たった1日の夜のやみの話
掲載日:2017/12/19
夜、私は胸をなでおろす。
今日を生きていた自分を慰めるように
ベッドに横たわる身体が自死を選ばなかったことを称賛するように
しかし明日への恐怖が私を襲う
明日のことは分からない。明日の明日は尚のこと。
一寸先は闇ということわざはあるが、人生の闇というものは感覚がない。
壁がどこにあるのかも、そもそも温度の感覚も高度の感覚もない。
「ここにいて、こうしていていいのだろうか」
常に疑問が付きまとう。
なんの具体性のない疑問が、私の精神を圧迫することに特化した疑問が
私を漠然とした重みで押しつぶしてくる。
(悩んでいるんだったら相談してね)
「悩み」なのだろうか。
あまりに漠然としすぎていて「相談」という形を形成できない。
そもそも私はいつからこれと共にいきているのだろう。
小さなころは明日への期待だとか、今日の出来事の素晴らしさを描いて
ベッドに横たわっていたような記憶がかすかにある。
いや、この思い出も私の逃避が生み出した偽りの思い出かもしれない。
明日がやってくるという苦しみ
人類みな平等に明日は来るという苦しみ。
寝ようが寝まいが明日は来るのだが、どうにも寝付けずにいる。
そして朝日とすれ違うように私の意識は沈んでいく。
私が明るい人間であるように笑いはじめる時間までの
わずかな時を。




