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絶望の中で光る




この日壁の中の全人類が驚きを隠せないニュースが流れた。それは俺たちも驚くほどの大ニュースだった。それは・・・・



《ワクチンの開発》



なんと外にうろついているやつらの仲間にならないためのワクチン、いわゆる抗ウィルスが開発されたのだ。これは西田さんが一週間徹夜付けにしてやっと開発した物だった。そして今大量生産に移っているというのだ。 人のなかには歓喜するものとなぜもっと早くできなかったのかという苦情で溢れていた。



だがその事実を真っ先に知らされたのは俺達三人だった。忍田さんがわざわざ各三人の家に周り呼び掛けていたのだ。




そして今俺達は理事長室にいる。どうやら忍田さんがある作戦を一ヶ月後に始めるらしい。その作戦は過去最大規模でこれで世界が救えるか救えないかがかかっているという。今後の説明を受けるために理事長室に呼ばれたらしい。今この部屋には俺達と忍田さんがいる。



「みんな。遅くなってしまってすまなかった。西田さんが居なければ抗ウィルス剤を作れなかったんだ」



忍田さんは椅子から立ち上がると頭を深く下げ謝罪した。7秒という長い間ずっと頭を深く下げていた。



「忍田さん!?頭を上げてください!」

「そうですよ!逆にあたしらが下げるべきなんだ!」

「そこはなんで?」



冬木の冷めたツッコミ。それに忍田さんはしずかに笑う。その様子を見ていた西田さんもガハハハハ!っと大きな声でわらう。



「君たちには話しておくことがある」

「なんですか?」


「一ヶ月後に始める作戦についてだ」

「作戦??」



一ヶ月後に始める作戦ってなんだろう。しかも俺達に話すとなると結構大規模な作戦になるのか?それともそれほど重要なもんなのか?



「一ヶ月後、陸、海、空軍全ての戦力を総動員にして壁の外側及び感染者の掃討にかかる。そして抗ウィルスの開発に成功した今そのウィルスをミサイルに搭載して地球上の至るところに発車する。このミサイルから出る青い煙を感染者が吸うとたちまち弱り死に至る」

「おお!」



冬木、愛梨が驚いたような声をあげる。ここの戦力は地下にもあるし戦車に攻撃ヘリ、ガンシップ、ジェット機、爆撃機。etc。ここにはありとあらゆる兵器が集結している。



「そして先日、君たちが話していた件だが」



話したこととはついこの前俺を襲ってきたローブを身にまとい瞬間移動をするやつのことだ。このことを忍田さんに話しておいたんだ。



「現在その男の行方を追っている特殊部隊がやつを発見した」

「まじですか!?」

「そして奴は今こちらにむかっている。奴をこちらの陣に追い込みたたく」

「どうやってですか?」

「私が出る。問題ないだろう」



あ、そうだった。この人も化け物だった。



「後で君たちに報告するから自宅で待機していてくれ」

「はい」



そういうと準備があるためか忍田さんは立ち上がり俺達の横を静かに通り過ぎていく。そして扉が閉まる音が聞こえて足音が遠くなっていった。



「じゃあ・・・みんな帰りますか」

「俺の家にくるか?」

「お!いいねぇ!りょーの家にはカップ麺たくさんあるかるなー」

「カップ麺目当てなの?」



笑い会う三人。その光景を西田さんは一緒に笑いながら見ていた。そして三人は扉を開けて理事長室から出ていった。出ていった扉を西田さんはしずかに見つめている。



「ローブの人物か・・・。はて?どこかでみたような?」









6時30分

壁内の森の中

忍田率いる特殊作戦部隊



ここは壁内のほぼ中心にそびえ立つ山のふもとの森。明るかった町並みもすっかり森に遮られ闇が支配し虫の鳴き声が響きわたっていた。その森の中に忍田さん率いる特殊部隊がフードの人物を狙っていた。忍田さんは黒いコートと日本刀というスタイルだった。



『目標捕捉。100mB地点』

『まて、指示するまで発砲はするな。サプレッサーを装備』



二人の隊員が左右20m感覚で100先の木の上にいるフードの人物を仰向けの状態でm14を構え狙っていた。



「全隊員配置につけ。目標パッケージ3-1-0-2。俺が合図する」



隊員がつけているインカムという通信機器で連絡を取り合う。隊員たちは狙撃たちをのぞいて全部で5人。それぞれがフードの人物を囲むようにしてライフルを構える。



「撃て」




一人の狙撃隊員がフードの人物を狙いm14の引き金を引く。サプレッサーにより音が軽減されほとんど聞こえないなか弾はフードの人物めがけて発射された。




だがそんな簡単にはいかなかった。フードの人物めがけて発射された弾丸はいとも簡単にフードの人物に避けられてしまう。




『ちっ!化け物か!あいつ!』



一人の突撃隊員がm4a1カービンを乱射する。これにはサプレッサーは付いておらず銃声が森の中をこだまする。だがこれも当たるはずもなく、フードの人物は一瞬で移動し隊員を蹴りあげる。




「がはっ!」

「君たち下がっていたまえ」




忍田さんは草むらから体をゆったりとだすと日本刀を居合い術のように体勢をひくく構えて柄を握る。



「・・・・やばいな」



忍田さんから放たれる殺気と実力に気づいたのか木の上から飛び降りる。飛び降りた瞬間ゴウッという鈍い音が走り辺り一面の森の木が切断される。それをみた特殊部隊の隊員たちは全員しり込みをしてしまった。



『バケモンかよ・・・あの人・・ていうか目標もいないし』



しり込みをしている間に忍田さんとフードの人物はいつの間にかどこかへ消えてしまった。







山の山頂




「はあっ!」


山の山頂。一瞬にして移動した忍田さんとフードの人物は刃と拳を交えていた。



忍田さんがフードの人物に一気につめより刀を下から上へと振り上げる。フードの人物はそれをギリギリで回避し右足で回し蹴りを繰り出す。刀が振られた後にはやはりゴウッという鈍い音が走る。忍田さんはフードの人物から距離をとった。




「貴様、何者だ?」

「・・・・・・・」




フードの人物は黙ったままだった。そして得意の瞬間移動をして忍田さんの目の前に移動する。




フードの人物はそのまま右拳を忍田さんにものすごいスピードで繰り出す。忍田さんはそれを左の脇の下に挟み思い切り左にひねり引き寄せる。




体勢を崩したフードの人物はそのまま刀に切り裂かれると思いきや忍田さんの刀を素手でつかむ。




「この常人ならざる力、やはりあのウィルスの力か」

「お前が知る必要はない・・」




ギラギラと両者にらみ会う。だが先に動いたのはフードの人物だった。左足で忍田さんの右足を突いて払い瞬間移動で忍田さんと距離をとった。



「何故、良介君を狙った?」



忍田さんは刀を納め居合い術の構えをとる。フードの人物はそれを黙って見ているままだった。



「貴様の正体を拝ませてもらうぞ」



一閃



一気に刀を抜刀する。抜刀した軌道上に光の筋が現れもの凄い音と風をはしらせる。光の筋は木々を切り裂き大きな樹木が次々と倒れていく。森の中に大きな爆発音が鳴り響く。



「瞬間移動の使いすぎだ!

「・・・・!!」




忍田さんもフードの人物が瞬間移動してきた瞬間、自身も一瞬で後ろに周りこみ刀をフードの人物めがけて上から下へと音速の如く凄い早さで降り下ろす。




「・・っ!・・」





この音速の早さで降り下ろされる斬撃をかわしきれずフードの近くに直撃し被っていたフードが吹き飛ばされる。そして見えなかった顔が明らかになる。そこから現れたのは・・・・




「貴様は!!」




現れた顔に忍田さん自身もびっくりしたようだった。そいつ、いやその男は・・・・。




「じゃあな・・・」




男は一瞬にして風の音と共に姿を消した。忍田さんはその男の後を追わずにその場に立ったままだった。夜の風が吹き付けるなか忍田さんはずっと夜の星空を眺める。




「まさかやつだったとはな・・・これは良介君に知らせてはいけないな」













「うーし!いちぬけたぁ!!」

「また愛梨かよー」




三人は俺の家の俺の部屋で三角形になりながらババ抜きをしていた。人数が居ないため早く終わってしまうしこれで7回目に入っていた。この内の5回が愛梨が勝ち越していた。




「愛梨はつよいね」

「冬木が弱いんだよー!」



ほとんど負け続けの冬木に向かい愛梨は吐き捨てる。冬木は決して怒ることはないがそれでも悔しい顔もする。冬木はもっていた二枚のカードを床に置いてドっとふかふかした床に寝っころがる。



「良介ちょっと寝るよ~」

「風ひくなよー」



冬木は疲れたのか身体を丸くして目をつむり眠りについてしまう。最近はずっと動きっぱなしだったから疲れが溜まっていたのだろう。すぐにスースーという寝息が聞こえてきた。



「なあなあ鈴香みないよな」



愛梨はトランプを床において冬木と同じく寝っころがる。



「まあ、あいつは如月家のお姫様だからなそれなりに時間がねえんじゃねえの?」



正直おれも鈴香がなぜ学校に姿を表さないのは検討がつかなかった。あいつはボンボンだから出席日数かなり気にしてたしそれは親も同じだった。ボンボンというのは休むのはあまり好ましくないようだからな。



「あいつ・・・今なにしてんだろうな」

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