第16話 渦中にいる時は気がつけないもんだ
夜勤明けの土曜日の夜、はなちゃんはちょっとセクシーな投稿後、フォローワーたちとコメント欄でやり取りをしていた。最後に明日は買い物後、カフェでのんびりすることを宣言していた。
日曜日の朝、いつもより早い訪問がある為、普段より30分早く起きなければならないが、約2週間のゆで卵生活のおかげで早起きも苦ではなくなっていた。
〝おはよ、お仕事行ってきまーす
よい一日を〟
もはや習慣になった朝のDMを送る。
〝おはよ。
お仕事、頑張ってね
たくさん稼いでたくさん税金払ってくださーい〟
直ぐにDMが、返ってきた。
〝ありがとう、税金ってなんであんなにとられるのか悔しいからふるさと納税で地元北海道のハンバーグもらた〟
〝わかる!私も生ホタテ今年注文した 美味しいよね〟
他愛のないやりとりを行い午前の業務があらかた落ち着き休憩に入ったタイミングではなちゃんの投稿の更新に気づく
『今晩、会える人はいいねとコメント』ちょいセクシーな画像とともに投稿されていた。
は〜?今日は買い物後、カフェとか言ってたじゃんなにその気まぐれ?
というようなことは一切考えず、いいねを押しはいをコメント欄に書き込んでいた。体感30秒だった。
そのあと、およそ20人位のコメント常連と思われる人たちが続いた。
日曜日は早めの出勤の為、上がりの時間も早い。
テキパキと仕事を終えはなちゃんのDMに送る。
〝よっしゃ仕事終わった。
もし、今日会えるなら、はなちゃんが呼び出し受けて直ぐかけつけやすい最寄り駅でいいよ。〟
〝ヨッシー、お仕事お疲れさま
ごめんね
ヨッシーだから言うんだけど、ちょっと実験的な投稿だったの。
写真も使い回しだし
この前の通報のせいなのか、はたまたセンシティブ出しすぎちゃったせいなのか、インプレッション数が異常に減っちゃって、なんでかなぁって調べてたら、話題やおすすめ投稿に掲載されない制限がかかってるみたいで
インプレッション数的にフォロワーさんだけ反応しているのかなぁ、、って確認したかったの
まさしくそんな感じだね。
申し訳ないけど流石に今日はまったり過ごす予定ですよー。
みんなを惑わせてしまって申し訳ない。
内緒にしてくれると嬉しい。
そんなこんなで新アカウントの準備中、インスタも勉強中、乞うご期待〟
〝そっか、 分かったよ笑
大丈夫。今日は最速で挙手出来た自分をほめる笑
はなちゃんのおかげで仕事捗ったし多分3倍速笑
みんなのこと大事に思ってるの伝わてくるよ
貸しという訳ではないんだけど一つ質問答えてくれると嬉しい。
昨夜のやり取りで「救くわれてるよ」って表現が気になったの。少し説明してくれたら嬉しいな〟
〝よっしー,頑張ったね╰(*´︶`*)╯♡
えらいえらい
救われてる??
夜勤って精神的にも肉体的にも辛いでしょ??
容体が急変して最悪亡くなる事も珍しくないから…
そんなすり減らされた世界の中で、頑張れ、えらい、あと少しって言ってくれる人がいるって言うのはすごい心が救われてるから、言ったんだけど…
そんな深い意味はなかったけど、回答になったかな??〟
〝褒めてくれてありがとう
うん、回答になってるよ。やっぱ過酷だよね。そりゃあフォローワーさん大事にしたいよね。さっきの返信まめだったもん。
はなちゃん尊敬
投稿にいちいち、反応してしまったから、はなちゃんが返信先探す邪魔になってるなあって思った
ついでだから、どんな顔して撮ってるのかって話は
本気で癒やしたい→妄想イメージ→目の前はなちゃん→多分相当甘々な顔してる笑笑
言った台詞は実際やってるわ多分すんごく集中してるから分かんないけど笑
動画重くてエラー出て、音声のみに撮り直したりした笑〟
〝ありがと!そんな裏話があったとは笑笑
制限かかっちゃったからもう最後かも。ごめーんね
またねー笑笑〟
救われてるに対する回答は納得はいったもののまだなにかあるような気がしたが、これ以上詮索するのは野暮と自分に言い聞かせ、早めの帰宅を楽しむことにした。




