輪廻の巡りは永遠に…
いつかみたあの空をもう一度見たいと望むのは少し望みすぎなのかも知れない
あの時あの場所で君と出会った奇跡を信じて見ようと想うんだ
そう考えれば少しは元気になれるのかもしれない
いつも考え事をするときに行く丘がある
いつもは学校帰りによる場所だったけど
今日はもう日も暮れた夜に出掛けた
いつもとは違う風景に歓喜しつつも考える
これからの人生について
今から考えるのは少し速いかもしれないが
人生何があるか分からない
少し考えてからそろそろ帰ろうとしたとき
少し離れた所に年は僕と同じくらいの少女がいた
その少女の横顔はどこか儚く悲しそうにも見えた
それからすこしして
少女は僕に気付いたらしく
近付いてきた
「ねぇ、ここから見える風景は綺麗だね」
そう少女は話し掛けてきた
僕はそれに答えようと口をひらいた
「まるで地面に星があるようだ」
少女は少し微笑みながらこう言った
「そうだね」
僕は少し照れながら
微笑みかえした
少女と話してると少し気分が晴れたのかもしれない
「名前、聴いてもいいかな」
と僕は言った
それに少女は応えた
「私は…麻奈」
少女…麻奈は少し悲しそうな顔をしてからそう答えた
なので僕は自分の名前を言った
「僕は和樹」
そういうと彼女は少し笑っていた
そして僕は麻奈がもっと笑ってほしいと思いこう言った
「麻奈…良い名前だね」
麻奈はその言葉に少し顔を紅くしながらも
「和樹って言う名前も良い名前だね」
と言われた
その言葉で僕も顔が熱くなった
その後は二人で他愛の無いような話をしていた
時間が知らぬ間に立ち夜も更けてきた
そろそろ帰ろうと麻奈に声をかける
「ぞろぞろ帰るかな」
麻奈は一瞬悲しそうな顔をしたが
「またね」
と言った
それに僕は
「また、明日」
と応えた
その言葉に麻奈は泣きそうな顔になった…
僕は
「どうしたの?」
と、立ち止り聞いた
麻奈は涙をこらえながらこう言う
「……きにしないで…」
今にも泣きそうな顔をしている君をおいて離れたくはない
そう感じた
だから僕はもう一度麻奈に近づこうと足を動かした
すると麻奈はこう話した
「ねぇ、私と逢うのは今日が初めて?」
その言葉に少し疑問を持ちながらこう答えた
「初めてのはず…でももしかしたら町ですれ違うくらいはしたかもしれないけど…」
そういうと麻奈は涙をこぼしながら
「だよね。こんなこと聞くんじゃなかった…」
と、
それにたいして僕はどんな顔をしていいか分からず
その場所で困惑してしまう
この場合はうそでも覚えてるって言った方がよかったのだろうか…
そんなことを考えているうちに
麻奈はもう一度口を開いた
「私も帰るね。また明日も逢えるよね?」
僕はその質問に対して応える
「もちろん。その時は笑顔でいてほしいな。君は泣き顔よりも笑顔の方が似合うから」
「うん」
そして麻奈とひとつ約束をして僕は家へと帰る
今日は良い日だったと振り返りながら
明日もまた麻奈と出会えますようにと祈りながら
今日僕はあの子に恋をした
明日の僕がこの事を覚えているかは分からないけど
僕は忘れたくない麻奈の事を
だから今日も寝るのは怖い
きみともう一度逢えたら僕は…
そして今日がおわる
僕は繰り返す永遠にも思える毎日を
そして今までの記憶がよみがえる
そしてこれが何回目かを思い出す
これが77回目の恋だということうを
今日がその記念日だということ
だから忘れたくなかった
でも、どんなに頑張っても
明日は来る
僕がそれを望もうが関係なく
そして今日という日が終わる
明日の僕は78回目
明日は忘れないで覚えていたい
記憶をもつことはそこまでの願いだったのかな…
そして今日が終わり明日が来る
今日の僕が死に明日の僕が生まれる
僕は何度でも君に恋をし続ける
それがどんなに無駄だったとしても
そして今日が終わり
明日がきた
そこで僕はまた記憶を失った