第43話 勝負の真相
久しぶりの更新です。遅れて申し訳ない。
登場人物紹介を少し改訂しました。具体的には脇役キャラの名前変更です。まだ本編では名前が出ていないキャラクターなので混乱はしないと思います。
「出来れば直ぐに兵を引かせて欲しいんだが」
「心得た!」
リュクシオンはそう言うと大きく息を吸い、
「我が兵に告ぐ!!我々魔族は一度本国に撤退する!!速やかに撤退の準備をしろ!!また今から我輩が許可するまで人間や獣人、亜人を攻撃することは禁止だ!!正当防衛のみ許可する!!最後に医療班は我輩の所に来い!!」
物凄い大声で以上のことを指示した。なんつー肺活量だ。
「部下にああ言ったのだから貴様ら人間たちも我々に危害を加えないでもらいたい!無論一時的なものだが!」
「わかってる。おいそこのあんた魔族たちはおとなしく撤退するからこちらから危害を加えない限り相手も何もしてこないことを上に伝えてきてくれ。俺やジュラの名前も使っていい」
そこら辺にいたそこそこ偉そうな男に頼む。
「了解した」
これで魔族の撤退に関しては一段落。俺がそう思い一息つくと、
「エドーー!!!!」
胸に何かが飛び込んできた。丁度気を抜いたところなのでよけられずに直撃。
「な、なんだよイル」
胸に飛び込んできたのはイルだった。
「凄い心配したのニャ。エドが死んだと思ったのニャ」
「イル・・・」
イルに心配を掛けたことを申し訳なく思っていると頭に衝撃が走った。
「イタッ!!」
思わず声が出るほど痛い。振り返って見るとリレスがいた。どうやらリレスが手に持っている杖で殴ったようだ。
「これは罰」
なんの罰なのかは言われなくても理解できる。普段手を出さないリレスが杖で殴ってきたのだ。よっぽど心配してくれたのだろう。
「そうですよ。イルさんとリレスさんは凄い心配してたんですから。まあ私はあなたが勝つと信じていましたが。」
「唇が噛み切れるくらい我慢してたのに何言ってるんだよ」
俺が言ったとおりジュラの唇には噛んだ後がある。おそらく俺が胸を貫かれた時助けたいのを俺を信じて我慢したのだろう。その代償といったところか。
「そう思うならあなたのスキルで治してください。」
「残念だけどそれはできない。なんせ俺は今日から一ヶ月間そのスキルが使えないんだよ。」
「どういうことですか?そういえば胸を貫かれたのに生きている理由も分かりませんし。」
「今まとめて説明するよ」
そう言って俺が説明しようとすると、
「それなら医務室に行きましょう。なんで無事なのかは知りませんがあなたは死にそうになったんですから」
「いや大丈夫だよ」
「駄目。医務室に行く」
「そうニャ。途中で倒れたりしたら困るのニャ」
三人にここまで言われたら断れない。まあ俺に不都合があるわけではないので別にいいだろう。それにそれで三人が安心するなら安いもんだ。
「わかったよ。それよりまずは移動しよう。大丈夫一人で歩ける」
三人が何か言う前に立って歩き出す。三人とも何か言いたそうだが黙ってついてきた。まあジュラは黙ってはいたが俺の周りに鋼糸を置いていた。俺が倒れたときに素早く支えるためだろう。本当に申し訳ない。
幸いなことに医務室にはあまり患者はいなかった。
「じゃあさっきの戦闘とか俺が死ななかったこととかについて説明するぞ。まあお前らが気になることを聞いてくれると早くてありがたいんだけど。」
「じゃあなんで死ななかったんですか?」
「俺がユニークスキルを持ってることは知ってるだろ?」
「ん」
「ニャ」
「ええ」
三者三様に頷く。
「詳しくは省くがその効果の一つに、ある状態のときに瀕死、ようするに死にそうになっても全回復するっていうのがあるんだ。それを使ったんだ」
「そのある状態というのは傷を治す炎を出せる状態のことですか?」
「ああ。流石ジュラ。よくわかったな。あれは《不死鳥》ていう状態だ。他にも二つあるんだがそれは後でいいだろう。」
「でも《不死鳥》?になると体が紅くなりますよね?あの時はそんなことなってませんでしたよ」
「お前ほんとよく見てるな。ジュラの言う通り通常は外見がなにかしら変わる。だけどあの時は変わってない。なんでか分かるか?」
三人とも首を振る。
「正解は俺のユニークスキル名前は《変身魔法》なんだけど、それで変えるのを内部に留めたんだ。ようするに内蔵だけ《不死鳥》にしたんだ。何か変化したのをリュクシオンに悟られたくなかったからな。まあそれで傷が完治したのは予想外だったが。他には?」
「最後のほうにやってた変なのはなんニャ?」
「あれは《部分融合》って言って二つ以上の状態、モードを融合することができるんだ。あの時のは力が強い《竜》と動きが速くなる《銀狼》を融合したんだ。名前をつけるなら《竜狼》ってところか」
「よくわかんないニャ」
「ミルク味のソフトクリームにチョコ味のソフトクリームを混ぜたらさらにおいしくなるだろ?そういうことだ」
「なるほど!!よくわかったのニャ!」
「質問はこれくらいか?」
「最後に一つ。なんでさっき傷を治せないって言ったの?」
「ああ。《不死鳥》のさっきの効果を使うと一ヶ月間《不死鳥》を使えなくなるんだ」
「ん。わかった」
「じゃあ説明は終わり。悪いけど戦闘の連続で疲れたんだ。少し寝させてくれ」
「いいですよ。寧ろ直ぐに休ませてあげられなくてすみません」
「じゃあそこのベットで寝させてもらう」
そう言ってベットに入る。まあ疲れてるってのは方便で本当はこの後くるであろう国の使者の相手が面倒くさいからだ。さっきのように言えばジュラは絶対に入れさせないだろうし。
さて一眠りしますか。
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