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第26話 エリオ・エド少年の事件簿 食べ合わせ 遭遇編

久しぶりの更新。更新できなくてすみません

「で、何を買うのかは決めてあるのか?」


「まだ」


「見ながら探すのニャ」


そうか。それなら店を見て行くか。


「まだ買うものを決めてないなら端の店から見ていくか。」


「分かった」


「そうするニャ」


そして始まる買い物デート。・・・ただし三人での。



店を見てまわっていく。勿論買った食材は俺が持っている。


「エドはどんな味付けがいい?」


「んー。辛めで塩味もあるとうれしい。」


「わかった。」


リレスが料理の参考にするため聞いてくる。このやり取りなんてまさに新婚そのものじゃないですか?


まあその場合


「肉と魚はどっちがいいニャ?」


「肉で頼む。」


「了解ニャ」


妻は二人いることになるんだが。



店が並んでいた場所、商店街的な場所を抜ける。


「どうだ?材料は買えたか?」


「大丈夫」


「買えたニャ」


「そうか。ならさっさと」


そこで俺は固まる。・・・二人をどこにつれて行けばいいんだ?


「どうかした?」


リレスが不思議そうに聞いてくる。


「いや、料理をどこで作ればいいかと思って。」


普通に考えたらイルの部屋だろうがそれを部屋主に断りなく言うのは駄目だろう。


「私の部屋でいいんじゃニャイ?」


幸いイルは自分から許可してくれた。


「そうか。それはありがたい。」


「ん。ありがとう」


「別にいいのニャ」



そのままイルの部屋に移動する。





「エド。」



「なんだ?」


「調理器具を私の部屋から取ってくるから手伝ってほしい。」


「ああそうか。すっかり忘れてた。」


寮の部屋の台所は二人部屋のためかレンジなどが二つずつある。食器類も結構な数が元から置いてある。しかし調理器具は持ち込みである。


「わかった。というわけでイル。悪いが先に始めていてくれ」


「了解ニャ」



移動し始めてからそう時間がかからずにリレスの部屋につく。


「入って。」


「お邪魔しまーす。」


ちゃんと挨拶して入る。そして中に人がいて驚く。しかし直ぐに納得する。寮は基本二人部屋なのだ。おそらくルームメイトだろう。しかし俺はもう一度驚くことになる。


「リレスちゃーん」


なんと中の女子生徒はリレスに凄い勢いで抱きついていったのだ。おもわずリレスを庇おうとしたぐらいだ。


「リレスちゃんの匂いだー!!クンクン」


わざわざ声に出してまでリレスの匂いをかいでいる。


くそ、うらやましいじゃねーか。


「離れて」


リレスが顔を赤くしながら言う。


「嫌だー!!だって久しぶりのリレスちゃんとのスキンシップなんだもん!!!」


やたらとハイテンションな人だ。俺がそう思っていると彼女はようやく俺に気付いたのか顔を上げる。そして・・・


「・・・・リレスちゃんに彼氏ができたーーー!!!?」


などど超大声で言い出した。慌ててドアを閉める。


「私のリレスちゃんに彼氏が・・・」


「あなたのじゃない」


リレスが冷静に突っ込む。しかし彼女はそんなの無視して、


「わ、私は認めないわよ!!こんななよなよして弱そうなの!!」


「エドのギルドランクはB。弱くない」


「こんな貧乏そうなの!!」


「エドはエリオ家の次男。彼自身も家もお金持ち。」


「こんな根性がなさそうなの!!」


「私が崖から落ちた時命がけで助けてくれた。」


「こんなエロくて女癖が悪そうなの!!」


「・・・」


あれ!?フォローしてくれないの!?


「別に女癖は悪くないんですが」


仕方がないので自分で言っておく。エロイのは残念ながら否定できない。


「あんたなんかに私のリレスちゃんは渡さないわ!!」


なんて答えるのが正解だろうか?貰い受けるというべきなのだろうか?俺が悩んでいるとリレスから助け船がでる。


「リリィ落ち着いて。エドは私の彼氏じゃない」


「絶対渡さないんだか・・・・え?」



五分後


「いやーごめんごめん勝手に決め付けたりして。」


「いえ、いいですよ。」


リレスに飛びついた彼女の名前はリリィというらしい。種族は人間。さっきのを見ても分かるとおり彼女はリレスのことが大好きらしい。勿論恋愛対象ではないと思うが。


「ごめんねリレスちゃん!!本当はずっと一緒にいたいんだけどこの後予定があって。まあもう遅れてるんだけどね。」


「別にいい」


「じゃーねー」


そう言って俺の横を通って部屋を出ていく。


なんというか嵐のような人だった。


「ごめんね」


何故かリレスが謝ってくる。


「いやいいよ。それより早く調理器具を持っていこう」


「・・・わかった」


リレスは何かを言いかけたが結局そう言った。


その後は特に何も起こらずにイルの部屋の前まで戻ってくる。


「リレス、ドアを開けてくれ」


調理器具を出すのはリレスがやったが運ぶのは当然俺がやった。器具の量が多く現在俺の両手は塞がっている。そのためリレスに開けてくれと頼んだのだが何故かリレスは反応しない。仕方なくもう一度呼びかけようとしたら、


「エドは」


「ん?」


「エドとイルは付き合ってないんだよね?」


この質問をこいつ嫉妬してるのか?と思った奴は爪が甘い。前世でもこういうことを聞かれたことはあった。しかし聞いた女の子が俺のことを好きだったかというと毎回違ったわけだ。だからこの質問に一体どんな理由があるのか分からないが勘違いはしちゃいけない。え?どうやって確かめたのか?・・・古傷をえぐるなよ。


「全然。付き合ってなんかないよ」


俺がそう答えるリレスはどこか安心したような雰囲気を出した。


「聞きたいことがもうないならドアを開けてくれるとありがたい」


「わかった」


今度は直ぐにドアを開けてくれて中に入る。残念ながらレディーファーストとはいかないが。


家の中に入り調理器具を置くともう俺の出番はなかった。女性二人にソファーに座っていろと言われ大人しくしている。しかしただぼおっとしているのもつまらないので料理中の二人を観察することにした。


観察と言ってもイルの胸の揺れがたまらん!!やリレスの美脚がけしからん!!といった話ではない。単純に二人の料理の作り方である。


イルの作り方は豪快である。胡椒や小麦粉は当然のごとく目分量。入れ過ぎても気にしない。ただし失敗しても臨機応変に対応しておいしくできるように調整している。言うならば熟練の主婦のようである。


対象的にリレスはとても慎重だ。塩や香辛料は全て正確にはかっている。失敗は起こさないように細心の注意をはらっている。こちらは言うならばお店などのシェフのようだ。まあシェフがちゃんとはかって作っているかは知らないが。因みにリレスのエプロンは驚いたことにヒヨコ(ぽいやつ)が一杯描かれているものだった。可愛い趣味している。



そうこうするうちにいい匂いがしてきた。そろそろ完成だろう。


そして十分後


テーブルに二人が作った料理が皿に盛られている。全部で四枚。・・・四枚?



「なあ、なんで四枚もあるんだ?」


「エドには私とイル二人が作ったのを両方食べてもらう。」


「イルとリレスはどうすんの?」


「私はリレスが作ったの、リレスは私が作ったのを食べるのニャ」


「そうか。」


二人分食べなきゃいけないのか。だけどどっちから食べればいいんだ?


結論から言うと俺のその疑問は杞憂だった。何故なら


「エド次はこれを食べてみて。」


「ああ。」


「どう?」


「凄くおいしい。」



「次はこれを食べるのニャ」


「わかった。」


「おいしいかニャ?」


「うまいうまい。」


ありがたくも二人が自分の食事そっちのけで食べさせてくれるのだ。


ここで二人の料理を説明しよう。


イルはまさに家庭料理といって感じである。ポテトサラダにコロッケ、それとキャベツ。そして嬉しいことにご飯もある。手抜きのようだが不思議とおいしく満足感もある料理である。


リレスは高級店で出るような料理だ。同じ大きさに切られているサイコロステーキ。トマトとアスパラガスが綺麗に盛り付けられている。食べるのを躊躇うくらいだ。


そのまま二人に食べさせてもらっていく。俺のナイフなどは出番がなくて少々機嫌が悪そうである(んなわけない)。



そしてそのまま食べていると急に意識が途絶えた。


















コロッケなどはあくまでコロッケに似ている食べ物です。本当にそういう名前ではありません。


エドが倒れた理由は次の話で。まあ皆さん大体わかっていると思いますが。

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