え?これって拉致じゃね?
俺、南雲刃はあついのが嫌いだ。
熱いのも、暑いのも。
しかも今は夏だ…クーラーの聞いた部屋で1日中家に居たい。だけど酷い事に学校と言うなの地獄に行かなくてはならない。
学校は宮城県西部にある(田舎と言っていいんじゃないか?)高校だ。教室にはエコを掲げて扇風機も無い!!俺は言ってやりたい「校長!エコは分かりますけど扇風機はいいじゃないですか!」ってね。
だけどコミュ症な俺はそんなことは言えるはずも無くせいぜい喋れるのは家族か中学の同級生それとコンビニの店員位だ。それに学校に行っても喋る機会なんて全く無い。むしろ一言も喋らない日だってある。それに頭はいいほうじゃないし、運動だって出来ない、せめて顔だけでも!って毎日神様に祈ってる。
「はぁ~、何か面白いことないかな……ッテェ!」「何、飯食ってる時にぼー、としてんだ学校遅れるぞ」 と俺の耳をひっぱったのは父親の南雲龍助52歳だ。会社員をしてる。
最近歳のせいか髪の毛が白髪になりつつあり顔が怖いのにさらに怖くなっていく。そういえば食事中だった、考え事をすると周りが見えなくなるのは悪いくせだ。
「はいはい、わかりましたよ」
「ぼー、としてるから学校で友達出来ないんだぞ」
「なっ!それは違うし!高1の入学したてから半年間の仲良くなろうね期間に出遅れただけだし」
「はぁ…我が息子ながら恥ずかしい」
「……」何も言えない。
ふと時計を見ると7時14分、バスは7時20分だ。
家からバス停までは走っても10分は掛かる。
「やっばぁ、バス!!」
俺は食べていた米と味噌汁を無理やり口に詰め込み鞄を持って外に出た、とそこで大事なものが無いのに気づいた、ケータイが!!
しまった…昨日机の上に置いたんだった…
今俺は玄関に居る、そしてケータイは2階の奥の部屋(つまり俺の部屋)だ、どうする…取りに行くか?ケータイは俺の孤独を紛らわせてくれる神器だ!
だけどこのままだとバスに乗り遅れる!
お、俺は……
ケータイを選ぶ!待ってろ!俺の神器!
・
・
・
・
・
てなわけで俺は今学校への道を歩いている。
バスは学校前に8時25分に着くが
今の歩行スピードだと10時は余裕で過ぎる…
だからといって俺は急がないぞ!
こんな暑い中走るもんか!
刃がそんなことを考えている時。
バチッ!バチッ!バチッ!
その時刃の図上から音がした。
「ん?」
刃が音に気づき上を見たと同時に上空1000mから
白い雷が落ち、刃に当たった。
白い雷は1秒にも満たない時間存在し、消えた。
そして雷が消えた跡には刃の姿は無かった。
・・・神界・・・
そこには二人の人物がいた。
ひとりは金色のロングヘアーに身長170cmはある女性。顔立ちが良く地球ではモデルをしていると言われてもおかしくはない程の美人である。
『あら、ありがと♪』
………。
もうひとりの人物は身長150cm位あるかの老人である。白髪白髭が目立つ70歳位の老人に見えるが中身は子供である。
『誰が子供じゃ!』
………。
この女性、名前は地球世界の神アリテリポスという。
老人の名前は異世界の神エルサレムスという。
この二人は今、この神界である青年を待っていた。
『全く、おっっそいの~何時になったら来るんじゃ?』
『しょうがないでしょう?ここ神界と下界は時の流れが違うのですから。』
『え~~じゃあ待ってる時間もったいないから帰っていい?』
『いいわけないでしょ!!誰のせいで待ってると思ってるんですか!』
『……誰?』
(イライラ)
『エルサレムス…あなたのせいです!』
『おお、そうじゃった!』
残念な神である。
『もうそろそろ来ますよ』
『よし!威厳を見せないとじゃ!』
(威厳なんてないでしょうに…)
その時目の前の空間が歪み、淡い光を放ちながら
南雲刃は現れた。
「!!!痛っ!くない?」
刃は目を開けて頭、腕、足をさわっていく。
「五体無事??雷に打たれたよな??」
刃は状況が分からず考えに没頭した。
(俺はさっき学校に行く途中だった…それで雷に打たれたよな?待てよ?あれは雷だったのか?俺の妄想、ゆめ幻覚の可能性が無くはない。それに本当に雷だったとしても俺は死んだ可能性がある。てことはここは死後の世界?天国?三途の川?だけど目の前にいる超絶美人とじいさんは何だ?え?何?俺誘拐されたの?拉致?駄目だ全くまとまらない)
刃の悪いくせが出た。
「え?何?わしたち無視されてんの?」
エルサレムスはショック気味にいった。
「違いますよ。突然の出来事に戸惑って考えに没頭してるんですよ」
アリテリポスは刃を神界に招く前に刃の性格、政治思想、宗教思想、刃の事を全て調べ上げていた。
「それにしてもいつまで考えてるのかの~?」
「そうですねもうかれこれ1時間は考えていますね」
「まだかの~」
「気長に待ちましょ」