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第37話 ロアッソ対カンザキカムイ

謎のX登場

「ほどほどにと言ったじゃないですが」


控え室に戻って直ぐに俺が言われた言葉だ。


「反省もしてないし、ましてや後悔もしてない」


「確かにスッキリはしましたけど・・・」


「いざとなったら家の権力に頼ろう」


「そうしてください」


「お前の試合は?」


「もうすこし先です。」


「そうか。じゃあ試合を見に行くかな。」


今日はもう俺の試合はない。


「そうしましょうか」




観客席に行くと丁度選手紹介をしているところだった。


「次の試合は高速詠唱に定評がある魔法使いのロアッソ選手!!普段から攻撃には魔法しか使わない!!牽制も魔法だけ!!それで死んだとしても自分は本望!!と豪語していて有名な人です。しかしそれを言うことができるだけの実力があるのもまた有名です!!。」


ロアッソは冒険者の間では結構有名なやつだ。ランクは確かC。何回か魔法を使うところ見たことがあるが凄まじい速さで魔法を発動していた。速すぎて口の動きが見えないくらいだ。そして敵の攻撃をかわすための体裁きも凄まじい。あれを攻撃に使えばいいと思うのだが。


「そして対戦相手は・・・これはどこまでが名前でしょうか?カンザキカムイ選手です!!」


なに!?カンザキカムイって明らかに日本人の名前だぞ。漢字を当てるなら神崎神威か?それに俺以外にも転生したやつがいたのか!?


「まったく無名のこの選手。一体のどのような戦い方を見せてくれるのでしょうか。」


そして情報が少ない。顔を実際に見ればわかると思うのだが。いやだけど俺と同じパターンならこっちの人の顔になってるからわからないか。いやいやいや名前が神崎神威なら転生じゃなくて転移になるのか?そもそも転移なんて出来るのか?


「カンザキカムイですか・・・随分珍しい名前ですね」


「そうだな」


日本でもそんなにいる名前ではないだろう。


リングに二人の男が立っている。ローブを着ているのはロアッソだ。あのローブは着用者の魔法に対するイメージを補強だがなんだかして、まあとにかく着ると魔法が強くなるのだ。


そして黒いコートを着ているのが神崎神威だろう。顔は完全に日本人顔だ。黒い髪の毛に黒い目。あいつが地球から来たのはほぼ確定だろう。


「ではでは試合開始!!」


司会がそう言った一秒後ロアッソお得意の高速詠唱での火魔法が発動した。いつ見ても驚くほどの速さだ。まああいつはあれだけでCランクまでいったようなもんだしな。


神崎のほうも相手があの速度で魔法を放てるとは思ってなかったらしく驚いているのかその場で立ち竦んでいる。


しかし神崎はギリギリで火球をかわす。だがロアッソの攻撃は終わらない。


神崎が攻撃を回避している間にも魔法を詠唱していたのだ。ロアッソの体の周りにはいくつもの火の玉が浮いている。あの火の玉を敵に放って時間を稼ぎ、詠唱に時間がかかる魔法を放つ準備をして、必中のタイミングでそれを打つ、というのがロアッソの対人戦の基本だ。ちなみに詠唱に時間がかかるというのはロアッソのレベルでなので実際には詠唱に一分くらいかかる魔法を使ってくる。


今回もそうするつもりだったのだろうロアッソの考えは直ぐに失敗する。


神崎はロアッソが続けて放ってきた魔法に対してまったく同じ数の魔法をぶつけて相殺していったのだ。いやそれを魔法と呼んでいいのだろうか?神崎が放ったのは全ていまいち不定形で真っ黒なものだった。闇魔法に似ているが闇魔法はあんなに黒くない。それは光がまるで反射しないほどの黒さだった。


何らかの魔法を使ってロアッソの火の玉をすべて撃退した神崎は猛然とロアッソに迫る。その手にはいつの間にかさっきの魔法と同じ色をした刀を握っていた。


目論見が外れたロアッソだが詠唱していた魔法を即座に発動する。ロアッソは五秒ほどで完成させていたが実際にはもっとかかる魔法だ。どれくらいの威力があるのかは言うまでもないだろう。


龍の形を模した火が神崎にせまる。しかし神崎はそれを同じく闇色の龍を模した魔法で対抗。


「まさかあれは邪王炎殺黒龍波!?」


「なんですかそれは?」


「いやなんでもない」


思わず声に出してしまった。それだけ似ていたのだが。まてよ、あれが邪王炎殺黒龍波ならあの刀は邪王炎殺剣か?刀だけど。そういえば地球のアニメや漫画がなつかしい。俺が生きていた頃連載していた漫画はどうなっただろうか。


「あの黒い龍ロアッソさんの魔法を相殺しましたよ」


「マジかよ」


ロアッソのあの魔法は決して弱くない。むしろ強い部類だろう。それを相殺とは・・・


俺たちが驚いている間にも試合は進む。ロアッソ渾身の魔法を相殺した神崎は闇色の刀でロアッソを斬りつける。


上からの斬り下ろしにロアッソは風魔法を連続詠唱してリレスがやったように自分の体を飛ばすことで対応する。


風魔法の連続詠唱でロアッソは神崎の後ろに回り込む。そして火魔法を高速詠唱。無防備な神崎の背中にぶつける。


直撃。リングが煙に包まれる。そして煙が晴れそこに立っていたのは・・・


神崎だった。ロアッソは意識をなくしたのか地面に倒れている。しかし外傷は見当たらない。


「なぜロアッソさんが倒れてるんですか?」


「神崎のコートがあるだろ。あれがロアッソの魔法を完全に防いだんだ。それでその後神崎に反撃を食らってた」


空間把握でわかった限りそうだった。


ロアッソの火魔法を神崎はコートで受ける。そして特に傷を負った様子もなく煙のなか正確にロアッソを切りつけていた。


だが今ロアッソから血は出ていない。なのにロアッソは倒れている。一体これはどういうことだ。


「大変ですね。次のあなたの相手はあの人ですよ」


・・・そういえばそうだった。まあ日本人らしきやつとの接点ができるからいいんだが。心配事が一つ。


・・・俺あいつに勝てるかな?





本当はジュラの戦いも書くつもりでしたが長くなったのでそれは次話で。


感想待ってます。※別に長くないという突っ込みは受け付けませんWW

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