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第24話 挙動不審

長いです。これから0時投稿になると思います。

リレスがある決意をしたとき俺は森の中でイルを探していた。


「みつからねーな。あんまり奥には行くなとは言ってあるけど。」


行き違いになったかもしれない。出来ればそれは避けたい。


俺がもうすこし奥に行ってみようとしたとき空間把握に反応がでる。


「やっと見つけた」


俺は反応が消えないうちに移動する。


「イルー!」


黙っていると気付かれない可能性が高かったためイルの名前を呼びながら向かう。空間把握に出ていた反応がこちらに向かってくる。そしてその反応が直ぐ近くで止まる。しかし周りを見回してもイルはいない。何故ならイルは木の枝に乗っているからだ。


俺は気付いていないフリをしながらイルが乗っている木の下に移動する。そして・・・勢いよく上をみる。


「おお・・」


思わずそんな言葉が出る。イルは学校の制服で森に入った。そしてその格好で枝に乗っていた。つまり・・・今俺からはパンツがもろで見えている。フム縞パンか。なかなかイルも分かっているではないか。このまま女子の下着の柄について語りたいところだがそれには広辞苑一冊分書いてようやく序章が終わるかどうかなのでやめておく。


「ニャ!?」


自分の位置がばれているとは思っていなかったらしく驚いた声をあげるイル。そして、


「ど、どこ見てるのニャ!!」


俺がパンツを凝視しているのに気付いたらしく顔を赤くして言う。


「お前がそんなところにいるからだろうが。早くおりてこいよ」


俺がそう言うとイルはやっと木からおりる。かと思ったら動揺したせいか木から足を踏み外してしまう。


「バカっ!」


俺はイルを受け止めようと身構える。が、


「よっとニャ」


イルは空中で一回転すると地面に足から着地した。


「どうニャ?」


「たく。危ないことするなよな。まあその分だとちゃんと使いこなせてるみたいだからいいけど。」


「バッチしニャ!!」


「それで材料は集まったのか?」


「すこし前に集まったのニャ」


「それはよかった。」


あれ?なら


「なんでまだ森の中にいるんだ?」


俺が聞くとイルは


「エドが様子を見にくるって行ってたから待ってたのニャ」


・・こいつ嬉しいこと言ってくれるじゃねーか。


「それは遅くなって悪かったな。お詫びとして昼飯を奢ってやるよ。」


「ホントかニャ!!なら早く王都に行くのニャ」


イルが俺の手を握って走りだす。


「おい、昼食より先に武器屋だぞ。」


しかしイルは俺の言葉を聞いてるのか聞いていないのかどんどん進んでいってしまう。手を握られているので俺も続くしかない。なに?手を離せばいいだって?そんな勿体ないことしたらばちが当たるってもんだよ。



王都につくと一直線に料理屋に行こうとするイルを押さえて武器屋に行く。


「ほら先に武器屋だって言っただろうが。」


「お腹が空いたのニャ」


「まだ言うなら胸を揉むぞ」


「ご飯」


うな垂れてしまったので仕方なく胸を揉む。いやだって自分が言ったことは守らないと。モミモミ。ふむいい触りごごちだ。柔らかさと弾力が等しく同居している。神が創りたもうた至高の一品だろう。


「な、なんで胸を触っているのニャ!!」


イルが正気に戻ったので揉むのをやめる。


「イルが揉んでいいって言ったからだよ。」


「そ、そんなこと言うはずないニャ」


「じゃあさっき俺がお前になんて言ったが思いだせるか。」


「・・・わかんないニャ」


「つまりそのときにイルは揉んでもいいって言ったんだよ。」


折角なのでイルのせいにしておくことにした。


「な、なら今度からは私が許可しても何度も確認してほしいのニャ」


「わかったよ」


触るのを禁止にしないということは許可するときがあるんだな。俺はそう希望を持つことにした。


「ほら武器屋に行くぞ」


「分かったニャ」



「これで例の武器を作って欲しいのニャ」


「あいよ!!任せな」


「どれくらいかかりますか?」


「そうだな。今日も入れて二日ってところだな」


イルが安心したように息を吐く。俺としてもよかった。これで試合にまにあわなかったら悲しいからな。


「ではおねがいしますね。」


「任せときな」



短い会話で武器屋をあとにする。イルが早く行こうとせっつくからだ。


「もっと速く歩くのにゃ」


「わかったよ。」


しかし行った料理屋はことごとく満席。


「どうする?」


「もう自分で作るのニャ!!」


「なら俺の奢りはなしってことで」


俺がそう言うと、


「エドには材料費を出してもらうのニャ」


ですよね。


「その代わりエドにも食べさせてやるのニャ」


おお!本当か。昼飯はさっき食べたばかりだがまだまだ入る。


「なら折角だからヤルメを作ってくれ」


「分かったニャ」


その後二人で材料を買いにいく。


買ったものは俺が持ち、買うものをイルが選ぶ。これって正に


「そこのカップル!!うちの採れたての野菜を買ってかない?」


そうカップルそのものじゃないか!!ってあれ?


声がしたほうを見ると確かに野菜を売っていた。


「カップルって俺たちのことか?」


「そうだよ!そんなに可愛い彼女連れちゃってさあ。おじさん嫉妬しちゃうよ」


イルと付き合っているように見える俺に嫉妬しているこのオッサンはロリコンなんだろう。


「カ、カップルなんかじゃないニャ!!」


それは事実なんだがそこまではっきり言われるとダメージが酷い。


「またまた。カップルなら割引してあげようと思ったのに。」


オッサンはきっとからかうために言っただけだったのだろう。しかし俺はこれ幸いと、とびつく。


「そうなんですよ。恥ずかしがっちゃて」


俺はイルの肩を抱きながら言う。


「ちょ、なんでそんな嘘言うのニャ」


小声で答える。


「仕方ないだろう。カップルなら割引なんだから。金を払うのは俺なんだぞ。ほら早く買う必要があるものを買え」


「わ、分かったニャ」


意外と素直に従うイル。そしてまんまと割り引きしてもらったジャガイモモドキを買う。



「じゃあ作るからそこに座ってて欲しいのニャ」


「悪いな。」


「別にいいのニャ」


前と同じような会話をしながら部屋にあがる。同室の子は外で食べてるらしくいなかった。


エプロンをつけたイルが俺に背を向け尻尾を左右に揺らして耳をピコピコ動かしながら料理をする姿はやっぱりそそるものがある。きっとイルと結婚したら毎日この光景が拝めるんだろう。まあ偶にしか見ないからありがたく感じるとも言えるのだが。


そんなことを考えながら周りを見るとテーブルの下になにか白いものが。


ゴミかと思いながら拾うとそれは・・・


ぱ、パンツ!?


思わずまじまじ見てします。いやいや待てよ。同室の子のという可能性もある。


俺が(深刻かつアホな)考え事をしているといつの間にか料理を作り終わったイルがこちらに来る。


「エドー。出来た・・・ニャ!?」


イルがパンツを手に考えごとをしている俺を見つけたようだ。


「は、離すのニャ!」


どうやらこのパンツはイルのだったらしく大慌てでパンツを奪いにくる。しかしそれがいけなかった。


「ニャ!?」


イルはよっぽど慌ててたのか足をもつれさしてしまい途中で転びそうになる。そしてその手からヤルメが入っているだろう鍋が落ちる。


「まず!!」


パンツを手放してイルに駆け寄る。その途中で空中に浮いていた鍋を回収。素早くかつこぼれないようにテーブルの上に乗せる。


そしてそのままイルと床の間に体を突っ込む。俺がクッションになるように。余談だがこのとき体を上下反対にすることは忘れなかった。しなかったら大変なことに。


「痛っ!!」


そのまま床にぶつかる。しかし直接床にぶつかったのは俺だけだ。うまくイルのクッションになれてほっとする。まあ代償として頭を強打したが安いものだろう。そこでおかしなことに気付く。


イルがなにも喋らないのだ。おまけに顔が赤い。どこか打ったのかと思い慌てる。


「おい、大丈夫か?どこか打ったか?」


そのままイルが喋らなかったら《治癒炎ちゆえん》を使っていたかもしれない。それくらい慌てていた。


「・・イのニャ。不意打ちで。」


イルがなんか言ったがよく聞こえなかった。


「大丈夫か?」


「大丈夫ニャ。心配掛けたニャ」


「いやもともとは俺が悪いんだし。」


なんで俺はパンツなんかに負けてしまったんだ。


「本当に大丈夫か?顔も変に赤いし。どこかぶつけたりは?」


「大丈夫なのニャ!!それよりヤルメは」


「一応テーブルの上に乗せて置いたぞ。あのまま落ちてたらお前にかかっただろうから。」


そしたら火傷しちまう。


「そ、それなら早く食べるのニャ」


「ああ。分かったよ。けど、無理すんなよ」



その後食べたヤルメはおいしかったのだが・・・食事中チラチラとイルがこっちを見てくるから集中できなかった。








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