様々な会話
誤字脱字があれば指摘お願いします。
刃がスカイダイビングしていたその頃。レイグノ大陸では様々な会話があった。
西にあるバジス帝国『王の間』では、
「騎士隊長。軍の編成はどうなっておる」
「はっ、予定の期日迄には編成し終わるかと。しかしながら食料が進軍4日目には無くなってしまう恐れが」
「よい。途中にある獣人どもの寝床で補給すれば良いことよ」
「それではその様に」
その場にはバジス帝国現皇帝 ルテム・ジン・バジスと将軍のやり取りを観ていた后妃、第一皇子、宰相、近衛隊長、騎士隊長、魔法部隊長、メイド長、そして帝国では最強と唱われる六柱の6人が会議に出席していた。
六柱とは近衛隊、騎士隊、魔法部、メイド、冒険者で構成されている。六柱に選ばれる事は名誉な事であり帝国を守る6英士され帝国市民の間では英雄扱いだ。表面上は。
しかしその実態は戦闘狂の集まりであり、国の事など考えてなど無く自分の欲に忠実な戦闘集団である。
「何で俺達が獣人ごときに出なきゃなんねぇの?こう、殺るならドラゴンとか龍人とかとやりてぇよな?そうだろ?な?」
この男は六柱の一人、巨人族ゴバドス。
一般的な巨人族の身長が3mに対しゴバドスは180cmしかない。皮膚の色は赤く、目は緑色で爬虫類の有隣目のような目をしている。
「なにいってんの?筋肉だるま。私達じゃなきゃ倒せない奴がいるから出るんでしょ?そのハゲ頭に入れときなさい!」
ゴバドスに答えるは六柱の一人、人間族の少………女性ミレイラ・ロックミルだ。身長150cm程で赤いフード付きのマントを着用し160cm程の杖を片手で持っている。
「静かにしろ!皇帝陛下の御前だぞゴバドス!ミレイラ!俺達六柱は帝国に仇なす下等な獣人どもを滅ぼさなければいけないのだ!下等な獣人風情が俺達人間の真似をし、国家を作るなど万死に値する!獣人など俺達人間の奴隷となってればいいのだ!!」
『王の間』に響き渡る程の大声で自分の主張に熱が入るのは、六柱の一人、騎士隊副隊長のレオンハルト・マッカージだ。帝国貴族のマッカージ伯爵の次男であり騎士隊で2番目に強い。人類至上主義を掲げるバジス帝国の典型的な貴族だ。
「はぁ~、お主ら毎回毎回会議のたびに騒ぎ立てるのは止さぬか」
「よい。宰相、何時もの事だ。それよりレバノンとサバノスは何と言ってきた?」
「はっ、レバノン王国は『我が国は獣王国ファリアスと同盟を結んで居るゆえバジス帝国が進軍を開始するならば此度の戦、戦火に交える事になろうぞ』との事。サバノス宗教国は『獣人族は神が創りたもうた生命。敵対するなど神の意思に反する行為である。全ての生命の敵対者、魔の者を滅するならば助力を惜しまず』と、以上でごさいます。」
「獣風情と同盟を結ぶなど正気の沙汰か!皇帝陛下、私はレバノン王国に進軍することを提案いたします。」と第一皇子レリーフ・ジン・バジス。
「そうよ。あなた。あんな獣と同盟なんて気持ち悪いったらありゃしない。すぐにでも進軍しましょう」と后妃エリア・ジン・バジス。
「落ち着け。レバノンは愚かな事に獣人どもに付くと自ら申しておる。獣人どもを駆逐するついででも遅くは無い。皆の者、心得る様に」
「「「「「「「「はっ」」」」」」」」
「暴れればいっか」とゴバドス。
「はぁ恋がしたい…」とミレイラ。
「この命に代えても!!」とレオンハルト
「「「………」」」他3人。
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東にあるレバノン王国『執務室』ではレバノン王国 国王ルージュ・サン・レバノンが宰相の報告を聞き、後に起こる戦争を危惧していた。
「やはり戦争は避けられぬか…」
「はい。あの国は人類至上主義を掲げてはいますがその実、国の食料自給率が追い付かず獣王国を新たな資源にするために今回の進軍が行われる。とあの国に忍ばせている者から報告がありました」と宰相のレノバス・フォーム・アベルト侯爵。
彼はレグノン大陸では『苦労者のレノバス』との異名で有名だ。それは何故か?
「レノバス。ファリアスとサバノスとの外交はどうなっておる?」
レノバスは報告書を広げながら、
「ファリアスには『帝国の進軍時我が国は獣王国ファリアスに援軍の助力、食料の援助、避難民の受け入れは惜しまず、また同盟国の名に置いて保証すると。』文を送っております。サバノスは相変わらず『レバノン王国は即刻、獣王国ファリアスと同盟を破棄し、獣人を王国から追放されたし。さすれば神の名に置いて国交を再会することを誓おう。』との事です。」と言うと。
国王は頭を抱えた。
「はぁ~なぜ次々ここ何年と連続して問題が起こるのじゃ…」
「そうですな。ここ何年かの問題と言いますと、第二王妃暗殺未遂、魔物の王国襲撃、宝物庫の侵入、ユーキタスの街にサバノスが侵略してくる等、立て続けに問題が起き私の仕事が増える一方です。」
「そ、それはすまないと思っておる…」
王はバツが悪そうに言った。
「そう思っているなら遊んでばかり居ないで仕事をしてください」
宰相は呆れ気味に言った。
「それはアルが誘うから仕方なく…」
「アルフォード公爵は『兄の方から誘うから私は悪くない!!』と言っておりますが」
「……」
王は何も言えなくなった。
「流石に私ひとりで財政、外交、備蓄、騎士隊を総轄するのは限界です。私が疲労で倒れたらこの国は終わりますよ?」
そう。宰相は天才というべき能力で本来、財政のみの仕事を4つも掛け持ちで総轄しているのである。
もちろんそれぞれの部署に文官はいるのだが、文官達を纏める者が『ある事情』によりいなくなった事で宰相に一任されたのだ。
「う、うむ。それについては検討しておる。」
「……」
宰相はこの書類地獄が終わらないことを悟った…
そして、執務室の扉がいきよい良く開かれ、
『バタン!』
「ッ!お父様!!」
「どうしたエミリア!そんなに急いで。はしたな「そんな事はどうでもいいのです!」い………そんなこと…(._.)」
「これは、エミリア王女。どうしました?そんなに急いで?王が落ち込んでいますのでお手柔らかに」
扉から現れた人物はルージュ王の娘、
第一王女 エミリア・サン・レバノンだ。
「あら、レノバス宰相ちょうどいいですわ。大変な事が起きました」
「大変な事?」
「えぇ、先ほど精霊が騒がしいので聞いてみたのですが『神界から何かが落ちてきた』、と」
「!『神界』から、ですか?』
「えぇ『神界』から、です。」
エミリア王女は生まれつき精霊を『視る』事が出来、
1日に5分程ならば会話をする事ができるのだ。
しかし精霊は格が低ければ低い程会話が成り立たないので5分間は勝負だ。
「それはまた…」
「これは何かが起こる前触れかもしれんの」
((復活した!))
「何か、とはなんですのお父様?」
「分からん」
「「……」」
残念な王である。
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南にあるサバノス宗教国『サバノス大神殿』
議会室ではひとりの少年と2人の枢機卿と10人の大司教が話しをしていた。
「サルバ、それで今日の議題は?」
サルバと呼ばれた1人の枢機卿は
「はい。今日の議題は西にあるバジス帝国が北にある獣王国ファリアスへと侵略する動きをみせ、これからどうするかを決めることが議題です。」
「えぇ!それって大変じゃないか!戦争にならない?」
「大丈夫ですよ。バジス帝国に文を出した所、戦争をするのを止めてくれまして、ファリアスと同盟を結ぶとか。「なっ!」ですので何も問題はありません。ルイ様は安心して自室に用意させました菓子をお食べになられてはいかがですか?」
このルイという少年はサバノス宗教国 現教皇
ルイ・エル・サバノス10才だ。
「菓子っ!……そ、それなら安心だね!エルテ?どうかした?」
エルテと呼ばれたのはもうひとりの枢機卿だ。
エルテはサルバの方を見てから
「い、いいえ何でもございません。」
「?そっか。じゃあ後は任せるよ。僕は自室でか…勉強してくるよ、 サバノスをもっと良くするためにね!」
「それはいい心がけでございます。ごゆるりと。」
(菓子~!菓子~!)
幼い教皇は、か…勉強するために自室に戻った。
エルテはルイ教皇が部屋を出たのを確認してサルバ教皇に問い詰める。
「サルバ!ルイ様に言った事はなんだ!あの国が戦争を止めて、ファリアスと同盟を結んだ?!何を言ってるんだ!」
「エルテ、まぁそう怒るなこれは全てルイ様のためだ。」
「ルイ様のため、だと?」
「そうだ。ルイ様は1週間前に前教皇陛下シルバ様がお亡くなりになったばかりだ…そんなルイ様に辛い報告をしなくても良いであろう?」
「ッ!しか「エルテ、お前はルイ様を悲しませたいのか?」…し」
「これもルイ様のため。国のほうは我々が死力を尽くせば良い。」
エルテはうつむき、しばし考えた。
「…そうだな。何もルイ様を悲しませる事はない。我々が努力すれば良いだけの事だ」
「分かってくれたか。では今回の議題だが…」
この時エルテが顔を上げ、サルバが笑うのを目撃していればこの後に起きる出来事を回避出来る可能性があったかも知れないがそれはまた別のはなし。
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レイグノ大陸の何処かに存在すると云われる精霊界への入り口『門』の近くでは精霊達が遊んでいた。
『ウフフ~きょーうはなっにをっしよっかな~♪』
『かけっこする~???』『かくれんぼは~??』
『まぞくみにいかない?』『え~まじょく~??』
『まほうのれんしゅうしない~??』
『『『『『まほ(ぉ)う!!』』』』』
『まほうをつかえるようになってじょうおうさまにほめてもらうんだ!!』
『『『『『!!』』』』』
(((((ほめられ(ぇ)たい!)))))
『じゃーぼくはひを!』『わたしはかぜを!』
『ぼぉくはみじゅを!』『ぼくはつちを!』
『ぼくはやみを!』『わたしひかりを!』
精霊達は各々自分の魔力半分異常使い、自身最高の極大魔法を発動させた。
『『『『『『えい!』』』』』』
『ボアっ!!!!』木々が焼かれ、
『ブォー!!!!』竜巻が起き、
『ザァー!!!!』雨が降り泉ができ、
『ボコッボコッ!!!』岩が突起し地盤が不安定に、『シュー!!!』霧が湧き出て、
『ピカッ!!!』その場を害ある者には見えなくした。
その場所は見渡す限り花畑であったが、今現在は
戦闘が行われたかの様に地形が変わってしまった。
『『『『『『………』』』』』』
その時、神界から何かが落ちてきたのを精霊達は
見かけた。
『あっ!おそらからなにかおちてくる!』
『ほんとだ!』
『でもすけてない?』
『すぇてる!』
『にんげんっぽくみえるけど…』
『じょうおうさまにしらせよう!』
『『『『『『そうしよ(ぉ)う!』』』』』』
精霊達は今までのことを無かった事にした。
次回は日曜17時頃投稿予定です。