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如月鈴香

今回は調整のため描写みじかめです!次回も調整のため描写みじかめにします!





忍田さんが部隊を動かし作戦を遂行した翌日、俺たちは結局忍田さんがフードの人物を逃がしたと伝えられた。その報告には俺を含む全員が驚いた。あの忍田さんの力をもってしてもフードの人物を逃がしてしまったのだ。



だが俺はその事よりもはるかに気になることがあった。それは俺の幼なじみ如月鈴香の居場所だった。



鈴香は学校を休むことを極端に嫌っていたし鈴香は真面目だった。そして何より不可解なのが咲神が死んだ時期と鈴香が居なくなった時期が一致していたことだ。



「鈴香・・・・・」



現在、俺は保健室にいた。今は3時限目。通常授業のため今は愛梨も冬木もいない。ずっとベッドの上でゴロゴロしていた。いわゆるボイコットってやつだ。暖かい日差しが俺の身体を包み込み激しい睡魔が俺を誘う。



「なんでこういうことって俺の身の回りにおこるかね」



誰もこの問いに答えられるものはいない。ここには誰も居ないのだから。いたとしても冬木や愛梨には絶対答えられないだろう。忍田さんだったら答えられたかな。




りょうすけ・・・・




「れいか!?」



頭の中に鈴香の声がよぎる。そしてその声は頭の中でこだまする。



「鈴香!!どこだ!!」



この校舎にいないはずの鈴香の声がした。頭の中に。だが俺はだが俺はなにかにとりつかれたかのように窓を開けて身を乗り出す。


辺りを見回すとふいに何者かの気配がした。右のいつもの俺と鈴香が会っている草むらのほうだった。



「鈴香!!」




俺の腰以上の高さがあろう窓枠を手を使ってジャンプして乗り越える。



草むらの中を必死になって走る。靴が泥だらけになりながらも必死に走り抜ける。



そしてついに一人の影が見えてきた。



「りょうちゃん・・・」



聞こえてきたのはお祭りのときのあの昔の呼び名。森を抜けたさきに立っていたのは鈴香だった。その表情はすこし落ち込んでいるようにも思えた。



「鈴香・・・さあ早く学校に戻ろう!」



鈴香を学校に戻るようにたしなめる。だが鈴香は下にうつむきそしてゆっくりと横に振る。



「だめ・・・私は戻れない・・もう・・・」



その言葉に続きはなかった。だがそのあとまた頭の中に言葉が過る。




おそいの・・・・。と




「がっ!」



その瞬間俺は何か太い丸太に殴られたような衝撃を腹に受け吹き飛ばされてしまう。



俺はそのまま転がり壁際に激突し激しい痛みに教われる。だが前にも何回もこの痛みを味わっているためすぐに態勢を立て直す。



ここにきて俺は言いたいことが一言だけあった。



「・・・どいつもこいつも俺を吹き飛ばすなァ!!!!」



キレそうです。




鈴香の方に視線をやると鈴香の回りには透明な何か(・)が浮かんでいた。決してハッキリと見える訳ではないのだが完全的に見えないという訳でもない。何かが鈴香の身体を回っている。




「鈴香・・・それは?」

「答えられないわ・・・」



鈴香は静かに答える。



「ただ一つ答えるとしたら、それは世界の(・・・・)かしら」

「は・・・?はんだよ、それ」



「じゃあね。りょうちゃん。もう会うこともないわ」

「ふざけんな・・」



俺は懐から護身用として装備していたm92fを取りだし鈴香に銃口を向ける。俺は怒りに翻弄されていた。



「灯は死んだ・・・」

「・・・っ・・!」



この言葉に鈴香は少しだけ動揺したようにも見える。どうやらこの化物のお嬢さんにも同情という感情は残っていたようだ。



「なんで俺の回りでこういうことが起きるんだ・・?灯と咲神に続いてこんどは鈴香かよ!鈴香まで俺のところから去っていくのかよ!!」

「咲神は知らないけど灯ちゃんはりょうちゃんが守れなかったんでしょ?あなたの力が無いせいで」



この言葉に俺は頭の中で何かがはじける。



「テメェ!!!」



思い切り引き金を引こうとするがそこで一気に視界が黒く染まっていき腹には激痛が走る。今までに受けたことのないほどの激痛だった。そのまま俺の視界は黒く染まっていった。その消え行く視界の中で鈴香の顔がハッキリと見えていた。


鈴香は泣いていた。



俺の視界が完全に黒く染まっていき意識を失った。














「うっ、」



激しい光が俺の視界に射し込み目を覚ます。気がつくと俺はベッドの上にいた。保健室の部屋だった。


何か俺の腹の上に何かが乗っている感じがする。



「あ、先輩おきました?」



腕を俺の腹の上に腕を乗っけていたのは結城だった。俺が怪我をしてすっとんで来たという。



「お、おはよう」

「おはようじゃないですよぉ」



結城は目に涙を浮かべて俺をジっと見つめる。



「先輩ってほんとにケガすると好きですよね」

「いや、好きでケガしてる訳じゃないんだけど」



この会話を気にしばらく無言の状態が続く。とても気まずい感じが部屋に広がる。



「ちょっと手を貸してくれ」

「え?あ、はい」



結城は俺の左手を肩に回し抱える。あの後の酷い激痛とショックで足がガクブルでとてもたてそうになかったからだ。



「どこにいくんですか?」

「ああ・・・聞かなきゃいけないことがある」











「で?それを私に聞きに来たと?」

「そうです。世界の鍵の話を聞かせてください」



現在は理事長室。俺は忍田さんに色々な疑問をぶつけていた。結城ちゃんは今まで陸上部として活動してきていたため頭に?を浮かべている。



「あの、ボク外した方がいいですか?」

「いや、いいよ。楽にしていてくれ」



座っているように結城に促すと忍田さんはゆっくりと話始めた。



「感染者には少なからず理性が存在する。ほんの少しだが」


「理性?」


「とはいっても物事を理解することは到底できんがね。だが記憶力は少し残っていたようだった。その記憶を利用して我々は感染者を操る力を研究していた。そしてその力は脳の中枢神経に作用し記憶を操り感染者を思いのままに操る」

「な、なんか話についていけません」


「そして最終的にはその力をを使い感染者の首の神経を破壊し活動を停止させるということを理想としていた」

「これが、


世界の鍵だ。



「鈴香はそのこといち早く気付きそれを盗んだんだ」



だから鈴香は変なモヤモヤのことを世界の鍵と力と言っていたのか。少し納得した気がする。



詳しく話を聞いたところこれを人間がとってしまったら(奪い方後々紹介)体が変異してしまうらしい。それがモヤモヤの正体だったのか。



「この事はまだ誰にも言っていないことだが」

「そうなんですか?」



忍田さんは黙りこむ。これは中々人には言えないだろう。それにこの事を公表することは決して間違ってないとはいえない。




「倉見結城君だったかな?」

「え?あ、はい。なんでしょう」



総帥は結城をかるく呼び止める。何を話しかけるのだろうかと少し気になる。



「20日後にある作戦が始まるんだがその前に作戦関係者のみにワクチンを投与しているんだがもしあれなら君もワクチンを投与するか?」



ワクチンの話だった。人類全員にワクチン投与をするつもりらしいが作戦関係者家族や親戚は投与当日より前に投与するらしい。



「受けとけよ?」

「うーん。先輩がそういうなら・・・」



結城は注射が大の苦手だった。だが良介に流され渋々了承した。







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