表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
繋がりの唄―chanson―  作者: さくら彩音
〜第1章〜
7/36

武器を手に

※マナを通す鉱石の名前を決めていなかったのですが、精霊石(ラルム)という名前にしました。

なので、話は変わっておりませんが一部編集しております。



「選べ」


 目の前にはたくさんの武器。ランカスター家の武器庫はかなり充実しているようだ。魔獣狩りをしているのだから、当然なのだが。




 昨日から一日たち、今日は異世界に来て二日目。朝ごはんを食べた後、ユートに連れてこられた。

 これから練習する武器を選ぶためだ。


「いっぱいあるんだね。うわっ! 剣って意外に重い……」

「それ、軽い方だぞ」

「うそ! これで?!」

 確かに細身の剣だが、想像していたのより重い。これを使えば明日には筋肉痛が待っていそうだ。

「他にはなにかないかな?  ……あ! こんなのもあったんだ! わたしこれにする!」

「弓?」

 百合菜が選んだのは弓矢だった。

「実は弓道部に憧れてたんだよねー。かっこいいし! でもこの弓は少しだけ小さいのね。弓道部が使ってたやつはもっと大きかった気が……」

「きゅうどうぶ? なんだそら。まあいい。それにするのか?」

「うん!」

 ユートの問いに、百合菜は笑顔で頷いた。


「じゃあその弓の説明だ。これはどの武器にもいえるんだが、基本俺たちが使う武器には、精霊石(ラルム)と言って、マナの力に反応しやすい鉱石がついている。そいつにも持ち手と両端の先端についてるだろ?」


 ユートに言われて弓を見ると、確かに三ヶ所にキラキラとした石がついていた。


「マナを流さずそのまま使うこともできる。だが精霊石(ラルム)にマナを流すことで、威力を高めることができる。まあ他にも応用で様々なことができるが、最初は威力増幅くらいでいいだろう」

「へー! でもマナを流すってどういうこと?」

「まあやってみるのが早いな。見てろ」


 ユートはそう言うと、剣を抜きマナを流す。すると先程までただの剣だったのが、炎を(まと)った剣に変わった。


「凄い……」

「流すマナの量で威力も変わる。炎を纏えばかすったとしても、相手を燃やすこともできるし、火傷を負わしたりも出来る。お前の場合、なんでも使えるみたいだし、使いようはいろいろあるな」

「なるほど。武器にマナを流すことによって、いろいろな属性の効果が得られるってわけね」

「気をつけるのは、自分の限界以上のマナを使わないことだ。マナを使うには精神エネルギーが必要になってくる。休みもせず使いすぎると死ぬぞ」


 ――死ぬ? マナを使うのはリスクがあるのか……。


 百合菜が固まっていると、ユートが吹き出した。

「ふっ……心配しなくても普通その前にバテる。お前はマナの量も多いみたいだし、心配することないだろ」

 ユートの言葉に少し安心する。そこでふと疑問が浮かんだ。

「ねえ、マナは武器に流さないと使えないの?」

「いや、単体でも使える。こいつを身につけていればな。精霊石(ラルム)の指輪だ」

 ユートは指につけていた指輪を見せた。これはそのためのものだったのか。


「ただそれだけで使うとなると、必然的に範囲が広くなる。武器を経由するより消費が激しい。もちろん使えたほうがいいが、多用はしないな」

 相手にもよるが、と言いながらユートは剣をしまった。

「んじゃ練習、始めるか」

「うん!」


 頑張ろう。出発の予定は一週間後だ。早く上達しないと。

 弓を握りしめ、百合菜は意気込んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ