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第22話 第三試合 リレス対剣士

ついにバトルパート突入です。

「次でしたか?リレスさんの試合は」


「ああ。最初じゃなくてよかったよ。」


今は第二試合が終わったところだ。ジュラが言ったとおり次の第三試合がリレスだ。第一試合と第二試合は知らないやつ同士の試合だった。


「第一試合程緊張はしないでしょうね。」


「ああ。本来の実力を出せればいいんだが。」


緊張というのは中々馬鹿に出来ないものである。まったくしないのも問題だがしすぎるのも駄目だ。


「始まりますね。」


見ればリングにリレスとその対戦相手があがっている。


ここで軽くリングの説明をしよう。材質は非常に硬い石で出来ている。そのため魔法を使っても簡単には壊れたりはしない。ただし土魔法で穴を作ったりはできる。大きさは一辺が四十メートルの正方形。天下〇武道会のリングを大きくした感じだ。四十メートルというのは大きく感じるかもしれないが魔法使いにはそれくらい必要だし中には弓を使う選手がいるためだ。余談だが審判を務めるのはそこそこの実力者である。これは試合を無理矢理とめる時があるためである。


「相手は剣士ですか。どうですか?リレスさんを鍛えた身としては?勝てそうですか?」


「魔法だけじゃ無理だろうけどあれを使えばいけると思う。」


「あれですか・・・随分勿体ぶりますがもうすぐ分かることなので我慢しますか。」


「わかってるくせに白々しい。」


今のリレスの装備は魔法用の短杖を右手に持っている。防具のほうは軽さを優先した革防具である。しかしファンタジーなこの世界では明らかに防御力に難がありそうな防具にも魔法によって高い防御力がついていることがある。リレスが装備しているのもその一つだ。まあ見た目の割にはというレベルなんだが。それと相手からは見えないように腰にあるのが第二の武器である。


リレスと相手の剣士がリングの端と端で向かいあう。見たところ相手の剣士は見た目純魔法使いのリレスを見て油断しているっぽい。これなら直ぐに終わるかもな。


「始め!!」


審判の掛け声とともに試合が始まる。


開始直後剣士は剣を抜きながらダッシュでリレスと距離をつめる。対するリレスは左手を腰に当てたまま魔法を詠唱しながら後ろに下がる。


それを見た剣士はリレスが純魔法使いだと断定したのかダッシュのスピードを上げる。このままでは魔法が完成する前に斬られるだろう。


しかしここでリレスが今まで腰に当てていた手を少し腰から離す。その手には第二の武器が握られている。


そして剣士とリレスの距離が10メートル程になったときにリレスが武器を持った左手を素早く振りかぶり・・・相手に振り下ろした。


ビュン!!


という空気を裂く音と共にリレスが放った武器が相手に飛んでいく。相手はリレスに魔法以外の武器があるとは思っていなかったらしく咄嗟に剣で防ぐので精一杯だった。しかしそれは悪手だった。


リレスが放った武器が相手が体の前に出した剣にあたる。いや正確には剣に絡みついた。


自分の剣にリレスの武器が絡みついたのを見て相手は初めてそれが何なのか分かったらしく目を見開いて驚いている。次いでなんとかして剣を束縛から解こうとするがまるで外れる様子がない。


リレスが相手に放った武器とは5メートル程の長さの鞭である。今相手の剣はリレスが握っている鞭に絡みつかれて動かせない状況にある。しかしこのまま引きあいになったら負けるのは当然リレスだろう。


だがここで開始直後から詠唱していたリレスの魔法が発動する。


バレーボール程の大きさの火の玉が剣士に向かって飛んでいく。


剣士は剣を握ったままでは回避は難しいと判断して剣を手放してサイドステップをする。おそらく今の魔法をかわして次の魔法を唱えられる前に接近し、攻撃するつもりだったんだろう。剣士の筋力で攻撃されたら素手でも魔法使いを倒すには十分なので正しい判断と言える。・・・しかしそれは魔法が連続で使われない場合だ。


剣士がサイドステップし始めるのとほぼ同時にリレスの魔法が発動する。


最初に発動した魔法と同じ火の玉が剣士にせまる。地面に着地した衝撃を殺しきれていない剣士は今度はまともに魔法をくらう。


それで試合は終了である。予想外の結果に観客席が沸く。まあリレスの完勝と言っていいだろう。


「これは驚きました。武器のほうは大体予想していましたが、まさか二重詠唱デュアルスペルまで習得していたとは。」


二重詠唱デュアルスペルとは最後にリレスがやっていた魔法である。二つの魔法を同時に詠唱する、まあそのまんまな技術である。


「だけど二重詠唱デュアルスペルって言ってもまだ同じ魔法しか出来ないけどな。」


本来二重詠唱デュアルスペルとは別の魔法を発動してこそ真価を発揮する。しかしリレスにそれを求めるのは酷というものだろう。


「俺的には鞭の扱いのうまさにも注目してほしいんだが。」


「それはあなたが教えたんですからあれくらい当然ですよ。」


「だから俺を過大評価し過ぎだ。あれははただ単にリレスに鞭の才能があったんだよ。」


鞭は剣や槍などの武器と違って才能がものをいう。特に最初のうちはそれが顕著である。自分が放った鞭がどんな軌道でどこに行くのかをなんとなく分かるのが大事だ。才能がなくても特訓をすれば扱えるようになれるがそれには長い時間が必要である。リレスに鞭の才能があって本当によかった。


なんにせよリレス一試合目勝利である。





最後の一試合目というのはリレスにとってのです。念のため。


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