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届かなかった想い

どうと皆さんおはこんばんにちは!マクミランです!紹介はありません!

届かなかった想い



・・・・ちゃん!



誰かの声が聞こえる・・・。優しい声だった。誰かが、俺の事を呼んでいる。寝ているのか?だが周りが熱い・・・・。ここは・・・。




「お兄ちゃん!!」

「・・・はっ!!」



突然行きを吹き帰したように体を上げる。そして辺りを見回す。



「お兄ちゃん大丈夫!?怪我してない!?」

「あ、ああ。大丈夫だよ」



目の前に居たのは妹の椎名灯。両膝をつき、前のめりになりこちらを心配そうに見つめていた。そして俺達の周りには鉄の壁で塞がれていた。これは?

導線や機械が入り交じりそして火花を散らしていた。



「灯・・・これは?」




鉄の壁をパンパンと右手で叩く。灯はそれを見て




「ヘリが落ちたんだよ。これって、ヘリコプターの床だよ?」




灯が上を見る。上からは棲んだ空が見えた。そして地面はアスファルト?いや、硬い土だな。窓ガラスを見る限りだとどこかの空き地に落ちたみたいだ。




「くそ・・・。灯。他の人たちは?」




俺の問いかけに灯はうつむき静かに左右にクビヲ振る。どうやら他の人たちは・・・・・。




「ひとまず上に登って脱出しようよ。お兄ちゃん、ハンドガンは持ってるよね?」




灯は後ろの腰のポーチからハンドガンm92fを取り出す。それを見た俺の腰には・・・・無い。だがその代わりにサバイバルナイフがポーチから出てきた。




「じゃあひとまず大丈夫だね。でよ?」

「ああ」




灯は体が軽いだけか、身体能力が高いのか自分より遥かに大きな壁を一度跳躍して腕がかかるとこに腕をかけて、そのまま反動で登りきってみせた。おお。なんという身体能力。




「はい!お兄ちゃん!」




灯がニコッと顔を向けそして手を差しのべてくる。俺もそれに甘え、跳躍して手をつかみ反動でヘリの側面、現在は上になっているがそこに出ることができた。ヘリコプターからは所々火花が散ってもう使い物にもならなくなっていた。




「ヘリのエンジンの煙幕で何も見えないね」




ヘリのエンジンから黒い煙が辺りを包んでいた。そしてこの黒い煙は上まで立ち上ぼりちょっとしか空が見えなかった。この空気を吹き飛ばすものは何もなくまずこの煙幕中をでなければいけない。だがここで一つの問題が発生する。



「やつらって何に反応してくるんだっけ?」

「ゲームとかだと匂いとかだけど基本やつらは本能でよってくるね」



なるほどなるほど、本能か。というとこの場合人を目で判断とかするわけだなあと音とか。奴等はいつ突然変異してもおかしくないからな。ミュータントとか、新型とか、飛行型とか。




「行けるともうか?」

「確か・・このエンジンて有害じゃないから大丈夫だって、忍田さん言ってた」



なるほど忍田さんが言っていたやら安心感が湧いてきた。耳にくっつけていた通信器機もどこかにすっとんでしまったようだ。はやく連絡をつけないといつまでも生き残ってられる訳ではない。



「行くしかないな」

「うん!」




灯はハンドガンの残弾を確認するとおそらく満タンだったのだろう。手慣れた手つきでコッキングをして弾を薬室にいれる。




俺もサバイバルナイフを取りだし剣を構えるようにして振ってみる。その様子を見ていた灯はおおーと感心した様子で拍手を送る。




「じゃあ、行くか」

「うん!」




俺と灯は同時に飛び降りる。高さもそんなに無いため間接を痛めることはなかった。




「気を付けろ。いつやつら(感染者)がくるかわからないから」

「うん」




煙の中にゆっくりとした足取りで入っていく。たしかにモワモワした感じがあって花火のような感覚に襲われた。進み具合も順調だった。




「ふう・・出たか」




煙幕を出るのに時間はかからなかった。煙幕をでた瞬間上を見たらやっぱりいい天気で晴れていた。




「お兄ちゃん!危ない!!」




灯は俺を突飛ばし直ぐ様ある方向にハンドガンの引き金を引く。



ドン!!!という大きな音が響きわたる。倒れそうになった俺は灯の方へ向くと灯の目の前に人が倒れてた。




「ヤバイね・・・」

「ああ、囲まれてるな(・・・・・)。」




ここにきて初めて周囲の状況に目を配る。俺達は囲まれていた。やつらに・・・。



そこには30、いや、40を越しているだろうか?感染者で覆い尽くされていた。空き地の狭いところにものすごい数の感染者が居たのだ。




「やることは分かってるな?灯」

「誰の妹だと思ってるの?」




灯の方に目をやると既に戦闘体制に入っていた。ハンドガンを片手に左手にサバイバルナイフを構えている。そして灯は俺の背中の方に自分の背中を合わせた。




「お互いの背中はお互いで守るんだよ!お兄ちゃん!」

「ああ!俺らのコンビ力、見せてやろうぜ!」




互いに感染者のいる方向に向かっていこうとした瞬間、灯から声がかかる。




「死なないで・・・お兄ちゃん」

「当たり前だ!!」




この言葉を合図に俺は前方、灯は俺の背中を、そして後方に走って突っ込んでいった。




「うおおおおおおお!!!」




全速力で感染者の元へと走る俺。感染者が手を伸ばして俺に噛みつこうとしてくる。俺は両手を左手で払いあげそのまま左に回転しその勢いで弱点である首を綺麗に




一閃。



スパッと綺麗に切れた首からは大量の血が吹き出しそして俺の前に崩れ去った。




そして左は俺の服を掴んできた感染者の顔を殴り付け上から下へと首をまた一閃する。感染者はまた崩れ去った。




「クソ!殺しても殺しても減らねぇな!!!」




灯は既にヘリを挟んで向こう側に居るのか姿が見えなかった。だが絶対に生きてるって分かった。何故って?それは




その瞬間ドン!!!という鈍い音のあとに俺の方に死体が飛んできた。ヘリを挟めば20m以上はある。




「もしかしたら灯ってミュータントよりもつえーんじゃねぇのか?」




右肩を掴み食いちぎろうとする感染者を左拳で思い切り突く。




「うおおおおりゃああああ!!」









数十分後、全ての感染者を倒した俺は疲れて息が上がった体を引きずりながら灯のいる方へ向かっていた。




「はあはあ、灯は大丈夫か?」




ヘリを挟んで向こう側にたどり着つく。辺りを一面に首を切られた感染者、そして首から上の無い感染者。そんな死体がゴロゴロ転がっていた。灯の方へ近づくにつれ数も増してきた。煙幕を過ぎて景色が見えるようになる。そこには感染者の死体とその中心にたっている灯がいた。




「灯!!」



大声で灯を呼ぶ。灯は遠くにいる俺でも解るほどにビクッと体を震わせた。なにか様子がおかしい。




「どうかしたのか?」

「お兄ちゃん・・・・」




サイドから見ては解らなかったが正面に向いた灯は左手首を押さえていた。そこには血が滴り落ちていた。




「お・・・おい灯、冗談だよな?」

「・・・えへへ。ごめんね」




笑う灯。手首を押さえてる右手を離すと感染者に噛まれた後がくっきりと残っていた。




「あ、灯?冗談だと言ってくれよ・・・」




俺には何が起こっているのか理解が出来なかった。え?灯の手首に噛み傷?そんなわけない!灯は!!!



「灯!!」



グラッと倒れかかる灯。とても軽い体を抱きしめ膝をつく。




「噛まれてからどのくらいだ!?まだ間に合うかも・・・!」




灯は俺の言葉を聞いたのかゆっくりと口を開く。意識はだんだんと遠くなっていっている。



「もう・・・そんな時間が無いこと解ってるのはお兄ちゃんのクセに・・・」




そうだ。灯の言っていることは正しい。やつらに噛まれると個人差はあるが、5分でやつらのようになってしまうらしい。そして自我を失い人を襲うようになる。




「灯!まだ助かる!!まだ!」

「えへへ・・ホントにいいお兄ちゃんに恵まれたねあたし」




灯の顔がだんだんと青ざめていくのが解る。




「お兄ちゃん・・・灯、そこの人達みたいになりたくない・・・・」


「大丈夫だ!灯!!すぐに助かるか「もう駄目だよ・・・」



俺の言葉をすんでで遮る灯。



「灯ね、思い付いたの・・・一つだけ・・やつらのようにならない方法が・・・」




灯は手に持っていたハンドガンm92fを俺に手渡そうと力を振り絞っていた。


灯が最後に頼みたいこと、それは・・・・



「まさか・・・そんなことできるわけ無いだろ!!俺は自分の手で自分の妹を!一人しかいない妹に手をかけろっていうのかよ!!」




その様子を見ていた灯は目を細場ばめる。



「お兄ちゃん・・・・やって」

「無理だ!!絶対に・・・」



「だったら!!!!!!」

「!?」

「灯は!お兄ちゃんの妹やめる!!!!!」




灯は泣いていた。目からは滴り落ちる涙は地に落ちて消える。




俺は恐る恐るハンドガンを手に取る。残弾は一発だけ・・・ 。


俺も涙がこぼれて思わず左手で隠してしまう。その様子を見ていた灯は・・・・。



「自分を・・・・責めないで。こんなことになったのは灯のせいだから・・お兄ちゃんは・・・っ。悪くないんだよ」



スッと優しく抱きしめてくれた。俺の母であるかのように優しく・・・。




「ごめん・・!ごめん・・・!!」


「謝っちゃだめ・・・。灯は死ぬんじゃないんだよ・・・。お兄ちゃんの心でずっと生きるの」


「・・・・・!」


「だから・・・憎しみに囚われちゃだめ。しっかり前を向いて、自分の信じる道を進んで・・・」




これが合図だったかのように灯は俺から離れ、左手を押さえ女性らしい正座をずらした座りかたになる。もう立つ力も・・・・。




カタカタと震える俺の手。俺も立ち上がるのがやっとだった。そしてゆっくりとハンドガンを灯の・・自分の家族に向ける。



涙で前が濁って見えない。もはや狙うことはなく顔を反らしている形でハンドガンを向けた。




妹の涙で泣いている声が聞こえる。妹との思い出が走馬灯のように甦ってくる。





「お兄ちゃん・・・・・」

「・・・」





「・・・・・だいすき」





「ああ・・・・!」




引き金を引く。ドン!!!!というデカイ音がとてもスローモーションに感じてしまう。




灯の身体が崩れ落ちる前に灯の体を強く抱きしめる。



反応を示さなくなった体を前にし、頭が死を理解してしまう。





「あかりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」




そのまま俺の視界は黒い色に染まり、意識を失う。


良介の妹が・・・!


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