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初めての授業

 今日から授業だ。俺が今まで習得した魔法は以下の通り。

 炎属性の魔法全段と氷属性の魔法全段に加え、


 まずは雷属性。


 一段目は「フラッシュ」

 殺傷力はごく僅かだが、放出された光により敵を盲目状態にさせる。炎属性1段目の「ファイヤ」に次ぎ、二番に体の負担が少ない。


 二段目は「サンダー」

 敵の頭上に一発の雷を落とす。必ず落とすとは限らない分、威力が大きい上、燃費が良い。


 三段目は「ライトニング」

 「サンダー」よりも4発もの雷を落とすことができること以外、「サンダー」とそこまで変わり無し。


 四段目は「ライトニングエクスプロージョン」

 光弾を発射し一定の距離を進んだ後、盲目状態を誘発させる爆発を起こす。威力が高いが案の定、大きな負担がかかる。

 以上で、基本の攻撃魔法である炎氷雷属性の魔法だ。雷属性の魔法は他二つよりも習得が難しかった。とはいえ授業までに覚えられてなんとか良かった。


 次に「アルマテ・エクステルミナーレ」。

 自身から放たれる光線が敵に命中すると一撃で倒すことができる強力な魔法だ。しかし、幽霊や不死者には効果がない。

 「武装された敵を消滅させる」という意味を持つ言葉が由来らしい。


 最後に「パラライゼーション」だ。

 食らった敵はしばらくの間身動きを取ることが出来なくなり、魔法の効果が切れるまで無力化される。

 七百年前のサノロイドの聖術師であるパラリス様から名付けられた。


 ……以上だ。これで全魔法の半分は習得しただろう。


 ◇


 いよいよ人生初の魔法学校での授業だ。俺のクラスにはエルマルクがちょうどいた。

 俺は自分のクラスの席に座り、授業の先生が来るのを待った。数分後、先生が来た。


 「えーっと……みなさん、おはようございます。今日がみんなにとって初めての授業ですね。それまでにいくつか魔法を習得してる子もいると思うけど、その子はできない子を手伝ってあげてくださいねえ」


 先生は魔導書を開いた。


 「えー、まあ初日なので今日は……」


 (初回だし流石に炎属性や氷属性のような基本攻撃魔法だろう…よっしエルマルクを助けてやるぞーっ!)


 「マジックヒールを学びましょう!」


 先生はドヤ顔で俺らに伝えた。


 (えっ……えーっ!?)


 俺は驚きを隠せなかった。周りの子は全く知らないのか無反応だった。


 (あの異常に習得が難しい魔法を初回から学ぶってぇっ!?無茶言うなぁ先生っ!)


 「初めっからかなり難しい魔法を学ぶことになってしまいますが、この魔法を習得すれば後は楽ですっ!さあ一緒に頑張りましょうねー!」


 そうして初回は地獄の授業へと化したのだ。


 「では、まずは集中力を鍛えるためにまずはこれらを解いてみましょう!」


 先生は俺らに何かの紙を配った。二百問ほどの計算問題だった。問題の内容は簡単な四則演算なのでまだ良い。ただし問題用紙の右上を見ると、「全ての問題を三分で解き切りなさい」と書かれていた。先生が相当の鬼だと改めて感じた。


 「準備は良いですかぁ?では、始め!」


 周りが動揺していたところで早急に開始の合図が送られた。

 直後、俺は瞬時に鉛筆を握り、始めの問題から手を付けた。

 九九の問題の順がごっちゃに混ざっていたのと割り算で一時視界が歪み、指が震えてしまったが、後の足し算、引き算は余裕の速さで解き切った。

 そして俺はなんとか終了時間になる前に解き終えた。周りもなんとか解き切れたみたいだ。


 「みなさん、かなりの問題量に苦戦することなく解き切れてるみたいで素晴らしいですね。では次は……」


 (次は何だ?この感じだとどうせ同じぐらいキツイんだろうなぁ?)


 「これを見ましょう!」


 先生は俺らにモニターを見せた。モニターにはかなりの速さで回転する白黒の渦巻きが映し出された。


 「一分計りますので、終了までぜっっったいに中心部分に集中して見ておいてください。瞬き禁止ですよぉー?」


 そして初めの合図が出された。開始十数秒で映し出されている渦巻きの影響で俺は頭がボヤーっとなった。何とか目はぱっちりと開いた状態を保っている。


 (あぁ今どんだけ進んだのかなぁ…あ、ダメだ! こんなこと考えるから余計に頭がぁーっ!あぁ……)


 そうして俺は後ろに倒れ込みそうになった。その時、


 「おいっ!しっかりしろ!こんな物でギブしてどうするっ!?」


 俺を呼んでいる声がした。多分エルマルクの声だと思う。

 おかげで俺の意識が戻った。エルマルクの方を一瞬見ると、彼に警報級の滂沱の涙があふれ出ていて目が充血していた。彼の方がよっぽど限界なはずなのに、それでも俺を助けた温情さが自分の心に響いた。


 「はい。みなさんよくできましたね」


 やっと終了の合図だ。俺とエルマルクは辛うじて耐えていて、その他の周りの子はぶっ倒れていた。


 「あらら。アベルさんとエルマルクさん以外全員ダメだったのですね? 流石に私やり過ぎましたかぁ……」


 (うん。やり過ぎだ)


 「とりあえず今日は一旦、マジックヒールの練習はこれでおしまいにしましょう」


 そして、なんとか初日の授業が終わった。俺はあの時の渦巻きによる後遺症がまだ残っていてフラフラだったため、寮に戻る際は余裕な子に肩を組ませてもらった。エルマルクも同じだった。

 部屋に着いたら俺とエルマルクは真っ先にダッシュでベッドに飛び込んだ。部屋全体が揺れて一瞬心配になったが、そんなものどうでも良くなった。俺らはそのまま寝てしまった。

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