第40話 エド対神前 第二ラウンド
エド対神前第二ラウンド開幕です。
エドの秘められた力とは!?
「行くぜ」
その声とともに神前に向かって駆け出す。《銀狼》の速さでだ。
「速いな。だがそれだけなら俺は倒せないぜ。」
神前は今の俺の動きについてこれていない。しかし攻撃がどこからくるかは直前の気配でわかるのだろう。しっかりと防いでくる。正確に言うと咄嗟の動作で防ぐことが多い。当然防御は不完全だ。しかし俺にはそれの防御を突破するだけの攻撃を繰り出せなかった。
・・・さっきまでの状態なら。
「それだけじゃないぜ」
何度目かの攻撃。神前の左後ろをとる、神前は右利きなのでこの位置からの攻撃は防ぎにくい。が、不得意な筈の位置から攻撃でも神前は防いできた。
しかし今度は、
「グッ!!」
俺の攻撃が神前の防御を突破して腰を打つ。神前は痛みに顔をしかめながら驚いた顔をしている。
「急に力が上がった?さっきと同じくらいに。・・・どうやら俺の分析違いだったようだな。」
そこで神前は一度言葉を止めると、
「同時に発動できたのか。」
「まあな」
現在俺は《銀狼》と《竜》を同時に発動している。正確に言うと下半身は《銀狼》上半身は《竜》だ。
《部分変化》それがこの技の名前だ。名前から分かるとおり《変身魔法》の派生スキルだ。
効果は体の一部分のみに《変身魔法》を使うことが出来る。これはかなり応用性があるスキルだ。
俺は今かなり短い時間でモデルを変更することができる。しかし強敵と戦うときは一瞬が勝敗を決する。モデルを変更する回数が減ればそれだけ戦闘でできることも増える。
次に同時に効果を発揮できる。例えば
「風炎弾」
右手を《銀狼》左手を《不死鳥》にして右手からは風魔法を左手からは《守炎》を出して銃弾の形にして発射する。弾は風魔法により強化されておりかなりの速度が出ている。おまけに風魔法の効果で《守炎》は強化されている。
「影弾」
神前が氷弾のときと同じ対処法を取ってくる。だが風炎弾はそれだけでは防げない。
影弾と風炎弾が当たる。氷弾の時は相殺して終わった。しかし今回は、
「おっと」
影弾が相殺しきれなかった風炎弾が神前に襲い掛かる。しかし神前は驚いたことに風炎弾を刀で斬ってみせた。
「なるほど。これは厄介そうだな」
口ではそう言っていても神前の顔は明らかに嬉しそうだ。
「だろ。というわけで・・・第二ラウンドだ。」
第二のところで神前に向けて駆け出す。汚い?知るかそんなこと。
如意棒を下から振り上げる。神前は足で如意棒を押さえてきた。腕力と脚力普通に考えたら勝つのは神前だろう。俺がこのまま何もしなかったらだが。
「オラ!!」
如意棒を足で上に蹴り上げる。
「うお!」
俺の腕力プラス脚力に神前の脚力が負けて神前の体が浮く。
「くらうか!!」
如意棒を刀で受ける神前。防ぎはしたものの空中にいるので当然そのまま飛んでく。これで場外になってくれると嬉しいのだが流石にそこまでは甘くなく、途中で地面に刀を刺して止まる。
「真似させてもらうぜ」
右手に風魔法、左手に《守炎》イメージは龍。
「風炎龍!!」
丁度着地した神前にロアッソと神前が使ったような龍を模した魔法を放つ。
「おい!それ俺の技だぞ!!」
「知るかそんなん。」
神前は話している間にも迫る風炎龍に向かって、
「本家、影龍!!」
ロアッソ戦のときにも使った技で対抗する。激突そして轟音。
爆炎と煙りで闘技場が満たされる。《不死鳥》になり防御する。
煙りが晴れるとどんな方法を使ったのか知らないが神前はさっきと同じ無傷だった。しかし何か違和感を感じた。神前が話しかけてくる。
「思った通りなかなかやるね。まあ本気を出した僕の敵じゃないだろうけど。」
「今までは本気じゃなかったのかよ」
「まあね」
「奇遇だな。俺もだ。俺が本気を出せばお前なんて両腕だけで倒せる。」
「僕は片腕で倒せる」
「なら俺は片手だ。」
「じゃあ人差し指で。」
「小指でもいけるね」
そこで神前は手をポンと打つと、
「よく考えると僕は念じただけで君を倒せる気が・・・」
「そんなわけあるか!!」
力一杯突っ込む。何故かペースを乱されている気がする。
「じゃあホントの本気を出すぜ」
「望むところ」
俺たちが本気になる。
結論から言って俺たちが本気で戦うことはなかった。何故ならこの瞬間、
ドガァン!!
観客席の後ろの方が爆発したからだ。
この後一気に物語が進む予定




