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第4話 組手

ついにエドも五歳に。

10000pv行きました。これからも応援お願いします。

歴史に疑問点があったら聞いて下さい。お答えします。

 今日は俺の誕生日である。何歳のかだって?


 5歳のだよ。


 そう速いものであれからもう4年経ったのだ。今まで毎日魔流と空間把握の修行をしてきたおかげで両方ともかなりの精度で行えるようになった。


 今日が俺の誕生日ということは当然あれもある。

 

そうーーープレゼントである。しかし我がエリオ家のプレゼントはおそらく普通のとは違う。いや絶対違う。そのプレゼントの内容とはーーーエリオ家当主との組手である。それもただの組手ではない。剣術のみでなんと父さんが本気で相手をしてくれるのだ。やったね!!オラ、ワクワクしてきたぞ!!っと言いたいところだが残念ながら俺はそこまで戦闘民族ではない。余談だがこの道は兄さんも姉さんも通った道である。今兄さんはアライアンスの三年生として王都にいる。なんでも三年生にして(アライアンスは六年制)学園最強に数えられる程の剣術の天才だとか。姉さんも天才だが杖魔術じょうまじゅつの天才である。杖魔術じょうまじゅつというのは杖術と魔術を組み合わせて戦う戦闘スタイルだ。


ーーーーー閑話休題ーーーーー


 この戦いに俺は必ず勝たねばならない。その理由を説明する前に皆さんマリーさんを覚えているだろうか?俺の付き人の戦うメイドさんである。


 彼女は俺が産まれてからずっと俺に仕えてきてくれた。しかし俺にメイドさんが付きっきりで仕えてくれたのには理由がある。小さい頃は危ないからという当たり前な理由もあるが本質は違う。それは俺が弱いからである。


 エリオ家では一定以上の実力を持っていないと何歳になってもずっと戦うメイドさんがついてくるのだ。当然そんな状態では女の子とデートもできないし夜の歓楽街に行くことも出来ない。正確には出来るのだがそんな気になれないのである。しかしそれらの理由とは別に俺は絶対に勝たねばいけなかった。その理由というのは如意棒と変身魔法フォームチェンジである。

メイドさんが見ていたらこの二つを持っている理由を説明しなくてはいけなくなるのだが、正直に言っても信じてくれるはずがない。


 それに俺も転生者というのは隠しておきたい。面倒事はごめんである。以上の理由により俺は父さんに勝たねばならない。もし負けたら来年の誕生日まで再戦はお預けである。つまり来年までメイドさんがついてくる、イコール修行が出来ない。それは嫌だ。というわけで今の俺はやる気に満ちている。



 俺と父さんがそれぞれの得物を持って向かい合う。俺は当然棒、父さんは剣である。もちろん両方木でできている。家族が遠巻きに見ている。


「速いものだな。お前が産まれてからもう五年が経ったのか」


「はい。この五年で俺がどれだけ成長したかを父さんの目に焼き付けてみせます」


 俺は棒にしっかりと魔流で魔力が流れているのを確認する。棒の中に一本の糸のようにそして棒を覆うように魔力が展開している。こうすることによって棒がより頑丈になるのだ。もっとも本当の目的は別にある。


「そうか。では問うがなぜ今お前は武器を持っていない?」


 父さんがそう言ったのを聞き心の中でガッツポーズをする。


「俺の体そのものが武器ですから」


 しかしそんな心中はおくびにも出さずに返答する。


「ふむ、一体どのような策でくるのか。いいだろうお前から打ち込んでくるがいい」


「ではお言葉に甘えて!!」


 言うやいなや俺は父さんに向かって駆け出した。身体強化術は使わない素の身体能力でだ。


 父さんが俺の間合いに入ると同時に父さんに向かって拳ごと棒をつき出す。父さんの顔が驚愕に歪む。当然だろう、父さんから見たら俺は素手だったのに急に棒が出てきたのだから。種は簡単だ。俺は棒を父さんから見て拳と一直線上になるように握っていたのだ。父さんからは拳に隠れて見えなかっただろう。


(奇襲は成功!)


 しかし父さんは俺の拳から伸びるように出てきている棒を驚きながらも剣で叩いてずらす。


 そのあとはずっと攻撃の応酬である。父さんが攻めてくるのを俺が空間把握もフルに使って捌き隙をみて攻撃する。何回かそれを繰り返していくうちに俺と父さんの間にある種のリズムができる。知らず知らずのうちにそのリズムに従い攻防をする。しかし徐々に俺が押されていく。地力の差が出始めているのだ。


 少し経って俺は急に今までとは違う棒の中ほどを持って上段から降り下ろすという攻撃を行う。俺のリズムを壊すかのような攻撃にリズムに慣れていた父さんは咄嗟に剣で棒を受け止める。しかしここまでは俺の予想通りだ。

俺は棒を持っている手を支点に棒が円を描くように一回転させる。父さんから見たら自分の持っている剣の先にあったはずの棒が自分と剣の間に急に入ってきたように感じたことだろう。


(雲仙流月の型ーー円月えんげつ!!)


 突如下から襲いかかる棒に上に意識を集中させていた父さんは対応出来ない。しかしなんとそこから剣を自分の顔に当てる程の勢いで戻して俺の棒を弾いた!!おまけに剣を持っているのとは逆の手で棒を掴むなどという芸当までやってのけた。


 棒を捕まれたら大人と子供の腕力では勝負になるはずもない。この勝負決まったと全ての人物が思っただろう。ーーー俺以外の。


(この状況を待ってたんだ!!)


 俺は棒に着けていた魔力を父さんが握っている部分だけなくす。父さんが握っている棒と俺が持っている棒との二つに別れた!!


 流石の父さんもこれには掛け値なしに驚いただろう。おまけに俺から棒を取ろうと引っ張る直前、つまり踏ん張ろうとしていたのだ。当然バランスを崩す父さん。その隙を逃さずに身体強化術を使い父さんとの距離を一気に詰めてそしてーーーーー


 俺の棒が父さんの喉を突く寸前で止まっていた。


 その場はまるで誰もいないかのように静寂が支配していた。しかし誰かが、


「勝った」


 そう言ったのを切っ掛けに皆が騒ぎ出す。

 俺は黙って父さんが何か言うのを待つ。周りもそれを察したのか静かになっていく。


「......最後の技はどうやったのだ?」


 少し考え答える。


「昔父さんが言ったように棒を肌身離さず持ち歩き自分の体の延長のようにしただけです」


 と答えた。答えになってない答えを受けた父さんは


「そうか。もしかしたらお前は兄以上の天才かもしれないな」


 兄さん以上?やめてくれ。あんな天才と比較されても困る。それに今回俺が父さんに勝てたのはこれが剣術のみだったからだ。本来の父さんの戦闘スタイルは剣魔術けんまじゅつである。剣術のみでは実力の半分も出ていないだろう。素直に喜ぶ気になれない。


「ではエリオ家の伝統に従い今後お前にはメイドをつけるのはやめよう。無論お前がつけたいなら別だが」


「いえ!外してください!!」


 思わず勢いこんで言ってしまう。しかしこれくらいは大目にみて欲しい。なんせやっと如意棒と変身魔法フォームチェンジの修行ができるのだ。


「そうか。ではそろそろ食事をするとしよう。お前も腹が減っているだろう」


「はい!!」


 実際今かなり腹が減っている。簡単に勝てたように見えたかもしれないが実際はかなりギリギリだった。円月などリズムを崩していなければあっさりと対処されていただろう。


 その後俺の誕生日ということでテーブル一杯にならんだ食事の美味さに唸ったあと風呂に入り寝た。ここまで疲れたのは久しぶりだった。





















戦闘シーン書くの疲れました。うまく伝わりましたか?円月は自分の指とペンかなんかで試すと分かりやすいですよ。


勝った時に騒いでいたのは使用人たちです。

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