第47話 二年後
久しぶりの投稿です。
会話分とネタが多めです。大目に見て下さい。え?つまらない?すみませんでした。
イルとリレスが修行に出てから二年が経った。俺も修行をして新しい力を手に入れた。他にも色々なことが変わったが一番変わったのは、
「エド日本食が恋しかったりするんじゃない?」
「まあお米は結構恋しかったりするけど。」
神前が俺の周りをウロチョロするようになったことだろう。神前は一ヶ月に一度くらいの周期で現れる。そういうと日食かなんかみたいだけど。そして一週間ほど馬鹿なことをやったりするといなくなる、というのを繰り返している。俺も日本の話が出来る唯一の相手なので文句はないんだが・・・
「で、今度は一体何をする気なんだ?」
「そんな人聞きの悪い。まるで僕が毎回何かしてるみたいじゃないか。」
「みたいじゃなくてしてんだろうが。」
「いやいや今回は真面目だから。一人で日本食食べてもつまんないじゃん?感想とか懐かしさを言い合える相手が欲しいんだよね。」
「ふーん。でもお前日本食なんて作れるの?自慢じゃないけど俺は作れないぞ。」
「本当に自慢じゃないね。そこらへんは安心してよ。実はもう何回か作ってるんだよね。」
「へー。」
それならまだ信用出来る・・・のか?
「まあその度に一人で食べる虚しさに打ちのめされるんだけど。それに僕の知り合いはみんな真面目でつまんないんだよね。」
「だから誘ったのか。」
「そういうこと。まあ待っててよ。」
というわけで急遽日本食試食会が始まった。
「ほーら出来たよ。」
「・・・なあこれは日本食だよな。」
「少なくとも味はそうだよ。」
「そうか味はそうなのか。」
俺の前に出された料理はなんていうか・・・なんとも言えなかった。一番近いのはあれだ妙木山のカエルが出した料理かもしれない。
「お前これを食ったのか?」
「いや今回は親友のエドの為にアレンジを加えようと思って。」
余計なアレンジするなよ!!
「誰が親友だ!!」
「ええ!?そこに突っ込むの?」
「まあいい。万歩譲ってお前と俺が親友だとしよう。」
「譲りすぎでしょ。」
「だとしてもこれはない!アレンジの方向性を間違えている!!」
「ごめん。もしかして爬中類系の方がよかった?」
「そういう問題じゃない!」
俺がそこまで言うと神前はショックを受けた顔をした。そして、
「でもエドが僕の親友なら食べてくれるよね。」
「いや食べねーよ。親友だったら食べないといけないなら俺はお前の親友とやらはやめるよ。」
そこで何故か覚悟を決めたような顔をした神前は、
「ならばその箸で料理を食べるといい。そうすればまた親友にしてやろう。」
「いやなんでお前が認める側になってんだよ。」
「逆に親友じゃなくていいならばその箸をテーブルの上に置くがいい。」
「そんなの俺の答えは決まってる。親友云々の話はどうでもいいがこのご飯は食べたくないからな。箸は置かせてもらうぞ。」
「そうか。なら箸を置くといい。」
「ああ。そうさせてもらうぜ。」
そう言って俺は手にしていた箸をテーブル置こうとした・・・しかし!
「ば、馬鹿な。俺は確かに箸を置こうとしている。なのになんで!!」
「どうしたのかな?エド動揺しているぞ。動揺しているということは恐怖しているということじゃないかな?」
「なに!?」
「頭では食べたくないと思っていて、箸を置こうと思っていても本能で恐れてるんじゃないか?僕と親友じゃなくなるのを。それが無意識に体に出ているんじゃないかい?」
「そんなわけあるか!」
だが何故か俺の箸は料理に向かっていってしまう。くそリミッターを解除するしかないのか!?
そしてとうとう料理をとりそのまま俺の口に!!
「うまい・・・だと!?」
この味はまさしく日本食。それも滅茶苦茶うまい。
「だから言ったじゃん。」
「うまかったのはいいんだけど何故かくやしい。」
こんなビジュアルで旨いだと!?ふざけるのも大概にしろ!
「ごちそうさまでした。」
「なんだかんだ言って完食してくれるのね。」
「母ちゃんが言ってたからな。どんな小さい米粒でも無駄にすんなって。」
「それ言った人違くない?」
「そろそろ時間だから俺は行くよ。」
「ああ。そういえば今日帰ってくる予定だっけ?」
「まあな。二年振りの感動の再会だ。」
「忘れられてないといいね。」
「やめろ。不安になるだろう。」
洗い物をすべて神前に押し付けて関所まで行く。遅れるのは絶対駄目だ。なんせ今日はイルとリレスが帰ってくる日なのだから。
次回成長した二人が登場します!




