくる。悪い流れを断ち切るには、何か賭けに出るしかない。
「仕方ない……。一か八かだ……」
俺は回避しながらも、何とか作戦を三人に伝える。最初は驚いていたが、納得したようだった。
俺達は一旦合流して、四人で固まった。そして、グランドベアから全員で大きく離れる。
「来るぞ……!」
グランドベアは大きく両腕を真上に上げ、そのまま勢いよくこちらに向かって振り下ろす。爪飛ばしだ。
だが、あらかじめわかっていた俺達は、腕を振り上げた段階で左右に向かって分かれて走っていた。右側に俺とウルル、左側にアーサーとシロだ。グランドベアが腕を振り下ろすのを横目に背中へと回り込む。後はやるだけだ。
「『スラッシュ』……!」
「『ファイアボール』!」
「『ソードスマイト』!」
作戦なんて大げさに言ったが、やることはシンプルだ。調べた通り、弱点を狙ってアーツを三人で叩き込む。それだけだ。
「グオオォォォォォォ!!」
アーツの同時攻撃が古傷へと刺さる。グランドベアが仰け反ると同時に、HPが急激に減っていくのがわかる。減っていったゲージは勢いのまま、最終的に空になった。グランドベアの全身にヒビが入り、動きが止まる。そして次の瞬間、ガラスが割れるような音ともに砕け散った。破片は空中へと消えていき跡形も無くなった。よし、やっと討伐完了だ。
……奇しくも、最初にアーサー達がやられた爪飛ばしの隙でとどめを刺せたのは、意趣返しになったのかな。
「よっしゃー!」
「やったわ!」
「う、うん……!」
討伐が成功したのを見届けた三人はテンションが上がって抱き合いながら、飛び跳ねていた。こういうところがリア充っぽいな。
対して俺は、一歩退いたところから三人の喜び様を眺めていた。向こうは達成感のあまりテンションが上がっているのだろうが、俺は安堵して力が抜けるタイプだ。流石にへたり込んだりしないように、全身に力は入れているが。
『レベルが8に上がりました』
『レベルが9に上がりました』
『レベルが10に上がりました』
頭の中に通知の声が次々響いてくる。流石ボスモンスター、一気に経験値が入ったようだな。ガンガンレベルが上がっていく。と、最後に聞き慣れない通知が入った。
『転職が可能になりました』
おお、ついに転職が可能になったか……! 楽しみにしていたが、とりあえず今は後回しだ。アーサー達と別れてからじっくり確認することにしよう。
「見て、何かドロップしてるわよ!」
いくつかアイテムらしきものが散乱していた。爪だったり毛皮だったり様々だ。すぐに頭の中で勘定を行う。これだけあれば、一つくらいは俺が貰えるだろう。ボスモンスターのドロップだけあって貴重な物のはず。たとえ、俺にとって使えないアイテムだったとしても、充分需要はある。売り払って資金にするもよし、誰かと交渉の際に手札の一つにするもよし。夢が広がるな。
それでも、できれば汎用性の高いアイテムを取りたいところだが……その辺の交渉に話を持っていくにはどうしようか。色々企んでいたものの、思わぬ発言を耳にした。
「今回、一番働いてたのはカラスだし、お前から好きなアイテム取っていいぜ?」
意外だった。アーサーの提案に二人とも頷いている。ドロップの分配でもめるのはよくある話だが……なんだか拍子抜けだな。
どれにしようか……毛皮に爪に牙に……これはもしかして魔法石か? さて、どれを取るのが角が立たないか。うーん……魔法石は貴重だろうし、まずい気がする。毛皮は防具に使えそうだが、今は防具に困ってない。となると爪か牙だが……どちらもあまり変わらなそうだな。
「なら、牙を貰おうか……」
小さい牙だが何かに使えるかもしれない。ドロップはこれでいいとして、この後の事を話しておかないとな。
話をしようとした瞬間、驚いたことに盛大なファンファーレの音が鳴り響いた。俺達の上空、グランドベアがいた辺りの真上に半透明のボードのようなものが浮かんでいる。さっきまではしゃいでいたアーサー達も、呆然と見上げていた。そしてボードにメッセージが表示され始めた。
『おめでとうございます! 【大森林】のボスモンスターを討伐したことで、新たな街へのルートが解禁となります!』
『以降、ボスモンスターは弱体化されます』
『このお知らせは全プレイヤーに向けて通達されます。初回討伐パーティを登録しますので、パーティ名を入力して下さい』
やはり予測していた通り、第二の街に行けるようになるらしい。しかも俺達が初めての討伐だったことで、記録されるという記念のおまけ付きだ。
アーサーの手元にキーボード画面のようなものが出現した。一応リーダーだからな。
「どうする……?」
アーサーがぐるりと見回すが、全員首をひねって考えている。
「よし、じゃあアーサーズだ!」
「なんであんたの名前なのよ!? 却下よ、却下!」
「ふ、普通にパーティ1とか……」
「個性が無さすぎだろ! 却下だ!」
「魔女の館なんてどうかしら? カッコいいでしょ!」
「そ、それだと全員魔法使いみたいに聞こえるんじゃ……」
……本当にろくな案が出てないな。ネーミングセンスがない。まぁ人の事言える程自信ないので、黙ってるが。
「カラス、なんかいい案はないか?」
とか考えてるうちに、こっちにも振られた。仕方ない、何かしら意見を出さないと。
しかし名前ね……。うーん……アーサー……アーサー王……。アーサー王と言えば、有名なのは円卓の騎士か……。ならば騎士団とかか? ……なんか違うな。
「三人のイニシャルを取ったらどうだ……?」
苦し紛れではあるが、一応意見は出しておく。まぁそのまま採用にはならないだろう。ここからヒントになれば……。
「おお……それいいな!」
「まぁ、少しはましね……」
「いいと思います……」
……予想外に採用されてしまった。正直、適当に近かったんだがな。まぁ、ある意味他人事なので、別に何でもいいが……。
俺を尻目に三人で盛り上がっている。最終的にパーティ名は三人のイニシャルをとって『うさぎ団』となった。俺のイニシャルも入れようと言われたが、名前を公表したくなかったので全力でお断りさせてもらった。
「よし、じゃあ入力するぞ……!」
キーボードでアーサーが名前を入力していく。完了を押すと、全員に聞こえる様に通知の声が届く。
『パーティ『うさぎ団』が【大森林】のボスモンスターを討伐しました。新たな街へのルートが解禁されます』
おそらく、この声は全プレイヤーに向けて届いているのだろう。通知が終わると同時に、アーサー達が俺に向き直る。
「本当に助かったぜ、ありがとな」
「そういう契約だからな……」
あくまでクールな態度を崩さないように、意識して話す。
「なぁ、やっぱり正式にパーティに入らないか?」
一緒にやった方がこれからも楽しいぞ、と続けてくる。
それを受けて少し考える。パーティでの連携戦闘は正直楽しかった。このゲームを始めてからはずっとソロだから、久しぶりだったし。……だが、それでも情報屋をやめる程ではないな。
「悪いな……」
俺の返答に対し、やんわりと笑っていた。断るのは承知の上でダメ元で誘ってみたのだろう。笑ったままアーサーは右手を差し出す。俺は出された右手をしっかり握りしめた。
その後、アーサー達とはそこで別れた。三人は街へ戻るそうだ。帰らないと言ったら不思議に思われていたが、俺はまだ狩りを続けると言ってごまかした。
もちろん、本命の目的はこの後の水馬の討伐だ。
その前に確認しておく事がある。まずはポーションを飲んで、さっきの戦闘で減った体力を回復しておく。……もったいないから、さっきウルルに回復魔法をかけてもらえばよかったな。
メニュー画面を展開し、目当ての項目を検索していく。……見つけた。
『転職が可能です』
これだこれだ。さっきの戦闘で一気にレベル10に達したので、おそらく可能になったんだろう。今の職業は盗賊だからその派生形になるはず。事前にネットで見た情報だと、転職の方向性はステータス、所有スキル、更に今までの行動によって決まるらしい。だから、一見似たようなステータスとスキルの持ち主が二人いても、全く別の職業になることがあるらしい。
情報を思い出しつつ、転職先の項目を開いていく。
─────
山賊
山間部に潜み、集団で標的を狙う盗賊
腕力が高く、パーティメンバーに影響を与えるスキルを持つ
─────
義賊
金品を盗み出し、民衆に分け与える盗賊
戦闘時のドロップ率と速度が高くなる
─────
忍者
影に生き、諜報活動を得意とする密偵
速度が上がり、独特なスキルを持つ
─────
転職できる候補は全部で三つか……。今までの行動から候補が選ばれたってことは、順に考えていこう。
まず山賊は無しだ。腕力が高くなるのはありがたいが、パーティをサポートするスキルはあんまり必要ない。今のところ組む予定もないし、組んだとしても一期一会の関係が理想的だからな。あと、なんとなく山賊ってパワータイプなイメージだから合わない。よって山賊は選びたくない。
次に義賊だが……。速度が高くなり、ドロップも出やすくなるのはかなり条件がいいな。だが義賊だと……なんというか無償で行動するイメージというか、ボランティア精神に溢れた人のイメージなんだよな……。歴史上の話から言っても、鼠小僧とか名前が有名になってる気がする。有名になるのはあんまりよろしくない。義賊はダメではないが、よくもないって感じだな。
最後に忍者だ。忍者ねぇ……イメージ的には情報屋に一番近いんだよな……。忍者って言ったら、暗殺者みたいに思われがちだが、実際は潜入や情報集めが主な仕事だったって聞くし。そう考えると、悪くない気がする。独自のスキルというのも、なんか惹かれるものがあるしな。
「考えてみたけど、俺に合いそうなのはやっぱり忍者だろうな」
そうと決まれば早速転職といこう。項目の中から忍者を選択し、決定ボタンを押す。
『一度転職すると、やり直すことはできません。この職業でよろしいですか?』
念押しの言葉が表示されるが、俺に迷いはない。選択肢はあってないようなものだったし。イエスを選択すると、メニュー画面が自動で消える。そして自分の体がうっすらと光っているのがわかる。
『転職を実行中……』
『職業【忍者】への転職が完了しました!』
『スキル【短剣】は【忍刀】に変化しました!』
『スキル【加速】は【縮地】に変化しました!』
『スキル【投擲】は【手裏剣】に変化しました!』
『スキル【火魔法】は【火遁】に変化しました!』
『スキル【水魔法】は【水遁】に変化しました!』
『スキル【風魔法】は【風遁】に変化しました!』
『スキル【土魔法】は【土遁】に変化しました!』
『スキル【雷魔法】は【雷遁】に変化しました!』
転職が完了すると同時に、目まぐるしい勢いでスキルが変化していく。今までの入手と違い、変化だ。元のスキルが無くなり、新たなスキルへと変わる。
しばらくして通知がピタリと止んだ。次々変化していくので、聞き逃したかもしれないので確認しておかないと。
再度メニュー画面を開き、スキルを一個ずつ確認していく。名称が変わっただけかと思いきや、微妙にスキル内容が変わっていた。
まず【忍刀】に変わったことで、アーツの『スラッシュ』が使えなくなっていた。まぁ、ライトニングダガーの装備は外れてないので、戦うことはできるだろう。だが装備の変更は必要だな……。
【縮地】は実際に使ってみたが、微妙に変わっていた。感覚的なものだが、なんとなく動きが滑らかになったような気がする。発動中見えている景色が、【加速】の時よりも流れるように見えるというか……。より、自然な動きができそうだから、連続攻撃とか使いやすいかもしれない。
「次は【手裏剣】だが……おおっ?」
文字通り手裏剣を投げるような動きで、遠くまでアイテムを投げられた。【投擲】がボールを投げるような動作だとすれば、【手裏剣】はフリスビーやブーメランを投げるような感覚かな。以前より軽い力で投げられるようになったが、せっかくだから専用の武器が欲しいな。
あとは魔法系スキルだが、基本的な『ファイアボール』や『ウォーターボール』といったアーツではなくなっていた。代わりに『火弾』や『水弾』などのアーツを修得していた。最初は名前が変わっただけかと思ったが、違っていた。ボール系はボールだけあって球状の攻撃なのに、火弾や水弾は形が円錐形だった。例えるならドリル型の攻撃だろうか。別に回転しながら飛んでいく訳じゃないが、標的に刺さるように飛んでいくのは間違いない。
「とりあえずスキル系は一通り確認したから、あとはステータスかな」
ステータスを開くと、各項目がリセットされ初期状態となっていた。今までレベルが上がる度に振り分けていたポイントが全部戻されて、振り分け前の状態だ。だが初期状態にといっても全ステータスが横並びではなく、速度と知力が頭一つ抜けて高かった。これが忍者の特徴なんだろう。
「じゃあどうするかな……」
せっかく初期化された訳だし、これからの育成方針について少し考える。盗賊の時は速度特化で回避しながら近づいて切りつけるスタイルだった。忍者になったなら、新たに方針を決めなくては。……数分ほど考えたが、なんとか決まった。
俺はステータス中からポイントを選び、速度と知力に振り分けて徹底的に上げていく。忍者と言うからには様々な「術」が修得できるかもと思ったからだ。何の確証もないが、忍者の説明文からいってそうだろうと思っている。新しい戦闘スタイル、目標は高速移動しながら魔法を撃ち込む、移動砲台のようなスタイルだ。
さて、転職は完了したものの、今度は装備品が心もとない。予定ではこのまま森の奥まで行って、水馬と再戦するつもりだったが……一旦装備品を整えようかな。俺の機動力を持ってすれば、大して時間はかからないはず。
振り向いて街の方を向き、跳躍して木の枝に飛び乗る。そのまま枝から枝へ飛び移っていく。届きそうにない距離の場合は瞬時に【縮地】を使って飛距離を稼ぐ。これは速いし、いい訓練になりそうだ。
土日に一気に書き進めたいところです……




