第2話 修行
三回目
次の日俺はまず自分のできることから修行を開始する。修行と言っても一歳児ができるレベルだたかが知れてる......俺もそう思ってた。しかし俺に関しては魔法のみ基礎修行をこの歳でもやることができた。
何故か?
魔流のおかげである。朝起きた俺はまず一つ一つスキルを試していった。
最初に空間把握。やってみて分かったがこれなかなか制御が難しい。気を付けないと空間を把握するための感覚のようなものが反応しなくなってしまう。しかし一時間ほど練習したらコツを掴めた。自分を中心にロープのようなものがあると考えると分かりやすい。まだまだ未熟だが使いこなせればかなり強力になるだろう。
次は縮地。残念ながらまだ体が小さすぎて出来なかった。体術、棒術も同じく。
次に身体強化術。これはなんとなくでしかわからなかった。すこし動きやすくなった気がするが恐らく体がついていけてないのだろう。
最後に魔流。これは小さくてもできた。まず自分の中に魔力という名前の水が入っているのを想像する。そしてそれを別の部位に動かしていくのだ。最初はゆっくりとしか動かせなかったし、少し動かしただけで非常に疲れたが練習するうちにましになってきた。
俺は体が出来るまで魔流と空間把握それと控えめにだが身体強化術の修行をすることにした。それが決定してからの俺の一日の予定。
朝9:00 起床 子供だから仕方がない
朝9:30 朝食 食堂で一人でとる。戦うメイドさん(マリーさんという名前らしい) が付き添い
朝10:00 修行 マリーさんが見ていないのを空間把握で確認して隠れたあと常にマリ ーさんの100メートル以内にいるようにして かくれんぼ。
昼12:00 昼食 朝食と同じように食べる。
昼1:00 読書 父さんの書斎にこもり魔流の練習をしながら読書
夜7:00 夕食 家族で食べる
夜8:00 修行 魔流の修行
夜9:00 就寝
といった感じである。ほとんど一緒にマリーさんはついてくる。俺になにかあったら困るしね。
隠れんぼは最初は直ぐに見つかったが今は空間把握をうまく使えるようになったためかなり逃げられるようになった。
父さんの書斎で見ている本だがおもに歴史書と魔法書を読んでいる。
最初に神様は動物を作った。そしてその動物に対抗する人間を作り出す。
人間は魔法を発見してそれを使い動物たちから身を守った。動物たちも危害を加えられなければ特に何もしなかった。
しかし時がたつにつれて変化する動物たちがいた。狂暴になり人間を襲うようになったのだ。理由は人間が発見した魔法である。人間が魔法を使うせいで大気中に魔力が溢れてしまい、特にその影響を受けた動物は狂暴になっていった。そしてその動物たちから知識あるものが生まれた。人間を襲う者と人間を襲わない者である。
いつしか狂暴になった動物は魔獣、魔獣から生まれて、人間を襲う者は魔族、襲わない者を獣人と呼ぶようになった。人間と魔族は自然と争うようになった。そしてついに第一次人魔大戦が起きる。最初は魔力身体能力両方に優れている魔族が勝っていたが途中から獣人が人間側に協力。これにより一気に形勢は逆転。魔族は北の大地へと追いやられるようになった。
それから数百年後第二次人魔大戦が起きる。しかし今回は前回とは違った。魔族側の人数が少なかったのだ。何故か?それは魔族の中にも人間との共存派が出てきていたのだ。人間は魔族の共存派と裏で繋がり魔族にとっての重要拠点を次々と襲い占領していった。またたくまに形勢不利になっていく魔族。そして前回よりも遥かに短い期間で第二次人魔大戦は終息した。
そのとき今回人間側についた方は魔族たちの大陸の人間側へ、共存否定派は更に奥へと移っていった。現代ではその時共存派についた魔族は一般的には受け入れられている。しかし未だに根強い差別は残っている。また獣人ももとが魔族と同じという理由で差別する人間もいるのだ。
「ふう」
なかなか面白い内容だった。やっぱり獣人はいるようだ。早く会ってみたい。明日はこれの続きを読もう。そう思いながら眠りにつく。
歴史の部分読みにくいかもしれませんが空気を出すために必要でした。ご了承ください。感想待ってます。