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第27話 エリオ・エド少年の事件簿 食べ合わせ 解決編

解決編です。次の話から学大に戻ります。

段々と意識が覚醒していく。しかしまだ起きはしない。この後五分の瞬間が一番気持ちがいい。


俺はそう思いながら寝返りを打つ。



すると何故か柔らかくていい匂いがするものに当たる。


何だと思いながら朦朧とする意識の中正体を知るためにより顔を近づける。


枕にして硬いが丁度いい感触。


俺が今顔をくっつけているのとは反対側を手で探ってみる。


フニョン


そんな擬音と共にとても柔らかくて弾力があるものを掴む。


(この感触はもしや!?)


目を開けて確かめてみると目の前には、


「知らない天井?」


ではなく誰かの背中。そしてそのまま視線を上げてくと水色の髪と猫耳があった。どうやらイルの背中だったらしい。そして当然俺が触っているのはイルの胸。


・・・いくつか疑問がある。


一つ目 なんでイルが俺と一緒に寝ているのか。ちゃんと服は着てるからあれの可能性はないと思うが。というかこの歳でできるのか?


二つ目 昨日急に意識がなくなった理由。


三つ目 ここがどこなのか。あの後俺を部屋まで運ぶのはあの二人だけでは難しいだろうからイルの部屋という可能性が高い。


四つ目 これは疑問という程ではないがリレスは何処にいるのか。


五つ目 イルは起きているのか。


六つ目 そして一番重要な疑問。なんで・・・女の子の胸はこんなに柔らかいのか。


俺としてはこのまま揉んでいてもいいのだがいま挙げた疑問、特に六つ目謎は解き明かしたいので起きることにする。


手をついて起き上がり周りを見回す。どうやら俺が今いるのは寮の部屋らしい。たぶんイルの部屋の空き部屋だろう。何故分かったのかというと部屋の内装が俺が寮に入った時、つまり一番最初と同じだからだ。


「ん」


普段イルが寝ているベッドではなかったことを少々悲しんでいると下の方、イルとは反対方向から声が聞こえた。


疑問に思い視線を向けるとリレスがいた。


床に座りながらベッドに上半身を乗せて寝ている。おそらく倒れた俺を遅くまで見ていてくれていたのだろう。どっかのネコとは大違いである。


リレスが夜遅くまで心配そうに、ベッドで眠る俺を見ている状況を想像していたら思わずリレスの髪の毛を撫でてしまった。


「ん・・・エド?」


俺が髪を撫でているとリレスが起き出した。慌てて手を離しながら言う。


「起こしちゃったか。ありがとうな看病。」


「ううん。それより大丈夫?体」


「ああ。もう大丈夫。それよりなんで倒れたんだ?」


「・・・わかんない」


一体なんで倒れたんだろうか。ヤバイ病気じゃないといいんだが。


「イルは?」


リレスの質問に何故か体が固まる。別にやましいことは・・・まあ胸を揉んだが他は特にしてないのに。


「・・・ここ」


ずっと黙っているのもおかしいので指でさして答える。


俺が指した場所つまり俺の隣を見た瞬間リレスの顔が固まる。


俺は一体この後どうなるのかとビビリながらリレスを見る。


リレスは暫く固まっているとベッドに上がった。そしてイルの場所までよっていき・・・


「グフっ」


別に某有名ロボットアニメのロボットの名前ではない。リレスがイルを転がしてベッドから落としたのだ。落ちたイルが床に当たった時に発した声である。


「ニャ・・・」


ベッドから落ちたというのにイルはまだ起きなかった。


「おいイル起きろ」


仕方なく起こしてやる。


「そんなに食べれないのニャ」


「ベタな寝言言ってねーでさっさと起きろ」


「ニャ?エド?なんでここにいるのニャ」


「昨日倒れたんだろうが。むしろそれは俺の台詞だぞ。」


「ニャ?」


イルはまずベッドをその後自分がいる場所を見る。そして


「なんでこんなところにいるのニャ?」


「お前が俺が寝ているベッドに入ってきたんだよ。でさっきリレスがベッドから突き落としたんだよ。」


「なんでそんな酷いことするのニャ!!」


「ベッドに入って寝るから」


二人が言い争いを始めたので俺は一声掛けて部屋に帰ることにした。


「俺部屋戻るわ。そのまま学大の会場行くからお前らも遅れずにこいよ」





「ただいまー」


まさかこの歳で朝帰りすることになるとはと思いつつ部屋に入る。入って直ぐにジュラが、


「昨夜はお楽しみでしたね」


しょっぱなからこんなことを言われて少々げんなりする。


「分かってて言ってんだろうが」


「まあ冗談はこのへんにしましょう。」


そう言ったジュラは居住まいを正すと俺のほうを見て、


「大人の階段を上ったんですか?」


あっさり前言撤回しやがった。


「残念ながら上ってないよ。」


「残念なんですか?」


何故そこに食いつく。


「ああ。残念ながらだ。」


「なら」


そこまで言ったジュラは俺を上目遣いで見てきて


「私でのぼりますか?」


「今度な今度。」


ジュラのからかいには乗らずに適当に答える。リレスにはああ言ったがなんか疲れているのだ。まあ起きた後の出来事のせいの可能性もあるが。


「こ、今度」


だからこの発言も聞こえなかった。


「そう言えば昨晩はなんで帰ってこなかったんですか?」


「やっと聞いたか。」


水を飲んで一息ついた後答える


「いやなんかなイルとリレスの手料理を交互に食べさせられてたら急に意識が途絶えてな。そのまま今日になっていたわけだ。」


するとジュラはなにか思い当たる節でもあるのか


「イルさんとリレスさんはどんな料理を作ったんですか?」


俺が倒れた理由が分かりそうなのでなるべく詳しく説明する。


そして俺が説明を終えるとジュラは、


「わかりましたよ。エドさんが倒れた理由」


「本当か?」


「ええ。エドさんが倒れた理由それはズバリ・・・食べ合わせです!!」


ババン!!と効果音付きで言う。


「食べ合わせってあの?」


「はい。あの食べ合わせです。イルさんとリレスさんが作った料理を見比べたところ単独で食べた場合は全然平気です。しかし交互に食べた場合は食べ合わせが悪い組み合わせのオンパレードです。まあそれでも実際にその順番で食べる確率は低いですが」


・・・もし俺がとあるラノベの主人公だったらこう言っていたかもしれない。


(不幸だーーー!!!)







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