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紫人〜白書〜  作者: 牛乳ラブ
2/9

一話

「えっ!?脱法ハーブ!!?」


「声がデカいぞ、舞花(まいか)


十二月中旬の夕方。駅前の喫茶店内。大声でそう叫ぶ私こと壱条舞花(いちじょうまいか)と、それを静める上下月(かみしもつき)

落ち着け。今は探偵の仕事をしているんだから。

と、心の中で言い聞かせて深呼吸する。


「ご、ごめんなさい。それで、彼氏さんーーー影北拓実(かげきたたくみ)さんが脱法ハーブやってるって、どうしてそう思ったんですか?」


今度はしっかりと、一言一言丁寧に伝えていく。

目の前に座る依頼者、秋川美久(あきがわみく)さんは沈んだ表情をして答えた。


「三日前、押入れの段ボールに銀色の袋が入ってて…開けたら草の様なものが出てきたんです。その時ニュースで観てた脱法ハーブとほとんど同じで…でも聞けなかったから」


「聞けなかった?」


「最後に会ったのは二日前で。帰って来たので、勇気を出して聞こうと思ったらすぐ外出してしまって。それに、何かぶつぶつ呟いてました」


あの時止めていたら、と秋川さんは悔しそうに答えた。

そんな様子を見ていた月は、気怠そうに立ち上がって、出口へと歩いて行く。

…もう、話の途中だっていうのに。


「ちょっと月、何処行くの?」


「影北を探しに行く」


「探しに行くって…まだ何も手かがりがないでしょ?」


「あるさ。脱法ハーブをやってるなら、仕入れてる場所があるって事だ。ソイツらに話を聞けば良い」


さも当然かの様に、月が答える。

話を聞けば良いなんて言ってるけれど、彼は話し合いなんかしない。カッターナイフで脅して聞き出す、いつも実力勝負。


…ちょっと心配だけど、彼も探偵だし、信じる事にしよう。


「わかった。気をつけてね、月」


「こっちの台詞だ。依頼者を頼むぞ、助手」






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