俺って凄いんだ…
「はっ!」
刃は考える事を放棄した。
「やっと気付いてくれましたか」
「長かったの~2時間も考えにふけるとは」
(そろそろエルサレムスが限界だったので良かった)
アリテリポスは安堵した。
「え、えーと、ここはその~何処ですか?」
「ここはあなたの居た地球世界とは別の世界にある異世界、エニポウィリスにある神界と呼ばれる場所です」
「そして私が地球世界の神、アリテリポスです」
「わしがエニポウィリスの神、エルサレムスじゃ!エルじいさんと呼んでくれ!」
「………」
「「(ジィー)」」
「!俺、いや私の名前は南雲刃といいます」
「そうですか!良かった。人違いでは無いようです」
「それでどうして私はこの神界?に居るんでしょうか?」
「それは、わしたちがおぬしをここに呼んだからじゃよ」
「呼んだ?」
「うむ。正確には精神体を、じゃがな」
(全然体あるけど)
「エルサレムス、きちんと説明しなさい」
「えぇーめんどくさいの~アリテリポス、任せるのじゃ」
「『任せるのじゃ』じゃないでしょ!まったく」
残念神は今日も平常運転だ。
「すいません、では説明をさせていただきます」
「は、はいお願いします」
「刃さんをここに呼んだのはお願いがあるからなのです」
「お願い…ですか?」
「はい、そのお願いとは刃さんに異世界、エニポウィリスに行って貰いたいのです」
(マジか!マジなのか!!ゲームやファンタジー小説での定番!異世界転生!!)
「それは、転生って事ですか?」
「いいえ。刃さんは死んではいません。」
(ん?)
「雷に打たれたような気がするんですが」
「はい、確かに刃さんは雷に打たれました。しかしあの雷はただの雷ではありません。普通の雷ならば刃さんは死んでいたかも知れませんがあの雷は刃さんを神界に呼ぶ為のいわば、原子時空異動操作装置略してアトムでここ神界にお呼びしました。今こちらにいらっしゃるのは刃さんの精神体です。ちなみに刃さんの体は世界を隔てる虚空に一時的に引っ掛かり、エニポウィリスへと異動している最中です。」
「そーなんですかー」
(驚いた…自分が神様に会えるとは…しかもこんな超絶美人!!人生何があるかわかんないね!)
「それでエニポウィリスって所に行くのは分かったんですけど、なにか使命みたいなのってあるんですか?」
「いいえ何も「ありません」「ないぞ」」
「え?」
「お主の好きにしていいぞ、こちらからは何にもいわん」
「じゃあなんで私を呼んだんですか?」
(意味が分かんない。ここは「魔王を倒して欲しい!」とか「苦しめられている種族を助けてやって欲しい!」とかがテンプレなはずだ。)
「そ、それは……(‘ー‘)」
「エルサレムス、ハッキリしなさい」
「そ、そのぉーわざとじゃないんじゃぞ?世界を創造した後、細かい事決めんのめんどくさくなっての~あやつらに任せたら……あやつら喧嘩し出したんじゃ…自分の創造した生き物で争い始めて………
わしは言ったんじゃぞ!争うのは止めろと。じゃけどあやつら「「より良い世界にするためには必要な事なのです」」って…終いにはドラゴンも「あんなのに勝てる訳ないじゃないですか!!」ってわしの元から離れて行きよった…(T-T)」
(神様…それはあんたが悪いよ…)
「それでじゃ、見ぬふりをしたら喧嘩止めてくれるんじゃないかの~と思って60億年位見ぬふりをしてたらじゃ…まだ喧嘩しとって…しまいには世界を隔てるボイドに影響がでてヒビが入ってしまっていての、このままじゃ世界が消滅してしまうのじゃ…」
(60億年もなんで見ぬふり出来んの!?ボイドにヒビって…大問題じゃん!え?下手したら地球もじゃん!)
「そこでエルサレムスが私に助けを求めて来たのです。最初は自業自得なので断ろうかと思ったのですが、エニポウィリスに隣接している地球とのボイドにヒビが達するかもしれないので(しょうがなく)協力することにしたのです。そこでヒビを直すには潜在値が高い人を地球からエニポウィリスに連れて来れば潜在値の高さによって、ヒビが修復する事を他の神に教えて貰い潜在値が高い刃さんをお呼びしたという訳です。」
「その潜在値ってなんですか?」
(段々込み入ってきた…)
「そうですね。潜在値とは人が誰しも持っている可能性、みたいなものです。例えば刃さんが野球をしようと思い練習したとします。ここで刃さんの野球に対する潜在値が0であった場合、野球を練習すればするほど潜在値が上がっていきます。そして潜在値の上限値の100まで上がり切った場合、刃さんはプロ野球選手なみの技術が身に付くのです。
あ、それと私のことはアリちゃん♪とよんでくださいね?敬語もやめていつも通りでいいですよ♪」
「は、はぁそれでその潜在値がわ(ジロ)…俺は高いのか?」(女神怖い…)
「えぇ何故か刃さんの潜在値は全て上限の100なんです。潜在値によると運動神経抜群、頭脳明晰、と完璧なんです!!」
「!それは何かの間違いなじゃないか?俺はそんなに凄くはないが…」
「ところが間違いないじゃないんじゃなこれが。(復活した!!)普通の人間ならば何かしらの偏りがあってもいいはずなんじゃがの~??」
「ゴホン!それはとにかく、行ってくれるかな?」
(ワクワク)
「い、行く、どんな世界なんだ?じいさん」
「なんじゃ「いいとも」とは言ってくれんのか…」
(わしには敬語なしか…)
能天気な神である。
「それでは今から行ってもらう世界には魔法と魔力がある」
「おぉ~!!魔法!魔力!」
「それとおぬしにはチートはやらん。」
「えーー!!!なんで!おかしい!」
「何もおかしくはありゃせんわ。お主はもうすでにチート持ちじゃろが」
(何いってんだこのじーさん)
「不思議におもってとる顔しとるの、お主はすでに全ての潜在値が上限の達してるんじゃぞ。一度剣を振るえば超人並みの剣術を取得出来るわ、一度魔力を自覚し1つの魔法を使えばその系統を全て使えるんじゃぞ。まったく本当に人間なのか疑問じゃ」
(イラ)
「そうか…チート持ちか…」
(なにこれめっちゃ嬉しい!)
「もうそろそろお主の体がエニポウィリスに到着するころじゃ。到着してししまえば精神体を何時までも神界にとどめておくことは出来ん。それとお主の体の横に3日分の食料と金、メモを袋に入れといた。死なぬ様にガンバじゃ」
その時刃の足元に直径6mの穴が空いた。
「え!ちょ、ぅぁぁぁぁーーー」
刃は下界にある自分の体に落ちていった…
「エルサレムス?説明しなかったでしょ?
下界にいる魔王のことや、神界から落ちたことで光や闇たちに狙われること」
アリテリポスは呆れ気味にいった。
「いわん方がいいじゃろ。何もしらずに済む。それにいっても言わんくてもどのみち避けることの出来ない問題じゃ」
こうして刃の新たな生活が始まった。
???「!!今、何か聞こえなかった?」
???「?何にも聞こえなかったぞ?空耳じゃねえの?」
???「そうかな~?確かに聞こえたんだけどな~?」
???「早く食べないとなくなっちゃいますよ?」
この後に起きる出会いで3人の運命は大きく変わる事になるがそれはもう少しあとのお話し。