僕のはじまり
とうとうこんな所までやって来た。
僕は、何も考えずにただ日々を楽しく過ごすことだけを考え、没頭していた。
電車の中で友達とバカ話をしている時も、乗り合わせたみんなが笑うのだと信じて、大声ではしゃぎ続けた。
みんなが迷惑しているのだとも、余りのくだらなさに呆れているのだということも、全く気づかずに。
僕は、自分が一番大きく一番ステキで一番賢いと思っていた。
そして、これからもそうであることに、正直飽き飽きしていた。
大人は「若さゆえ、足を踏み外す」ことを、人の頭のてっぺんよりもっと上から説教する。
でも、僕がそのことをその時点で理解出来ていたならば、大人が説教を垂れる場がなくなる。
いつの時代にも大人の説教が繰り返されているのならば、僕は昔からありふれた若者だったんだろう。
「こんなはずじゃなかった」なんて、一生言いたくないフレーズなんだけど
今まさに現実を一言で言うなら、これだ。
外国で墜落した飛行機が炎上しているニュースの映像を見ながら
僕は、今まで考えもしなかったことを考えている。
これまた陳腐で、去年の僕なら吐き気がするフレーズなのだが
「自殺しよっかな」と、生まれて初めて考えている。
勘違いしないで欲しい。
僕は、そこらへんのちょっとテストで悪い点を取ったからとか
mixiでトラブったからとか、失恋したからとか
そんな理由で簡単に自殺を考える人間じゃない。
今僕が置かれている状況は、今後の未来もずっと負のスパイラルが続くことを意味し
また、周りに影響が及ぶ前にどうにかしないといけないことなのだ。
そしてそれは、普通の日常では触れもしない漫画のような非日常な状況なのだ。
やるだけやって本気で自殺を考えたことがある人は
「死のうかな」とか「死んじゃえ」とか「コロス」とか
簡単に言う人間を憐れむ。
一番死に遠い人が口に出来る言葉だからだ。
そんなことを、ぐらぐら揺れる飛行機の炎を見つめながら考える。
事故で亡くなった人の代わりに、この世から消え去りたいと願う。
そして、この世から逃げることも甘えだと気づく。
また堂々巡りだ。
逃げられなければ、現状をどう打破すればよいのか。
打破出来ないから途方に暮れているのではないのか。
そんな僕が流れ着いたのは、夜の闇だった。




