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第12話 祭り

お気に入りが1000件越えました。これからもよろしくお願いします。

急いで校門に行くと既に二人とも来ていた。格好は両方制服だ。


いい忘れていたがアライアンスは制服だ。身分差による服などの差をなくすためらしい。おまけにこの制服そこら辺の鎧じゃ歯が立たないような防御性能を持っている。勿論女子はスカートだ。


「遅れて悪い。」


「本当ニャ。これはなにか奢って貰わないと気がすまないニャ。」


「分かったよ。」

遅れたのは俺が悪いので素直に言っておく。


「行くか。」




王都を回るとは言ったもののそんなに見るものがあるか不安だったが直ぐにそれは杞憂だと知った。


王都は今お祭りのような状態である。


「来る時にも人が多いとは思ったがこんなにいたのか。今日なんかあったけ?」


「入学者が沢山くるからそれにあわせて沢山の商人が来るのでお祭りのような状態になってる」


「なるほど。」


来たときは急いで気がつかなかったがよくみればもう屋台や射的やのような物まである。


「取り敢えず小腹もすいたし屋台に入るか。」


「賛成ニャ!!早く食べるのニャ」


そういって近くにあった屋台にイルが突撃していく。そして帰ってきた時には両手に沢山の食べ物が握られていた。


「お前それ全部一人で食べるのか?」


「そんなわけニャいに決まってるじゃニャいか。はいリーダーとリレスのぶんニャ」


そういって俺とリレスに串焼きを渡してくる。.......一本だけ。


「おい、お前!!結局それ全部一人で食うのと変わらねーじゃねーか。」


「そんにゃことないニャ!!ちゃんと二人にも分けたニャ!!」


「一本だけだろうが!!まあお前の金だからこれ以上言わないが。」


歩き出そうとすると後ろから声がかけられた。


「ちょっと待ってくれそこの兄ちゃん」


振り返ると屋台で料理を作っていたオッサンの一人だった。そしてそのオッサンの後ろには沢山のオッサンがいた。


「えーとなんですか?」


嫌な予感がしつつ聞くと、


「そこの獣人のネーチャンが買った分の代金さっさと払ってくれ。」


「はあ!?これはイルが買ったんじゃないのか!?」


イルのほうを見るとこそこそとリレスの後ろに隠れようとしていた。


「おい、お前これまさか俺が金払わなきゃいけないのか?」


「リレスリーダーにイルはトイレに言ったって言ってほしいニャ」


それを聞いたリレスは、


「イルはトイレに行った」


「いやもうバレてるからな!!さっさと答えろ」


しぶしぶといった感じでイルが答える。


「だってリーダー今日は俺の奢りだ!!好きなだけ食えって...」


「そこまで言ってねーよ!!とにかくこの代金はお前が払え!」


「お金持ってニャいから無理ニャ」


「ならせめて買う前に聞けよ!!」


俺とイルが騒いでいるとオッサンたちが、


「で?あんたらどっちでもいいからさっさと払ってくれ。」


「.....はい分かりました。」


しぶしぶ俺が払う。クッソさっき貰ったとき感謝して損した。


「リレス俺にも一口くれ」


振り返ってリレスに頼むとそこにはちょうど串焼きを食べ終わったエルフの少女の姿が。

リエスは俺に気づくと困ったように俺と串焼きの串を見たあと、


「....食べる?」


「いらねーよ」


串だけ差し出した。


「おいイル。お前のほうの食べ物を分けろ。俺が金払ったんだから」


「無理ニャ!私のお腹はもうこれを食べるって決まってるニャ。それを今さら変えろだニャンて....」


ぷるぷる震えた後、


「魔王の所業ニャ」


「魔王やることショボいな」


思わず突っ込む。というかこっちにも魔王っているのか?いままで聞いたことないが。


「仕方ない自分のぶんを買ってくるから絶対動くなよ!!いいか絶対だぞ!!」


「分かってるニャ。」


「そうかそれならいいんだが。」


「そういうフリニャよにゃ?」


「ちげーよ!!ああもう!ホントに動くなよ。動かなかったら肉買ってやるから」


「わかったニャ!!絶対動かニャいニャ!!」


....はあ、最初からこうしておけば良かった。



屋台で急いで俺の食べ物と串焼きを二本買う。



戻ってくると二人はしっかりとそこにいた。


「ほい。」


一本をイルに、もう一本をリレスに渡す。あれだけじゃ腹すいているだろうし。


「ありがとう」


リレスはしっかりとお礼を言った。それに比べて、


「お前もなにか言うことがあるんじゃないのか?」


「ふご、ふごご、ふぐ」


「食ってから話せ。」


「もう一本ほしいニャ」


「お礼だよ!!お礼!!おまえどんだけ食いたいんだよ!!」


「ありがとうニャ」




その後祭りを回っていると射的屋があった。なんとはなしに覗いていると急にリレスが反応した。


「どうしたなにか欲しいものでもあるのか?」


「.....あの本」


リレスが指差すほうには確かに本が置いてあった。


「あれが欲しいのか?」


「うん」


「まかせな。オッチャン俺にも頼む!」


「あいよ。一回500ソルで5000ソル出すと11回出来るよ。」


だれがそんなにやるんだと思いつつ渡されたコルク銃のようなものを構える。因みにこの世界のお金の単位はソルで1ソル一円と分かりやすい


そして....


「はい」


リレスに本を渡す。


「...ありがとう」


リレスが実に微妙そうにお礼を言った。まったくなにがそんなに不満なんだ。


「リーダーが全部で11回もやるからニャ」


....しかたないだろ。当たんないだから。いやー難しいね!異世界の射的は!!これが普通のやつだったら簡単だったのに


「そういやあれどうやって弾が出てるんだ?」


「引き金を引くと魔力が弾になって出る。」


「ふーん。なんで軍用化されないんだ?」


「威力がほとんど上がらない。理由は知らない。」


なんでだろう。銃があったらいいと思ったのに。俺程度の知識じゃ作れないし。



その後は大した出来事もなく祭りをまわった。これ以上問題が起こらなくて良かった。




そして次の日、俺たちはギルドで初の依頼を受けようとしていた。


感想待ってます。

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