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転生、転性、転星!〜異世界転生で男になっちゃった!?〜  作者: 黒月キラ
始まりの街エレノア
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1.死亡フラグってなんだったの?



ごく普通の生活をしたいだけなのに世界はそれさえ許してくれないのか。


私、神谷花音(かみやかのん)は仕事終わりの帰宅途中、雷に打たれて死にました。

はい、終わり。ちゃんちゃん。


人生終わっちゃいました。


雷に当たる確立は宝くじの一等が当たる確立と同じ位だって誰かが言ってたっけ。どうせ当たるなら宝くじがいい。


まあ、そういう訳で私の人生終わっちゃったのですがはっきり言って不運続きだった。それが目の前にいて土下座をしている《神様》の息子のせいだという。


ちなみに雷はそこにいる神様が神様になるための修行として私の守護霊をしていた筈の息子が全然怠けてむしろ私を殺そうと運を最大まで下げていた事に激怒、怒りの雷を降らせたようです。

神様もまさか雷一発で私が死んでしまうとは思ってはなかったようでひたすら土下座してる。

普通は死にますよ?

雷に打たれれば。




「申し訳なかった…」



私の隣には雷に打たれて死んだ自分自身が転がっていた。


黒焦げで。


どんだけ高威力なんだよ!!



「儂らが住む世界では人は雷に打たれた位で死なんからのぅ…やり過ぎてしもうた」


どんな世界だよ。


「あの、神様なんだから生き返せないの?」


「儂はこの世界とは違う場所の神じゃからのぅ、場所が違えば管轄も違う。つまりこの世界の神ではなくては生き返せぬのじゃ」


つまり目の前にいるのは異世界の神と言うことか。


「じゃあ、ここの神様にお願いして生き返らせて下さい。土下座だけでは埒があかないです」


「そ、それが…」


「あなたを生き返らせる事は出来ません」


空から一筋の光が神様の前に現れた。光の中心から白き着物を纏った女の人が出てきた。いや、人の形をした別の何かかな?


「おお、チグサ殿」


チグサと呼ばれた女性は目の前にいる神様を侮蔑の瞳で見つめた後私に向き直り申し訳なさそうな顔で話し出した。


「はじめまして、私は日本の現在の神チグサと申します」


「あ、私は花音、神谷花音です」


この女性が日本の神様、めちゃくちゃ美人さんだ。


「申し訳ないのですが先程も申した通りあなたを生き返らせる事は出来ないのです」


「困ります。この後0時から見たい深夜アニメがあるんです!神様のせいでこんな事になったんですどうか融通をきかせてなんとかして下さい!」


我ながら無茶ぶりだと思う。

だって今日はマク○スの放送日なんだもの!!

私のハヤテが待っている!


「そこにいる神があなたの魂に傷をつけてしまったのです」


「傷?」


自分の胸を見ると心臓の辺りに十字の形をした傷がある。

今の私は幽体なんだろうな…。


「ええ、それによりそこにある肉体とあなたの魂を結びつける事が出来ません」


なななななんだってー!?

ちょ、神様何てことしてくれんのさ!!


「その傷は異世界の神につけられた《印》です、次の転生を自分の世界でしますよ、という…」


「えーと、つまり…」


「一度そこにいる神の世界で転生を行わなければ私の世界で再び生を受ける事が出来ません」


マジでー!!最悪なんですけど!!

あ、そうだ!!


「あの、幽体のままこの世界に留まる事出来ません?アニメは覗き見しますんで」


我ながら最低な案だ(笑)


「無理ですね」


がーん!!


「既にあなたの魂は異世界へと向けて転送されつつあります」


「本人の承諾なしに?!」


「神と人では優先されるのは神ですからね」


「ちょっ!そこで土下座してる神、やめさせて!」


このまま異世界転生なんてふざけんな!!

勝手に殺されて勝手に異世界だなんて納得できるか!


「無理じゃ、ほれ、お主の体が透け始めとる」


「ぎゃー!!」


「安心して下さい花音さん。異世界での転生を果たし傷が無くなれば再びこちらの世界で生を受けられます。私が責任をもって行いましょう」


「いや、今じゃなきゃ意味がないよ?!」


生粋のオタクである私からアニメや漫画、ゲームを取り上げたら死んじゃうよ?せめて携帯電話を持っていけれたら…てその手があったか!!

異世界転生話では定番のアレが!!


「おい、そこの神様。異世界転生してあげるよ。だけどこんな事をして異世界転生なんて酷くない?何か特典をつけてよ」


「おお、納得してくださったか。ふむ、ユニークスキルじゃな。そのくらいはまかせい!」


「じゃあ、私の脳内でスマホの機能を使えるようにしてね」


片目を閉じて舌をペロッと上唇につける。

いわゆるテヘペロ。


「は?」


「ちゃんとあっちの世界の通貨でスマホのコンテンツ購入出来るようにしてよ。それさえあればアニメが見放題だし!」


うんうん。スマホも昔と比べればかなりいろいろな事が出来るようになった。映像コンテンツとかもかなりの種類があるし。

脳内にしたのはそこの神様の世界が未知な所にある。

雷に打たれて平気って言ってることを見ればもしかしたら魔法が発達した世界かも知れない。そんな所でスマホなんて使ったらどうなる事やら。


「うむ…わかったなんとかする…」


やたー!!

これでアニメ見れる!!

転生したては赤ん坊だろうから見まくるぞー!!

冒険なんかしないでずっと見よう。普通の生活を送ろう!

あー、スマホだけだと家庭用ゲームが出来ないのは辛いな~。

いよいよ体が透明になってきた所で猛烈な眠気が私を襲い意識を手放した。




***




「大丈夫なのですか?貴方の息子の消滅、世界移動、転生、ユニークスキルと大量の…」


チグサの言葉を遮って異世界の神は言う。


「息子の件は儂が悪かったからのぅ、その他の事なら心配無用じゃ」


「…そうですか。間違っても私を巻き込まないで下さいね」


「ははは…それにしてもチグサ殿はなぜ“嘘”をつかれたのか?」


「ふふ、流石に気づきますわよね…あえて言うならば貴方の為ですかね」


「儂の為…」


「ええ、それが…貴方の世界で有益になる…私にはそう視えました」


チグサ殿は神である。有能な神である彼女は“人の行く末”を視る力をもっている。だが末といってもその人の行動次第では何通りにも分岐する。


「チグサ殿の一言が無ければあの娘を転生などさせんでも済んだのでは?と思うのは間違うかの?」


「そうですね」


「儂、泣きそうなのじゃが!?」


「じゃあ、泣いて下さい」


神々の雑談は続いていた。




***




今私は母親と思われる女性に着替えをして貰っている。

うん、赤ちゃんだもん思った通りに動けないからしかたないよね!でもね、


どうしてこうなった…


鏡に映った自分の姿に落胆した。

顔は見た感じエルフの母親似で良かったと思う。

問題はそこじゃない。

神様に色々とお願いしていた事が何一つ叶っていない。

ユニークスキルを始めとする種族、性別が!!!


なんで私、男になってるの!?


鏡に映る姿にはオムツを外して裸状態の私がいる、股間にいらないものをつけて。触る勇気までない。


なんでじゃー!?


私は神様とのやり取りを思い出していた。















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