第4話 曲中プランクやり続けるだけでも体幹鍛えられますよ。
ゆで卵生活は良いことばかりでは無かった。
まず、始めて2日目で直面したのは便通の悪さであった。これは野菜を多くとることで解決するのだが、3日目から異常なほど小松菜が食べたくてしょうがなくなった。
毎晩、小松菜を食べるのが1週間ほど続いた。
あくまで予想だが、天然バイアグラの卵に欠けている豊富なビタミンを身体が摂取したがっているような気がしてる。
そして、この時位から運動したい欲求が高まっていた。
運動したーい!
などと可愛げのある感じでは無く、皮膚の下に窮屈なスパイダーマンスーツを着込んだ様な常に不快感が纏わりついていた。
「筋トレならおすすめありますよ。今、送りますね。」
そう、声優と夜あそびの安元さんばりの低音イケメンボイスで教えてくれたのは職場の後輩、本山君。
彼はフルマラソン完走経験者で元自衛官。
趣味はゲームやアニメと幅広く少し前にスト6のカスタムルームで彼の操るザンギエフに我がキンバリーが26敗を喫して心を砕いた実績を持っていた。
LINEに送ってくれたのは、
Bring Sally Up Push Up Challenge
という3分半程度の動画のリンクで、
音楽にあわせて腕立て伏せを行うのだが、自分のペースなら500回でも続けることが出来る本山君が
「まじ、きついですよ」
と言われる所以が、曲中の間奏。
その間伏せ状態をキープ。それが複数回存在し、短時間で腕がパンパンになる。
筋トレなんて、何年もやったことがなかったが、まずは膝をついた状態で起床時と就寝前に挑戦することにした。
なんとか3日間で完走したが、体幹が安定し、かなりきつめの猫背が矯正された。
完走をきっかけにノーマルバージョンに移行したが、笑ってしまうほど腕が上がらない。
しかし、却って短時間集中するだけなのが性に合っているのか飽きずに続けている。
若さを取り戻しつつあるところにまさかの落し穴が待っていた。
感情のコントロールが難しくなっていたのである。




