第20話 設定したゴールって大体変わるよね
水曜日の朝、日課になったDMを送る。
〝おはよ
今日の夜お酒ご馳走したいなあ
でも、はなちゃんやることいっぱいあるからなあ笑
今日も一日がんばりましょー〟
〝おはよー。よっしー
また夜勤で死にそうだよ笑
よっしーも頑張ってね〟
〝夜勤大変だけど生きて帰ってきてね〟
〝なんとか瀕死の状態で帰ってくるね〟
夜勤前恒例の肯定感上げボイス動画を送る。
〝お役に立てば幸いです〟
〝お風呂中でイヤホンないのであとで聴きまーす一緒に入る??ww〟
〝はいりたーーーい
あと、本日は主に二の腕が追加されました〟
〝パーツが追加されていく〟
〝ま、まさかの入浴セクシーショットいただけるの?
胸肉、腹肉は仕込みに時間がかかっております
顔も見せちゃったし、お出しするものが限られておりまして〟
〝仕込み
声だけで十分だけど
お風呂ショットなんかあげるわけないでしょಠ_ಠ〟
といいながらも画像が送られてきた。
一瞬、ご褒美セクシー!?と期待したが、送られてきたのが、かわいらしい部屋の画像だった。
白を基調とした壁棚に同じく白い装飾のミニツリーやスノードームの真ん中に赤い靴下に入ったサンタ帽をかぶった猫が柔らかな陽射しを受けていた。
〝素敵
柔らかな雰囲気が癒されるね。
癒やしの空間だね
この子名前はなんていうの?〟
〝なまえ、、
ニャンタ〟
〝はなちゃん
写真撮るの上手〟
〝ニャンタ
このお姉ちゃん、変な時間に甘えん坊さんになるから気をつけてね〟
〝ニャンタには手を出さないもんಠ_ಠ〟
写真難しいよねー。。全然上手くないし。。 〟
〝難しいよね。この間の乾杯の写真なんか、自撮り全然上手くいかなくて、はじめましてのイケメン君にお願いしたら一発だったもんね。〟
〝はなちゃんの写真。はなちゃんのやさしさとか人柄の良さとか無邪気さが感じられて凄く好きだけどね。〟
〝さすがイケメン
でもそういう人苦手笑〟
〝この一枚でそんなことわかるの笑笑
フィルターかかりすぎだよ〟
〝フィルターかもしれないね
でも、わかるというより感じるものだからなあ〟
〝ライフワークがノンバーバルコミュニケーションだから、意識強いのかもね。〟
〝横文字すぎてわけわかめಠ_ಠ〟
〝すみません。ノンバーバル(非言語)のコミュニケーションです。
五感に働きかけるみたいな。〟
〝よっしーってどんなお仕事してるの??っていうかお仕事中だよね。ごめんね〟
〝通勤中だから大丈夫だよ。
介護福祉士。訪問メイン。たまに初任者研修の講師やってる。教えるって難しいから、日々勉強。〟
〝なるほどね!納得。。
だから色々詳しいんだ!
ヨッシーこそ大変なお仕事だね!〟
〝ありがとう。夜勤ありのナースさんにはとても及びません。
日々、医療の皆様にはお世話になり感謝です。
では、はなちゃん、またね〟
ここ数日のあれこれで、夜勤明けに道玄坂の水炊き屋さんデートを計画してみた。
「いや、自分は無理して会わなくていいんじゃないかと思うんですよ」山西君は言った。
月火休みの山西君に状況報告とアドバイスを求めてまだ3回目のイタリアンレストランのカウンターで飲んでいた。
「なんか、DMでのイチャイチャが、自分には出来ないですし面白いんですけど、終わっちゃうの惜しくないですか?」
「でも、正直昼夜のやりとりに不健康さを感じていてそもそも下心からはじまってるし年の差もあるし会ってお互い卒業でいいと思うんだよね。」
「確かに付き合いはじめのカップルみたいですよね。なんか、話を聞くたびに予想を越えてくるんで」
「そうなんだよ、まともにからみだしてから1週間くらいじゃないかな。まあ、関係は悪くないと思うから身体鍛えつつ、彼女にとってかけがえのないものになれたら、会って卒業が一番いいかな」
「自分としては会わないでイチャイチャ続けて話聞いていたいですよ」
その後は他愛のない話をして報告会は終了した。




